一法学生の記録

2014年4月に慶應大学通信部に進んだ法学生の記録である
(更新)2017年4月に神戸大学法科大学院へ進学しました。

転抵当とは

2016-09-19 18:40:01 | 物権法
転抵当とは

 転抵当とは、抵当権者が自らの抵当権を担保にして、資金調達する手段である。教科書では、抵当権者が被担保債権を失わずに抵当権を処分する方法(p283)と、説明している。つまり、被担保債権は自分のところに残したまま、抵当権だけを切り離してその交換価値を別の債権の担保にするという、方法である。

 自分なりに、重要なポイントをまとめると

 1、転抵当の実行は、原抵当権者の被担保債権の弁済期と、転抵当権者の被担保債権の弁済期の両方が到来した以後に、転抵当権者により、原抵当権を実行するものである。したがって、原抵当権の被担保債権が到来していないのに、転抵当権を実行することはできず、原抵当権設定者の利益を侵害しない。逆に、原抵当権の被担保債権の弁済期が先に到来したときも、原抵当権の被担保債権を供託して?、原抵当権を消滅させることができる一方で、転抵当権の効力は、この供託金返還請求上にも及ぶ〔304〕から、転抵当権者の不利益を蒙らない。

 2、転抵当の設定金額や、弁済期の取り決めについては、原抵当権の設定契約の内容に拘束されないし、かつ、当事者間の取り決めにより自由に設定ができる。

 3、かりに、転抵当権の金額が原抵当権の金額を上回ったとしても、転抵当権者は、原抵当権の実行により優先弁済を受けるのは、原抵当権者が有する抵当順位にもとづく優先弁済権の範囲内で、原抵当権者に対して優先弁済をうけるものであり、原抵当権の担保目的物に対する他順位の抵当権者の利益には、影響を与えない。

 4、ただし、(上の供託金の場合を除いて)転抵当権者の利害は原抵当権の被担保債権の存在に依拠すると言ってもよいので、転抵当権者は、転抵当権の設定を登記(付記登記)し原抵当権の目的不動産について正当な利益を有する第三者に対して、無断で第三者弁済や抵当権消滅請求ができないようにし(??私なりにこのように解しておくが間違っていたら改めて訂正する??)、また、原抵当権の被担保債権の債務者や保証人、抵当権設定者およびその承継人に対しては、書面の通知および承諾により、転抵当権者の承諾なく被担保債権を消滅あるいは減少させないように、対抗要件を備えることができる。

 5、この点が転抵当権および抵当権(の順位)の譲渡・放棄の特徴が表れている。つまり、民法は、第三者弁済制度、代価弁済制度、抵当権消滅制度を設けて同一物権上の介在物を排除し、所有権絶対の原則を全うしようとしてきたが、転抵当権に続く制度では、転抵当権者の利益の保護のために、今度は転抵当権の根拠となる原抵当権の基礎となる被担保債権を保存することを助ける。一見矛盾する態度の様に思われるが、以前、抵当権は錬金術のようだと表現したことがある(財産が無くても将来の家を担保に家を建てることができるなど)ように、抵当権の目的は、物権の所有者がその利用価値を享受しつつ、さらに資金調達を可能にして経済を活発にすることにあり、所有権絶対の法則と目的においては通じているのかにゃ(*'ω'*)

 以上
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