お姉さん社労士のこれが私の生きる道

中小企業の労務管理に奮闘する社労士が、知っておくと得する労務の最新情報や法改正などを、独自の視点を交えて解説しています。

平成24年4月からの雇用保険料率改定

2012-01-31 15:26:14 | Weblog
いつも1月ってこんなに寒かったかなぁ、2月に入って寒くなるんじゃなかったっけと思いながら
過ごした1月も今日で終わり。
ちょっと自然に恐れを感じながら、だからこそ、恵方巻と節分の豆を用意して
今年こそよい年に。
今年の恵方は北北西に進路を取れの「北北西」っておぼえておこう(歳がわかりますが)。

年をとるにつれ、豆のおいしさはわかってきたのは豆が無駄にならなくて
よいことなんですが、お茶でも飲みながらでないと、自分の年齢の数だけの豆は
絶対食べられない!
いつも必死で食べています。

さて、以下の通り雇用保険料率が告示されました。
(その他の保険料率の進捗状況も合わせて載せておきます。)

■平成24年4月1日から適用

1.雇用保険料率は平成23年度の雇用保険料率から0.2%(2/1000)引下げ、
 一般の事業で1.35%(13.5/1000)
 農林水産清酒製造の事業で1.55%(15.5/1000)
 建設の事業で1.65%(16.5/1000) 
 となります。
 雇用保険料率の内訳は、労使折半で負担する失業等給付の料率に、
 事業主分は、事業主が負担する雇用保険二事業の料率を加えたものとなります。

 詳しくはこちらをご参照ください。
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000020wyu-att/2r98520000020x0b.pdf

2.労災保険料率については、昨年12月20日のブログでお伝えしたように
 業種平均では引き下げの方向です。
(引下げ:35 業種 据置き:12 業種 引上げ:8業種の予定)。
 
 正式発表はまだされてはいません。

3.協会けんぽの都道府県単位保険料率について、1月27日の運営委員会において了承されました。
  近いうちに、正式決定の率として案内される予定です。

 みなさんの都道府県の保険料率はこちらをご参照ください。
 http://www.kyoukaikenpo.or.jp/resources/content/92339/20120130-091802.pdf
 40歳から64歳までの介護保険第2号被保険者については、平成24年3月分(平成24年4月控除・納付分)より
 全国一律1.55%(0.04%のアップ)に引上げられる予定です。

なお、ご存じの方が多いように厚生年金保険料率は平成29年まで毎年引き上げられます。
平成23年9月分からは16.412%ですが、平成24年9月分からは16.766%になります。
政府は、年金制度に必要な財源の試算の公表はしてくれないのに、
保険料率だけは決まっているというのは何とも心もとない。

鈴木社会保険労務士事務所  

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中途採用者は即戦力なのか

2012-01-20 16:41:26 | Weblog
東京でも雨の地域もあれば、雪のところもあるようです。
外に出てみてびっくりです。
私の住む地域では朝からずっと小雪が舞っています。
窓から見る風景はきれいですが、実際に外に出て歩いてみると、
受験生には申し訳ないけれど足元がすべるすべる。

2011.12月に発表されたリクルートの大学生、大学院生の採用調査によると、
採用が前年より増えると答えた企業が減ると答えた企業を2年連続で上回ったそうです。
増える−10.4% 減る−6.4% 4ポイント上回りました。
中途採用見通しでも、増えるが減ると答えた企業を4年ぶりで上回りました。
調査は10月から11月にかけて、従業員規模5人以上の全国の民間企業約6800社を対象に実施し、
うち約7割の4673社から回答を得たものです。

さて、中小企業の経営者とお話ししていると、決して新卒採用していないわけではないのですが、
どうしても中途採用の比率が多い傾向が見えます。
皆さん異口同音におっしゃるのが、即戦力。
よって採用して思った結果がすぐに出ないと、6ヶ月後には解雇したいとご相談されるケースが
少なくありません。

そもそも中途採用者は即戦力なのでしょうか?

中途採用するとき、イメージする「採りたい人材」とはどんな人材ですか?
 即戦力
 やる気がある
 リーダーシップ

 こういうイメージでしょうか。

 でも、中途採用=即戦力という言葉は皆が挙げたとしても、
 即戦力の意味はそれぞれ違いますよね。

 雇った後に、「期待はずれだった」とならないためには、
 まず即戦力とは何ができる人材を指すのかを明確にしなければなりません。
 経営者の考える即戦力の基準を明確にしたうえで、それに満たない人材を雇ってしまった時、
 基準以下だから期待はずれ、というのが本当です。

 会社の規模が大きくなると、書類選考、第一次面接は社員に任せることになります。
 採用担当者に抽象的に採用したい人材のイメージを伝えていると

 採用担当者は→「今回採用した人材は優秀です」
 現場で指導する管理者は→「使えない」
 となります。

 採用担当者は→「あなたの指導が悪いからいくらよい人材を採ってもだめなんだ」
 管理者は→「もっとよく現場を理解して採ってほしい」
 ということになります。

 こんな経験をされたことはないですか? 

