行き当たりばったり連載小説『Dっち』

高機能自閉症と呼ばれる発達障害を持つ「Dっち」ー 彼の心に触れることは難しいが、どんな人でもきっと彼を好きになる。

『Dっち』その3ー立ち小便事件

2009年12月11日 | Dっち
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堀田減之進 作/A学院ブラザーズ&シスターズ 絵

第一話 彼は自由の子ども――春合宿顛末

その3ー立ち小便事件 
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 この「Dっちの立ち小便事件」は、Dっちと一緒に「春合宿」に参加していた他生徒の通報によって、僕や、共に合宿授業を担当していたウー先生(♀)とゲン先生(♂)に知らされた。

 合宿授業の「教室」として使用していた合宿所二階の和室広間に通じる階段を駆け下りるけたたましい音がして、センセーたちは、なんだ、なんだ、と顔を見合わせた。

「先生、先生、Dっち君がベランダから立ち小便してるよ!」
 テンションばりばりの新入生男子が大声で報告する。
「あのね、あのね、下の家の屋根のところにジャーってしてるの。もーサイアク、サイアク」
 と、呆れ顔の新入生女子生徒が早口でまくしたてる。

 合宿三日目の朝食が終わり、午前中の授業が始まる直前の出来事で、センセーたちは階下の別室で授業準備ミーティングの最中であった。

 生徒たちとの合宿授業で、いろいろととんでもないことが起こることには慣れていたセンセーたちであったが、他生徒のいる中で合宿所二階ベランダからの立ち小便行為は前例がなかった。

「あれま!」とウー先生、「え? え? え?」と僕、合宿授業経験豊富なゲン先生は「やれやれ」という表情をしながら、しかし無言で立ち上がり、我々は「現場」に出動した。

「Dっち君、ここから立ち小便したんだ」
 テンションばりばりの男子生徒が現場に我々を導き証言する。見下ろせば、ベランダ下の平屋建て隣家のトタン屋根に広がる「痕跡」がしっかりと確認されたのだった。


*この小説は事実を基に筆者の脚色・潤色を加えたセミフィクションです。
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:「ニワゾウ」by 卒業生SK君
寸評:美術課題「想像の生き物」から「ニワゾウ」(ニワトリとゾウの合体生物)。この生物の口(くちばし)と思わしき部分から鼻が生えているのがなんともユニーク。「とさか」もあってインパクト抜群。

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