一法学生の記録

2014年4月に慶應大学通信部に進んだ法学生の記録である
(更新)2017年4月に神戸大学法科大学院へ進学しました。

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一括競売制度について

2016-09-18 18:15:03 | 物権法
一括競売制度について

 順々に説明すると、更地に抵当権を設定した後、建物が建築されたとき、抵当権者の利益を守るため、法定地上権は成立しないが、そうすると買受人はその土地を自由に処分できるから(自由に処分するために)、建物収去請求をすることになる。そういう面倒なことで、買受人が見つからないかもしれない。土地の価額が不要に下落するかもしれない。あるいは、建築物という社会的財産を損なうことになる。 

 そこで、抵当権者は、抵当権を実行するときに、このような状況があれば、土地と共に建物も一括競売に掛けることができる。とした。

 なるほど、土地と建物が一緒に競売に掛けられるとなると、土地所有者は抵当権が実行されないという確信がなければ、そのような権利が不安定な土地にあえて建物を建てようとは思いにくいだろう。一括競売制度によって被害をこうむるのはそういう土地所有者が建てた建物を取得した第三取得者であろうが、このような第三取得者は旧法では守られていた(一括競売の対象外)が、旧法ではそのような第三取得者が土地所有者と組んで買受人に対して建物収去・土地明渡の負担をかけるという形で抵当権の執行妨害をしていたから、新法では第三取得者がいる場合にも一括競売の対象となることになった。

 だが、この制度はあくまでも、抵当権者の権利であり、義務ではないとされる(判例)。一括競売をせずに、建物所有者と協議により解決する場合などが想定されているのだろうか?

 一括競売を実行すると、土地と建物が(同じ問題を繰り返さないため分割不能?)競売に掛けられるが、抵当権者は土地についてのみ優先弁債権を有し、建物については一般債権者となる。なお、抵当権設定後に築造された建物であっても、建物所有者が抵当権に対抗できる占有権原を有する場合には、一括競売の対象にできない。抵当権と対抗できるということになると、抵当権の設定前に登記された地上権や(土地?)賃借権、あるいは抵当権者の同意を得た賃借権がこれにあたる(p277)。抵当権設定後に築造された建物に賃借権がある場合には、買受人が負担を負うかどうか(買受人は解除できないかどうか)は、土地基準説と建物基準説がある。

 ところで、更地で抵当権を設置した抵当権者は、予め、土地所有者に対してこういうことになるから、建物を建築しないでおくことを約束することがあるのだろうか?でも、抵当権の趣旨は、そもそも所有権者の自由処分権を確保しつつ、対象の交換価値を売り買いすることにあるから、その意味では、あくまでも抵当権設定者が使用収益し、その中から被担保債権を消滅するのが誠実なのか、ちょっとわからないなあ(*'ω'*)

 以上
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