 そもそも中小、小規模企業では大企業に対して採用は最初から不利があります。
 だからこそ、採用する人材の可能性にかけて採ることになります。
 
 「はい、なんとかなるだろうと思って、応募してきた人の可能性に期待して採用していますよ。」
 と、お答えになるかもしれません。

 ただ数打ちゃ当たる(雇えばなんとかなる)というものではないですよね。

 失敗をなくすことは無理ですが、

 採用したい人材の基準を明確にする
 失敗は次の採用に活かす

 これができなければ、こんなはずじゃなかったをやっぱり繰り返すだけです。

 「基準を明確にすると、ただでさえ応募者が少ないのに、ますます採用が難しくなる」
 という声もあるでしょう。
 中小、小規模企業は、欠員が出るから募集する。
 よって、どうしても1人雇用しなければ仕事が回りません。
 それでも、応募者が2人ということもあり、そうなると、どちらかを採らなければ
 ならない。

 ここで不安を抱えながら雇用すると、結局、後で問題が発生という経験を
 一度は二度は経験されているのではないでしょうか。

 なんとか応募者数を増やす工夫が必要ですね。
 
 なかなか退職を申し出るときには辞める本当の理由は言わないのでしょうが

 もっとやりがいのある仕事がしたい
 能力を正しく評価してほしい
 評価が公正、公平に処遇に反映されていない

 人材派遣会社などがアンケートをとれば、必ず上記のような理由が挙がってきます。

 これらを解消する広告内容を意識して作成すれば、
 退職していく従業員の不満足要因を解消してやれば、
 応募者は増えると思われませんか?

 広告内容も、これまでは初任給だけを書いていたのであれば、
 具体的に入社5年で給与○円と実在者の給与を載せて、
 以降評価によって額を決定 と記載するように変えるだけでも印象が変わります。
 あるいは月額給与の代わりに年収を載せるほうがわかりやすい場合もあるでしょう。

 そして、応募者の面接では、評価シートを使って質問していきます。
 即戦力がどうか、という抽象的なイメージではなく

 この仕事ができるか
 この知識があるか
 我が社のルールを守れるか

 経営者が望む社員像を可視化した評価シートの、その具体的に示した項目にそって
 面談を進めると、見誤ることがなくなる、とまでは言い切れませんが、
 確実に採用面接での失敗は小さくなります。
 
 自社の評価シートを使って面接しても、やはり失敗はあります。
 評価シートの項目全部に完璧な人材を採用することは大企業でも無理ですから、
 「どこの部分を優先するか」ということがポイントです。
 
 業績は高いんだけど協調性がなくて、他の社員が困っていても
 手伝ったりしないんだよなぁ  こういう経験はありませんか?

 能力はあるんだけど、遅刻はするし勝手な行動はするし
 上司の言うことも聞かないし困るなぁ とか。


 勤務態度は、実は組織風土のベースになる重要な部分です。
 社内の教育において、知識技術よりも大切な部分と言っても過言ではありません。
 
 しかし、即戦力を求めて採用する中途社員の選考基準は、
 成果(業績)が第一で、勤務態度を二の次にしているようなところはないでしょうか。
 
 成果をあげる優秀な社員=社会人として優秀 とは残念ながら言い切れません。

 経営者の皆さんも、普段は必ず、成果だけではなく、勤務態度が重要だとおっしゃるのです。

 勤務態度については、中途社員よりも新卒社員を教育する方が簡単です。
 素直です。
 勤務態度の教育ができれば、自社で重要とされている業務を
 優れたやり方で遂行できるようにすることだけです。
 
 優れたやり方を可視化した評価シートができていれば
 業務の教育も中途社員よりも新卒社員の方が習得は早いでしょう。

 中途採用者に時々見られる「私には私のやり方がある」と、突っぱねられてしまうことはありません。
  
 新卒社員は、優れたやり方を学んで素直に取り組めば、
 短い時間で大きな成果を上げることができます。

 業績が上がってすぐに相応する額の人件費が増えるわけではなく、
 賃金表に則って、少しずつ増えていくので、労働分配率の改善にも役立ちます。
 
 新卒は指導育成に時間がかかって大変、という印象をもたれがちですが、
 長期で経営を考えれば、粗利を増やすためにも、いずれは、中途採用から
 新卒採用に切り替える決断が必要です。
 
 何も指導せずに勝手に結果を残すのが即戦力というのであれば
 そういう人材はどこにもいません。

 鈴木社会保険労務士事務所
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有期労働契約の上限5年 労働政策審議会が建議

2011-12-28 10:26:25 | 明日の人事労務
今日で仕事納めという方も多いかと思います。
一方、来週の今日は、すでに仕事始めという方も多いと考えると、ちょっと不思議な気分です。
良い時も悪い時も、私達は暦の1日で、年末、年始と区切りをつけて、気持ちを切り替えてきたわけですが、
切り替えるというのは忘れていい、ということではないんだなぁと、今年はいまさらながら強く感じています。

12月20日のブログの最下段で

 「12月14日の労働政策審議会で厚生労働省が有期雇用で働ける通算期間に
 上限を定める仕組みを提案しました。
 上限を超えた場合は、労働者が申し出れば、契約満了の時期を決めない「無期雇用」に
 転換し、安定した雇用を増やす狙いです。
 有期雇用の期間に上限を設けると、企業がその前に契約を終える「雇い止め」が増える と思われ、
 上限設定は慎重に決定することが望まれます。」
と触れました。

これについて、12月26日の労働政策審議会で
「有期労働契約の在り方について」次のように建議されました。ポイントは以下の通りです。

 1 有期労働契約の長期にわたる反復・継続への対応
  有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合には、労働者の申出により
  期間の定めのない労働契約に転換させる仕組みを導入することが適当。

