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『Dっち』番外編

(14)ロールプレイ授業
ところで、『Dっち』55―「人に訊けるように、連絡できるようにという課題」で、ハルカとハナダ君が新宿で道に迷ったが、人に道を尋ねることができなくて困った、ということを書いたが、「そんなの人に聞けばいいではないか」と考えるのは定型発達者の論理、普段から会話が難しい自閉傾向のある子にとっては、これはなかなかできません。
それで僕は学期はじめなどに、「たずねるときの話し方トレーニング」という授業をよくやった。
まず、「たずねる場面・内容・相手」という状況設定をする。例えば「君はY駅構内にいて、A駅に行きたいが何番線の電車に乗ればいいかよくわからない。そこで改札口にいる駅員さんに、A駅に行くにはどうしたらいいか聞いてみよう」というものだ。
状況を説明してから、ロールプレイをやるんですね。クラスから生徒をひとり選んで、彼か彼女がたずね役、僕はこの場合は駅員さんになる。ちょっと意地悪にわりと無愛想な駅員を演じてみるわけです。「出発進行〜」とかあの独特な発声でやってみたり、「指先確認」のまねごとをしたりするんです。
ほとんどの場合、たずね役の生徒は駅員になった僕の前でただもじもじしてるだけなので、小声で「すみません」と言ってみな、と誘導する。生徒は小声で「すみません」と言うが、はっきりした声で言えるまでとりあえず無視してみたり。
で、
「何でしょうか?」
「A駅に行くには何番線に乗ればいいんですか?」
「ああ、A駅は○番線ですよ」
「どうも、ありがとうございます」
という一連のロールプレイを通して疑似体験をやらせてみるわけです。ちょっと耳の遠い駅員(ドリフのコントのノリで)とかを演じ、生徒が何か聞く度に「え?」とか「はあ〜?」とかやると生徒の声はどんどん大きくなってけっこうウケたりしました。その内、ぼくもやる、私もやってみる、とかなるとしめたもの。
ロールプレイ授業は他にも、「電車内で席をゆずってみよう」(僕はよぼよぼのお爺さん役)、「職場の上司に仕事のミスについて怒られたときの対応」(僕はめちゃくちゃ強面の現場監督役)などありました。調子に乗って「ナンパのやり方」(僕はきれいなおねえさん役、「あら、かっこいい男が歩いているわね、話しかけられたらどうしましょ、なんて言うとクラスは「げ〜!」」など、ときには脱線も。
こういうことが実際に役に立つかどうかは別にして、楽しい授業にはなります。
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読んでいただきたい、この本↓
発達障害 境界に立つ若者たち (平凡社新書)
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それで僕は学期はじめなどに、「たずねるときの話し方トレーニング」という授業をよくやった。
まず、「たずねる場面・内容・相手」という状況設定をする。例えば「君はY駅構内にいて、A駅に行きたいが何番線の電車に乗ればいいかよくわからない。そこで改札口にいる駅員さんに、A駅に行くにはどうしたらいいか聞いてみよう」というものだ。
状況を説明してから、ロールプレイをやるんですね。クラスから生徒をひとり選んで、彼か彼女がたずね役、僕はこの場合は駅員さんになる。ちょっと意地悪にわりと無愛想な駅員を演じてみるわけです。「出発進行〜」とかあの独特な発声でやってみたり、「指先確認」のまねごとをしたりするんです。
ほとんどの場合、たずね役の生徒は駅員になった僕の前でただもじもじしてるだけなので、小声で「すみません」と言ってみな、と誘導する。生徒は小声で「すみません」と言うが、はっきりした声で言えるまでとりあえず無視してみたり。
で、
「何でしょうか?」
「A駅に行くには何番線に乗ればいいんですか?」
「ああ、A駅は○番線ですよ」
「どうも、ありがとうございます」
という一連のロールプレイを通して疑似体験をやらせてみるわけです。ちょっと耳の遠い駅員(ドリフのコントのノリで)とかを演じ、生徒が何か聞く度に「え?」とか「はあ〜?」とかやると生徒の声はどんどん大きくなってけっこうウケたりしました。その内、ぼくもやる、私もやってみる、とかなるとしめたもの。
ロールプレイ授業は他にも、「電車内で席をゆずってみよう」(僕はよぼよぼのお爺さん役)、「職場の上司に仕事のミスについて怒られたときの対応」(僕はめちゃくちゃ強面の現場監督役)などありました。調子に乗って「ナンパのやり方」(僕はきれいなおねえさん役、「あら、かっこいい男が歩いているわね、話しかけられたらどうしましょ、なんて言うとクラスは「げ〜!」」など、ときには脱線も。
こういうことが実際に役に立つかどうかは別にして、楽しい授業にはなります。
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