&campINDEX: Dっち|Dっちノート|ピュアなハートの連中なんだ|イラストギャラリー

堀田減之進 作/A学院ブラザーズ&シスターズ 絵
第三話 さてさて新学期
57―ちょっと紙飛行機工作のことを
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Dっちは一心不乱の様相で、ウー先生から渡された紙に字を書きつづっていた。午後の授業開始を知らせるチャイムが鳴ったが、ウー先生は、Dっちが授業に少しくらい遅れたとしても、彼に今、状況を書かせることが大事だという判断をした。
その判断は正しいと思う。自閉系の子どもたちを見ていると、何かの拍子で「回路」が繋がったり、逆に切れたりということが見受けられる。Dっちは今、回路が繋がり、猛然と彼からのメッセージを書字で伝えようとしている。その「今」が大事。「後で書いてね」と言われるとぷっつりモチベーションが途切れてしまう。
ウー先生は事務のゴトーさんにDっちを任せ、午後の授業のため職員室を出た。他のセンセー方も慌ただしく午後の授業のため、各学年の各教室に向かう。僕もレギュラー授業開始、第2ラウンドのため職員室を出た。
僕の午後の授業は工作実習。新学期突端の工作は紙飛行機を作ることにした。折り紙飛行機のようなものではなく、一応「競技用紙飛行機」、ペーパーグライダーと言うべきもの。春休みの間、市販品のキットを購入、各生徒に市販キットを与える経済的な余裕がビンボー学校にはないので、スキャナーで各パーツをパソコンに取り入れ、ケント紙でプリントアウト、そのキットを模倣し、準備を整えていた。
うまく行けば滞空時間一分に迫るというもの、僕自身がこういうことは大好きなので、授業にも力が入る。僕の工作授業は基本的に「作って遊べるもの」というポリシーがあり、割り箸輪ゴム鉄砲、厚紙で作るブーメラン、竹とんぼ、手作り楽器などを課題として取り上げてきた。
今回の競技用紙飛行機は見本を作り、春休み中、密かに公園で飛行実験済み、いい感じですいすい飛ぶことも確認していた。上手にできたら五月下旬に行う年度第一回目の合宿授業(広いグラウンドがある施設に行くことになっている)イベントの一環として紙飛行機競技大会を開こうという段取りまで決めていた。
そんなわけで、講師自らも楽しみに思っている課題であったから、その日の工作授業は上手くいった。不器用なシュウもなんだか嬉しそうに課題に取り組んだ。初めは興味なさそうにしていたリツコ初め、女子もそれなりに楽しそうに課題に取り組んでくれた。
午前中の社会の授業はイマイチだったが、ちょっと盛り返した。開幕試合、1打席目はピッチャーゴロに終わったが、2打席目はセンター前クリーンヒット、まずまずよしとしよう。
*この小説は事実を基に筆者の脚色・潤色を加えたセミフィクションです。
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:「レイウルス・ アクティア」by 卒業生KY君
寸評:美術課題「オリジナル・キャラクターを作ろう」から。これは既存「仮面ライダー」の登場キャラクター。カードに「身長213cm 体重155キロ、頭の尻尾の毒針を、人間に刺し、金属片を注入。金属片は、心臓付近にとどまり人体の熱を吸収後、24時間後、凍死させる」と長々と書いてあった。KY君は仮面ライダー・マニアでもあった。なんかめちゃくちゃ、いやーな感じのキャラだ。24時間かけて相手を殺す、というのも陰湿な殺し方だ。前回の「影坊主」と似ているが影坊主の方がはるかに可愛い。やっぱり人間に必要なのは可愛げだなあ、と思った。関係ないが。とにかく、こやつはささっと輪ゴム鉄砲で撃ち落としたい。的としてのポイントをつけるのを忘れていた。50ポイント。
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読んでいただきたい、この本↓
発達障害 境界に立つ若者たち (平凡社新書)
堀田減之進 作/A学院ブラザーズ&シスターズ 絵
第三話 さてさて新学期
57―ちょっと紙飛行機工作のことを
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Dっちは一心不乱の様相で、ウー先生から渡された紙に字を書きつづっていた。午後の授業開始を知らせるチャイムが鳴ったが、ウー先生は、Dっちが授業に少しくらい遅れたとしても、彼に今、状況を書かせることが大事だという判断をした。
その判断は正しいと思う。自閉系の子どもたちを見ていると、何かの拍子で「回路」が繋がったり、逆に切れたりということが見受けられる。Dっちは今、回路が繋がり、猛然と彼からのメッセージを書字で伝えようとしている。その「今」が大事。「後で書いてね」と言われるとぷっつりモチベーションが途切れてしまう。
ウー先生は事務のゴトーさんにDっちを任せ、午後の授業のため職員室を出た。他のセンセー方も慌ただしく午後の授業のため、各学年の各教室に向かう。僕もレギュラー授業開始、第2ラウンドのため職員室を出た。
僕の午後の授業は工作実習。新学期突端の工作は紙飛行機を作ることにした。折り紙飛行機のようなものではなく、一応「競技用紙飛行機」、ペーパーグライダーと言うべきもの。春休みの間、市販品のキットを購入、各生徒に市販キットを与える経済的な余裕がビンボー学校にはないので、スキャナーで各パーツをパソコンに取り入れ、ケント紙でプリントアウト、そのキットを模倣し、準備を整えていた。
うまく行けば滞空時間一分に迫るというもの、僕自身がこういうことは大好きなので、授業にも力が入る。僕の工作授業は基本的に「作って遊べるもの」というポリシーがあり、割り箸輪ゴム鉄砲、厚紙で作るブーメラン、竹とんぼ、手作り楽器などを課題として取り上げてきた。
今回の競技用紙飛行機は見本を作り、春休み中、密かに公園で飛行実験済み、いい感じですいすい飛ぶことも確認していた。上手にできたら五月下旬に行う年度第一回目の合宿授業(広いグラウンドがある施設に行くことになっている)イベントの一環として紙飛行機競技大会を開こうという段取りまで決めていた。
そんなわけで、講師自らも楽しみに思っている課題であったから、その日の工作授業は上手くいった。不器用なシュウもなんだか嬉しそうに課題に取り組んだ。初めは興味なさそうにしていたリツコ初め、女子もそれなりに楽しそうに課題に取り組んでくれた。
午前中の社会の授業はイマイチだったが、ちょっと盛り返した。開幕試合、1打席目はピッチャーゴロに終わったが、2打席目はセンター前クリーンヒット、まずまずよしとしよう。
*この小説は事実を基に筆者の脚色・潤色を加えたセミフィクションです。
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:「レイウルス・ アクティア」by 卒業生KY君寸評:美術課題「オリジナル・キャラクターを作ろう」から。これは既存「仮面ライダー」の登場キャラクター。カードに「身長213cm 体重155キロ、頭の尻尾の毒針を、人間に刺し、金属片を注入。金属片は、心臓付近にとどまり人体の熱を吸収後、24時間後、凍死させる」と長々と書いてあった。KY君は仮面ライダー・マニアでもあった。なんかめちゃくちゃ、いやーな感じのキャラだ。24時間かけて相手を殺す、というのも陰湿な殺し方だ。前回の「影坊主」と似ているが影坊主の方がはるかに可愛い。やっぱり人間に必要なのは可愛げだなあ、と思った。関係ないが。とにかく、こやつはささっと輪ゴム鉄砲で撃ち落としたい。的としてのポイントをつけるのを忘れていた。50ポイント。

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発達障害 境界に立つ若者たち (平凡社新書)