 2 「雇止め法理」の法定化
  「雇止め法理」の内容を制定法化し、明確化を図ることが適当。

 3 期間の定めを理由とする不合理な処遇の解消
  有期労働契約の内容である労働条件については、職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮して、
  期間の定めを理由とする不合理なものと認められるものであってはならないこととすることが適当。

1については、同一の労働者と使用者との間で、
一定期間をおいて有期労働契約が再度締結された場合、反復更新された有期労働契約の期間の算定において、
従前の有期労働契約と通算されないこととなる期間(以下、「クーリング期間」とい う。)を定めることとし、
クーリング期間は、6月(通算の対象となる有期労働契約の期間(複数ある場合にあっては、その合計)が
1年未満の場合にあっては、その2分の1に相当する期間)とすることが適当である。
としています。

2の法定化というのは、
有期労働契約があたかも無期労働契約と実質的に異ならない状態で存在している場合、
又は労働者においてその期間満了後も雇用関係が継続されるものと期待することに合理性が認められる場合には、
客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない雇止めについては、
当該契約が更新されたものとして扱うものとした判例法理(いわゆる「雇止め法理」)について、
これを、より認識可能性の高いルールとすることにより、紛争を防止するため、
その内容を制定法化し、明確化を図ることが適当である。
というものです。

3の有期雇用者の労働条件については、単に有期、無期ということだけで
不合理な処遇は認められるものであってはならないとしています。

詳細はこちらからhttp://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001z0zl-att/2r9852000001z112.pdf

この報告を受けて、来年厚生労働省が、有期労働契約の適正な利用のためのルールを、
どうまとめて、明確化したものを出してくるのか、
労使ともに注意深く見守らなければなりません。

来年はもうすぐそこまで来ています。

鈴木社会保険労務士事務所












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平成24年度の保険料率の改定予定

2011-12-20 18:00:00 | Weblog
もうすぐクリスマス。
今年もコマーシャルに起用した会社は変わっても
山下達郎のクリスマス・イブがしっかりテレビから流れてきました。
もう30年近く前の曲なのに、色あせないのはなぜでしょうか。まさに頭にすりこまれた定番の強みですね。
これから年末年始にかけて、いよいよ定番行事、定番の街の風景、定番の番組が続きます。
定番はマンネリとも言われますが
今年はこの定番を迎えられることが、しみじみありがたいと感じます。

先週、「65歳まで再雇用を義務化」というニュースが駆け巡ったのですが
日経新聞の朝刊のその記事の下に
「雇用保険料率来年度から0.2ポイント下がって1.0%(※)に」という記事がありました。
まだ、雇用保険財政の収支に余裕があるからとのことなのですが
不景気によって失業手当の支給額も増えているでしょうに
本当にだいじょうぶなのでしょうか。ちょっと心配になってしまいます。
※失業等給付にかかる雇用保険料率部分
 平成23年12月5日労働政策審議会「雇用保険部会報告」より
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001xf76-att/2r9852000001xfat.pdf

一方、労災保険料率については、すでに11月の労働政策審議会で諮問されて
3年に1度見直しの時期にあたる平成24年度は、業種によって料率が異なるのですが
全体的に下がる業種が多いとしています。
 平成23年12月5日労働政策審議会に諮問した内容のポイント
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001x055-att/2r9852000001x09m.pdf

では、健康保険料はどうでしょうか。

前々から財政が苦しいと言われ続けている「協会けんぽ」は
来年平成24年度は、このままだと保険料率が10.04%(機械的に試算した結果)になると
運営委員会の中でのべています。
東京は平成23年9月分からは、9.48%なのですが、いよいよ10%台に乗るのでしょうか。
 「第35回全国健康保険協会運営委員会」資料より
 http://www.kyoukaikenpo.or.jp/resources/content/87733/20111122-143609.pdf

12月14日の労働政策審議会では上記で述べた、定年後再雇用の義務化だけでなく
注視すべきことが審議されています。
厚生労働省が有期雇用で働ける通算期間に上限を定める仕組みを提案したことです。

上限を超えた場合は、労働者が申し出れば、
契約満了の時期を決めない「無期雇用」に転換し、安定した雇用を増やす狙いです。
有期雇用の期間に上限を設けると、企業がその前に契約を終える「雇い止め」が増えると思われ
上限設定は慎重に決定することが望まれます。
また、定年後再雇用導入の時と同様に
正社員でなくても雇用期間の定めなしであればよいという内容のものであり
処遇には言及していません。
それでは、不安定な雇用の解消のための提案であるはずが、片手落ちのような気もします。
いかがでしょうか。
上限の年数については、3〜5年とする案を軸に検討していくようですが、
何年に落ち着くのか、注目していきたいところです。


家庭では、そろそろ年末年始のゴミ収集日の予定が掲示されました。
定番と言えば大掃除。
クリスマスを祝いながらこちらもやらねば!

鈴木社会保険労務士事務所


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定年後再雇用拒否はできるのか

2011-12-16 17:18:58 | 人事労務は経営問題です
あっと言う間に今年もあと2週間
普段、デパートはあまり行かないし
そういえばビジネス街しか歩いてないなぁ
メールで取引先から年末年始休業のお知らせが届くのを見て、今年もいよいよおしつまってきたことを実感している有様です。

毎年、この時期になると、やたらと保険料のUPとか、社会保険の適用範囲の拡大などという話が出てくるように思いますが、
今年最後に大きく報じられたのが「65歳までの再雇用義務化」というものです。

日本経済新聞2011.12.15より----------------------------------------------------
厚生労働省は14日の労働政策審議会の部会で、企業に従業員の65歳までの再雇用を義務付けている制度の運用を厳格化する方針を示した。
労使合意を前提に企業が再雇用の条件を設けることができる例外規定を撤廃、2013年度から希望者全員の再雇用を求める考え。
企業負担の軽減措置では、再雇用先の対象を拡大し、関連会社なども認める方向だ。
-------------------------------------------------------------------------------

記事にもありますが、2013年度から実施する(年金支給開始年齢の段階的に引上げが始まる時期)ということは、
まさに厚生年金を65歳まで受け取れなくなる人への対応です。
当然ながら経団連を始めとして導入には反発が多いので、実際にいつからどういう形で導入されるのかは不明です。

このニュースに振り回されるよりも、国がその方向にむかっていこうとしていることは感じつつ、
とはいえ、まずは
現実に、多くの定年間近の従業員を抱えている会社で、
再雇用に基準を設けている会社は、その基準に基づいて再雇用を拒否する場合には、
十分気をつけなければならない、ということが先決です。

次の点はだいじょうぶですか。
 選考基準は労使協定を締結していますか
 基準内容が適法性のあるものになっているか
 再雇用拒否が権利の濫用にあたらないか(例えば、これまでひとりも再雇用拒否されていなかった等)

なお、65歳定年が現実味を帯びてくると、気になるのが「高年齢雇用継続給付」です。
もともとは、平成19年1月9日の雇用保険部会報告で、
「原則として平成24年までの措置」とすべき、とされていたのですが、
12月14日に行われた「第82回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会」資料1によると
現在の高齢者雇用の状況を踏まえ、雇用と年金の接続に資する観点も考慮し、
高年齢者雇用継続給付は当面の間存置することとし、今後の高齢者雇用の動向に注視しつつ、
そのあり方について改めて再検証すべきとされました。
こちらは、当面は存続の見通しですね。

新聞紙上にはのぼっても、実際の審議は見送られたり(年金の支給開始年齢の引上げ)
実施時期は未定(パートの社会保険の適用範囲の拡大)であったり
企業も対応が混乱してしまいそうですが、
状況をにらみながらも、目の前のリスクを軽減するための対応をしておくことが肝心です。

定年後再雇用契約を個別の条件で契約することは構いませんが
総額人件費を考えて、その増加を防ぐために、どういう賃金設計をするのか
どういう雇用形態をとるのかは、事前に検討して決定しておくことも必要です。


鈴木社会保険労務士事務所




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2011年の大学卒の初任給が前年比2.3%増の20万2000円

2011-11-28 11:40:49 | Weblog
11月28日「第8回オリックスマネー川柳」の入賞作品が決定しました。
大賞は「初任給 母より先に 被災地へ」が選ばれました。
http://www.orix.co.jp/grp/news/2011/111128_ORIXJ.html
震災直後に初任給をもらったら、皆、多かれ少なかれ
こういう心境だったんだろうなぁと思います。
私なんか、初任給はまず両親へ、なんて考えすらしなかったので
偉そうになんか言えないのですが
「母より先に」と言っているので、忘れてはいないのだろうと思いつつも、
親の世代の私としては、この川柳を読んでふと思ったのです。

これから年金も減額されるかもしれない母、もちろん父にも
何か送ってあげてくれたかなぁと。
まったく余計なお世話です。


11月は厚生労働省から、いろいろと統計が発表になりました。
その中から2つ取り上げてみました。

○高校生の就職内定率やや上昇(2011年11月18日の厚生労働省の発表)
来春卒業予定の高校生の就職内定率は、9月末時点で41.5%で、
前年同期より0.9ポイント高くなりました。
就職希望者は約17万4千人で、うち約7万2千人が内定を得ています。
 男子は46.7%(前年同期比0.4ポイント上昇)
 女子は34.4%(同1.4ポイント上昇)
就職希望者1人に対する求人数を示す求人倍率は0.92倍と
前年同期を0.05ポイント上回りました。

しかしながら、厚生労働省は、震災・円高のため企業の求人が鈍化し、
依然、厳しい状況が継続しているとしています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001vc1q.html

その初任給を見てみると
○2011年の大学卒の初任給が前年比2.3%増の20万2000円(2011年11月15日の厚生労働省の発表)
 男性前年比2.3%増の20万5000円
 女性同2.3%増の19万7900円になったと発表ました。

前年のマイナスからプラスとなり、賃金面では最悪期を脱した様子が伺えますが
従業員1000人以上の大企業で4.5%増となる一方で、
10〜99人の零細企業は3.3%減と落ち込み、
企業規模による格差が拡大しています。
10人以上の労働者を雇う民間企業のうち、新規学卒者を採用した1万3534社から
回答を集めたものです。

学歴別に初任給をみると、
 高専・短大卒は前年比1.3%増の17万2500円
 大学院修士課程修了で4.7%増の23万4500円
いずれも前の年を上回りました。

高校卒は従業員1000人以上の大企業で0.1%増とわずかに増えていますが
それ以外の規模で下回った結果、全体で15万6500円と前の年を0.8%下回っています。

高校卒のこの金額は、初任給の推移の表を見ると
平成20年の15万7700円をも下回る金額となっています。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/11/dl/01.pdf

高校卒の内定率同様、来年の初任給も上昇に転じてくれればよいのですが。


今年もあと一か月あまりとなりました。
この週末は風邪をひいてしまい、ひたすら静養に努めていたのですが
週末のスポーツの清々しさに励まされて、もうひとがんばりです。

鈴木社会保険労務士事務所
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厚生年金保険料の上限変更と産休期間の保険料免除

2011-10-28 09:13:31 | 人事労務は経営問題です
先日は10月としてはめずらしい夏日もあったりしましたが、
我が家でもようやくおととい、最後の扇風機1台を押し入れに片付けました。
朝晩はめっきり寒くなりました。
日差しはまだまだまぶしいのですが、洗濯ものの乾き具合が遅くなり、
夏の日差しから冬型に移行しているのを感じます。

厚生年金の支給開始年齢を68歳から、という結構ショッキングなニュースが
少し前に飛び込んできましたが、厚生労働大臣によると、来年の通常国会に
法案を提出するというものではないということ。

先送りになってよかった!のか?
その負担が若い世代に背負わせるだけではないのか、と思うと、
ほっとしてもいられません。
最近のニュースはただ情報として聞いているだけでなく、
自分でよく考えないといけないような話題が続きます。


手を替え品を替えではないですが、今週はこういう情報も。

厚生年金保険料の上限上げ です。

現在は厚生年金保険料は保険料額表
(東京の場合 http://www.kyoukaikenpo.or.jp/resources/content/62854/20110805-102715.pdf)で
決定しているのですが、現在月収605,000円以上は一律の金額であるのを1.175,000円に引き上げようというもの。

納める保険料額が増えれば、将来の厚生年金も増える、かというとそうではなく、
財源の確保が目的での上限引上げのため、給付の増額は抑制されるというもの。

だからよけいにややこしい。

上限だけでなく下限も現在の101,000円以下は同額であったものを
708,000円程度まで引き下げるというものです。
こちらは、厚生年金の加入要件を週30時間以上の就労者から20時間以上に
広げることを検討していることと合わせて、週20時間以上の就労者の加入を
促進する狙いがあるとみられます。

そもそも、今の国の財源では、何歳から確実にいくらもらえるの?
これが私達の切実な思い。

その発表前に、支給額を増やすためにまず拠出して、と言われても
不安と不信は募るばかりですね。

会社も頭が痛いところです。

ここまでの内容だけでも大変なところに、全国健康保険協会(協会けんぽ)が
「協会けんぽの財政状況についてのお知らせ」というものを
ホームページhttp://www.kyoukaikenpo.or.jp/10,85149,125.htmlに載っていました。
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協会けんぽの財政状況は、増大する医療費と低迷する賃金により
厳しさを増しており、高齢者医療への拠出金が増加する現行制度の
ままでは加入者・事業主の皆さまに「3年連続の保険料率の引上げ」、
「10%を超える保険料率」をお願いせざるを得ない状況です。
こうした事態を避けるため、協会けんぽでは様々な働きかけを行っております。
  ※23年度の平均保険料率は9.50%
------------------------------------------------------------------------
高齢化などによる医療費支出の伸びが、保険料収入の基礎である賃金の伸びを
上回っており、その差は拡大していることが一因です。
また、昨今の不況の影響により、中小企業等で働く方々の賃金の下落が止まらず
保険料収入が落ち込んでいる結果なのですが、それで保険料率が上がるというのは、
なんとも出口が見えない展開です。

最後はちょっと明るい改正情報を。

厚生労働省は10月25日、厚生年金に加入している女性の産休期間について保険料を免除する
方針を固めました。
出産前42日、産後56日の最大98日間(労働基準法の産前産後休暇期間)が対象です。

保険料を半額負担している会社も同様に免除になるのでこれは朗報ですね。

現在は、無給となる可能性がある育児休業期間に限って保険料免除が認められています。
実務では産休期間については、健康保険から、無給の場合「出産手当金」で
所得の補填(日給の3分の2)という制度があるからだと思っていました。

今回の導入の経緯は、企業が産休中の保険料負担を嫌って女性社員に不利な扱いを
しないようにすることで、働く女性の出産環境を改善していくのが目的とのことです。
これだけでどの程度改善されるかはわかりませんが
法改正されると、会社が労使折半で支払う年金保険料についてご本人だけでなく、
産休中の2〜3カ月分の事業主負担がなくなることには違いありません。


10月31日の社会保障審議会年金部会に厚労省案を提示し、了承が得られれば
関連法案を次期通常国会に提出します。

男女雇用機会均等法は、妊娠・出産などを理由に、解雇や雇い止め、賃金引き下げといった
取り扱いを禁止していますが、平成22年度に全国の労働局雇用均等室に寄せられた相談では
妊娠・出産などを理由とした不利益な取り扱いが3,587件と全体の15.3%を占めていました。
調停申請が受理されたケースも前年度の10件から20件に増え、
悪質なケースも目立っていることが背景にあります。

今年は大変な出来事が国全体を襲っただけに、これからやってくるクリスマスやお正月
消費を増やすためにも、楽しく、にぎやかにと思っていたところに
財布のひもが思わず固くなってしまうニュースが相次ぎます。


企業が出来ることはなんでしょうか。

法律改正の流れは変えようもありませんから、企業の側で仕組みを変えられないか
検討するしかありません。

経費削減は勿論大切 (もうこれまでもやってきましたよね) ですが
なにより売上や粗利を増やすことが企業にとって第一とするなら
人時生産性のアップや、
正社員はもとより短時間労働者にもモチベーションを上げて楽しく働いてもらうなど、
積極的に(前向きに)取り組むべき課題は、まだありそうです。


鈴木社会保険労務士事務所
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11月は労働時間適正化キャンぺーン

2011-10-17 16:12:06 | Weblog
一時的なんでしょうが、東京では今日も25度以上の気温になり、
半袖で快適に過ごせます。

なかなかテレビを落ち着いて見るということもなくなったきたのですが
やっぱり手間暇かかったものはすわって見入ってしまいます。
GTOや魔女の条件(松嶋菜々子出演)の遊川和彦氏の脚本の「家政婦のミタ」は
おもしろかったです。
南極大陸は、加藤剛(老いてもきれい)が出てきた瞬間から、うまい、やられたと
観念して、チャンネルをかえることもなく、2時間超、あっという間でした。
ちょっと華麗なる一族の二番煎じっぽいのもご愛嬌。
やはり動物と子役には勝てない。

視聴率が取れないと言われて久しいですが、少し前のNHKの「神様の女房」も
含めて、「手間をかけて作り込んだ」ものは、ちゃんと数字が取れるのでは?と
素人ながら納得して見ていたものでした。
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さて、11月は毎年行われる「労働時間適正化キャンぺーン」です。
リーフレットの「現状の課題」と「問題の解消のためにすべきこと」を見ると
昨年と同様の内容が並んでいます。

まさに、キャンペーンという言葉の意味のように
「大衆に対する、一定の目的をもった各種の組織的な運動や働きかけ」(大辞林)
目的である労働時間を適正に把握し、時間外労働に対する適切な対処がされるまで、
続けられるのだろうと思います。

それに先駆けて、9月29日厚生労働省から
「過労死・過労自殺など過重労働による健康障害を発生させた事業場に対する
監督指導結果について」が発表されています。
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0013/7327/2011930161620.pdf
これは、東京労働局が管下18の労働基準監督署(支署)が平成22年度に実施した、
過労死・過労自殺など過重労働による健康障害を発生させた事業場に対する
監督指導結果(※)の概要を取りまとめたものです。

※71事業場中、66事業場で何らかの法違反が認められました。

対象事業場の規模は、
「10〜49人」が最も多く23事業場、
次いで「10人未満」の17事業場、
以下、「100〜299人」、「50〜99人」の順となっている。


【監督指導結果の概要】-----------------------------------------------------------

1 監督指導時における違反状況

監督指導を実施した71事業場(過労死20事業場、過労自殺7事業場を含む)のうち、
66事業場(93%)に何らかの法令違反が認められ、是正勧告を行った。

違反率の高い事項は、
(1) 労働基準法では、労働時間(同法第32条)に関する違反が最も多く、
  51事業場(違反率72%)
(2) 労働安全衛生法では、衛生管理者又は衛生推進者の選任(同法第12条・第12条の2)に
  関する違反が最も多く、16事業場(違反率30%)

2 被災労働者に係る健康管理状況

監督指導を実施した71事業場のうち、
(1) 22事業場(31%)では、過重労働による健康被害を受けた労働者(以下「被災労働者」という。)
に対し、発症前の1年間に健康診断を受診させていなかった。
(2) 19事業場(27%)では、発症前に受診した健康診断で何らかの所見が認められた被災労働者に対し、
健康診断の事後措置を講じていなかった。
(3) 47事業場(66%)では、被災労働者が発症した時期に、医師による面接指導等の制度を導入
していなかった。
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11月の労働時間適正化キャンペーンでは、

現状の課題として

 1 長時間にわたる過重な労働−疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因
 2 時間外・休日労働が月45時間を超えて長くなるほど、業務と脳・心臓
   疾患の発症との関連性が強まる
 3 労働基準法に違反する、賃金不払残業はあってはならないものです

これら3点を挙げています。

このうち1、2を解消するものとして

・過重労働による健康障害を防止するために
 (1)時間外・休日労働時間の削減
 (2)労働者の健康管理に係る措置の徹底

当然ながら、非常に「過労死・過労自殺など過重労働による健康障害を発生させた
事業場に対する監督指導結果」とリンクしているわけですが、この11月の
労働時間適正化キャンペーンを控えて、とるべき対処としては
少なくとも、過労死・過労自殺など過重労働による健康障害を発生させた事業場が
できていなかった法違反項目をチェックすることがリスクを未然に防ぐことにつながります。
(上記【監督指導結果の概要】を参照)

過重労働による健康障害防止には、医師による面接指導制度は早期に発見するためにも
有用な手段です。
これは、事業場の規模に関わらず、長時間労働(月100時間)に対する面接指導は
事業者の義務とされています。

今回の対象事業場の規模の内訳をみると、49人以下の規模の事業場が56%強と
なっています。
確かに小規模の事業場では、基本的な労働時間管理、健康管理の不備等の法令違反が
認められることからも、なかなか完璧な法令遵守は難しいのかもしれません。

ただ、そこを怠ると、過労死・過労自殺など過重労働による健康障害を発生させて
しまう可能性が大なわけですから、少しづつでも取り組んでいくことが会社を守る
(=労働者を守る)ことになります。

キャンペーンはひとつのきっかけです。
「手間を惜しまず」、仕組み作りにまだ取り組んでいない企業は、
後で楽をするためにも、今から取り組み始めましょう。


鈴木社会保険労務士事務所
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厚生年金と健康保険で厚生労働省 非正規加入について年内に方針 「週20時間」を軸に議論 

2011-09-22 11:15:27 | Weblog
ただでさえ連休で労働日が少ないところに、昨日は台風の直撃。
容赦なく徹底的に蹴散らし、なぎ倒す風のすごさを室内で感じながら、
夕方からテレビの前でニュースに釘付けでした。

帰宅困難者にこそなりませんでしたが、まさかここまでの暴風雨とは思わず、
なんかピチャピチ音がするなぁと不審に思って見渡すと、
窓の隙間にいっぱい水が吹きこんでいます。
急いで窓の隙間に新聞紙をはさんだり、濡れたカーテンを拭いたり。

台風の備えについて、ニュースで説明していたのに、
うちは大丈夫と過信して、
他人事だと思っていたのが間違いでした。

来週末はもう10月です。

9月に入ってから厚生労働省が発表した報道発表資料で気になる内容を2つ
まとめて取り上げます。

○厚生年金と健康保険で厚生労働省
 非正規加入について年内に方針 「週20時間」を軸に議論 

 厚生労働省は9月1日、パートなど非正規労働者の厚生年金と健康保険への
加入拡大を検討する社会保障審議会特別部会の初会合を開きました。
厚労省は年内に部会の意見を取りまとめ、早ければ来年の通常国会に関連法案を
提出したい考え。
労働時間に関する加入要件を「週20時間以上」に緩和する案を軸に検討を進めます。

近年増加が目立つ非正規労働者の多くは、本来は自営業者らが入る国民年金や
国民健康保険に加入しているのが実態。
厚生年金や健康保険組合などに加入しやすくして、手厚い年金や医療サービスの
確保を目指します。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001nisq.html
(第1回社会保障審議会短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会)
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 非正規労働者の厚生年金への加入要件は、現在、労働時間が正社員の
「4分の3(週30時間)以上」で、健康保険も同様です。
 
 一度は立ち消えになっていた週20時間以上で厚生年金と健康保険への加入
 という方向がどうやら本格化しそうです。

これまでは30時間という基準だったので、業務内容や能力に関わらず一律で「パート」と総称しても
問題ありませんでしたが、20時間という線引きがされるのであれば、20時間以内で働く人の業務内容と
20時間以上の労働時間で契約する人の業務内容は、ますます違うものにならざるを得ません。

週20時間以上の労働時間で社会保険加入とすることが決定されれば、
経営者としては経費が増えるわけですから、増えた分の粗利を稼ぐことを
考えなければなりません。

週20時間以上の労働時間のパートについては、単純作業だけでなく
より高度な業務に挑戦してもらうことが必要になるということですね。
 
30万円の正社員が獲得した粗利を15万円のパートが獲得すれば、
労働分配率は下がりますから、経常利益が増えることになります。
 ※労働分配率=人件費÷付加価値(粗利益)

単純作業をパートに割り当てて経費削減という考え方から
人件費の低いパートに付加価値の高い仕事をして利益確保に貢献してもらう
ことが必要です。

単にフルタイムで働いてもらうということではありませんよ。

付加価値の高い仕事を 「効率よく」 こなしてもらうには、正社員と同様
やはり「やりがい」のある仕事の環境づくりを整えることが先決です。

勿論、フルタイムを希望する人ばかりではないことも見逃してはいけません。

 ただ、正社員より非正規労働者の比率が高い事業所であれば、
 実はパートの評価制度の導入で、パートの能力を引き出して
 有効活用するのが利益を増やす近道でもあります。
 検討してみる価値はあります。


○政府、高齢者雇用の義務付け強化へ

 厚生労働省は9月12日、厚生年金の支給開始年齢を段階的に引き上げるのに伴い、
定年退職時に年金を受け取れない会社員が出る問題について、労使を交えて
対応策の協議を始めました。
企業に65歳までの再雇用を義務付ける現行の制度をより厳格にする案を軸に
議論していきます。
定年の延長の義務化は見送る方向ですが、来年の通常国会に関連法案を提出する
考えです。コスト増につながるため、企業の反発は根強い。

経団連など使用者側、連合など労働者側、学識経験者それぞれの代表で構成する
「労働政策審議会」の雇用対策基本問題部会を月2回ほど開き、年内に結論を出す。

 厚生年金の定額部分はすでに2001年度から順次、支給開始年齢が上がっていて
2013年度からは報酬比例部分も引き上げ。
今は支給開始年齢は60歳ですが、男性の場合は2013年度から3年ごとに1歳ずつ上がり、
25年度に65歳になります。
だが企業の定年の多くは60歳にとどまり、定年後の生活費に支障が出るケースが
予想されます。
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001ojt0.html
 (労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会)
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 政府は2004年に改正した高年齢者雇用安定法で
(1)定年引き上げ
(2)定年の廃止
(3)継続雇用制度の導入

段階的に65歳までの雇用を継続するよう企業に求めたのですが、
定年の引き上げや廃止に踏み切った企業は少なく、
厚生労働省の調査によると、継続雇用制度で希望者全員が65歳まで働ける
と規定した会社は46%にとどまるとしています。

継続雇用の義務付けをどこまで強めるか。が、今後の議論の焦点となるようです。
 
労働力人口が減る中で、企業も定年後の高齢者の活用拡大は考えているのですが
義務付けとなると、コストの増加につながります。
また、若年の雇用を増やしたくても増やせないという懸念もあります。

そこで今現在は、継続雇用について「選択の基準」を設けている会社も
少なくありません。
今後の課題としては、定年後再雇用をめぐって個別労働紛争が増える可能性です。

予防策としては、よく言われることですが

・意欲・能力等を基準としているのなら、
できる限り具体的に測るものであること (具体性)

・必要とされる能力等が客観的に示されており、
採否を予見することができるものであること (客観性)

これらに留意して策定し、かつ定年前にあらかじめ面談等で周知しておくことが望まれます。

年齢は同じでも、それぞれに生活環境、家族の状況などは違います。

裁判ではこの「選択の基準」が厳密に審査され、
従業員が基準を満たしているとされれば、解雇権濫用が適用されてしまいます。
(解雇権濫用の適用がふさわしいかどうかは、議論の余地があるようです)

※解雇権濫用した判例として
 財団法人東京出版会事件(東京地判H22.8.26)

裁判になれば、事実上使用者側が敗訴となる可能性は大きいのですから、
基準を具体化して示す、という対策は急務です。

なお、再雇用後もフルタイム就業で賃金のみ減額、という働き方をしている場合が
少なくありません。

賃金減額で経費の抑制はできている、と考える経営者も多と思いますが、
新卒採用、会社の技術、業務の継承を考えると、定年後は短時間勤務に切り替える
という会社方針を定めることも、会社の将来の発展を考えると選択肢のひとつです。

いずれにしても、行政の決定の後追いでなく、
先を見越して対応しておくことが、
利益を増やすためのひとつの方法として
中小、零細企業にこそ非正規労働者の有効活用が求められます。


鈴木社会保険労務士事務所
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2011年度の最低賃金、全国平均737円

2011-09-15 08:37:28 | Weblog
9月に入ってからも暑い日が続きます。
どうやら、東京では敬老の日を境に30度を下回るらしいのですが、ホントかなぁ。
節電は終了したようですが、今までみたいに冷房がガンガンかかっているということもないし、
引き続き自主的に続けているところも多いようで、日中の暑さは堪えますね。
この週末は運動会、体育祭という学校も多いのかもしれません。
まだまだ残暑は続くつもりで、大人も子供も熱中症にはまだまだ気をつけたいところです。


東日本大震災から半年経過後の9月12日
帝国データバンクが「東日本大震災関連倒産」の動向調査を発表しました。
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p110906.pdf

件数 341件(うち岩手・宮城・福島の3県は46件)
これは阪神大震災(’96年123件)の2.8倍の件数です。

負債総額6123億1800万円、倒産企業の従業員数は6376人

直接被災した岩手、宮城、福島が13.5%にとどまったことからわかるように
大震災の直接の影響というよりは、「間接被害型」であると帝国データバンクでは
まとめています。
業種では、やはりというか「建設」(56件)と最も多い件数となりました。

ただ、直接被災した3県については、まだ倒産手続きすら出来ない状況かも
しれないことを考えると、来年の調査では「直接被害型」の件数が大幅に伸びるかも
しれませんね。

一方、13日には厚生労働省が2011年度の地域別最低賃金額改定に関する
地方最低賃金審議会の答申状況を発表しました。

平均7円の引上げ(前年比)
全都道府県で上昇 という結果になっています。

昨年の引上げ額の17円よりは縮小しましたが、最も高い引き上げとなったのは
神奈川の18円で836円になりました。
神奈川は生活保護の水準よりも最低賃金が23円低く、是正が必要
とされていたことを受けての大幅な引上げです。

今回の引き上げで、埼玉、東京、京都、大阪、兵庫、広島の6都府県では
逆転現象は解消されることになりました。

最低賃金が47都道府県で最も低いのは岩手・高知・沖縄の645円
最も高いのは東京都の837円です。

東日本大震災で被災した岩手・宮城・福島の3県についても3県とも1円上がりました。

そもそも最低賃金と生活保護の水準を比較していいのか、という議論が学者の間ではあるようですが、
雇用の拡大が最優先と考えれば、なにより中小零細企業にとって、最低賃金の引上げは
雇用の逆風、足かせにもなりかねません。
難しいところです。

最低賃金は正社員に限らず非正規労働者にも同様に適用されるわけですから、
特に雇用労働者の3分の1を超える非正規労働者(多くは有期労働契約者)にとって
雇用の安定を阻害する要因にならなければよいのですが。

非正規労働者が3分の1を超え、今後、非正規労働者の社会保険の加入要件を
週20時間以上とする方向で社会保障審議会で検討されることを考えると、
雇用する側は非正規労働者の活用について画一的な発想をすて、
すぐれた非正規労働者には正社員の道、あるいはそれに準じた処遇をする環境を整えることが必要です。


鈴木社会保険労務士事務所




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