最新の映画情報や批評を掲載します。
細越麟太郎 MOVIE DIARY



3月30日(木)13-00 神谷町<ソニー・ピクチャーズ試写室>

M-039『メッセージ』" Arrival" (2016) Sony Pictures / Stage 6 Films / Film Nations Entertainment / Lava Bear Films

監督・ドゥニ・ヴィルヌーヴ 主演・エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー <116分・シネマスコープ> 配給・ソニー・ピクチャーズ

最近見た映画で、いちばん不思議な映画であり、タイトルの「メッセージ」は、こちらの命名した日本語の宣伝タイトルで、原名は「アライバル」という、「到着」か「帰着」か。

いや、映画を見た印象では、たしかに見た事のない、馬鹿でかい浮遊物体は出て来るが、それが何なのかは不明で、いつものように派手な戦闘もないし、宇宙人も出て来ないのだ。

これは来日するドゥニ監督に聞かなければ<正解>はないだろうが、とにかく<メッセージ>は具体的な伝達もなく、何が原題の「アライバル」なのかも、どうもワカラナイ。

といって安っぽいサイエンス・フィクション映画かと思うと、そうでもなく、視覚、音響、イメージ、演出、美術、演技など、どれを見ても、かなり<マジ>に高レベルに作られた異色作なのだ。

突然、世界の各地に飛来した巨大な浮遊物体は、ちょっと<ちくわ>のバケモノのようで、数百メートルもある無機物な巨大物体で、窓も音もロケット噴射装置もなく、ただ宙空200メートルに浮いているだけ。

とくに地上への攻撃をしてくるようでもなく、そのUFOは、ただ音もなく浮いているので、世界的にも著名な言語学者の一人者のエイミーが、同じ学者のジェレミーと共に、国家機密部隊に呼び出されて現地に飛ぶ。

その浮遊物体にどのようにして搭乗したのかもわからないが、その内部の壁面に不気味な怪音とともに、円形の墨文字らしい異様な形態が現れてわれわれを威嚇するので、ふたりの言語学者は理解しようとする。

しかし、どうも具体的な会話の内容でもなく、言語学者としても、その不気味なサウンドと抽象的な円形の文字には苦戦するのみで、見ているこちらもまったく理解できないまま、突然にドラマはお開きとなる。

ま、ぜひ、この不可解な物体が出現して、突然ワケもなく消えてしまうという怪奇な映画は、あなたがご覧になって解釈しないと、こちらのカンソーでは判断も怪しくなるので、それは避けるべきだろう。

ただ個人的には、その物体が現れる前に、エイミー助教授は、小さなわが子を病気で失っているので、そのショックから見た心理的な幻覚ではないか、と勝手に思ってしまった。

だから、あの奇妙な浮遊物体は、彼女に子宮の痛みであって、あの円形に変化する象形文字は、おそらく病死した幼児の伝えたかった苦しみの表現だから、ただ異様な鳴き声のようなサウンドを出していた・・・。

と、勝手な推測をしたのだが、何の目的で地上に現れたのかも、まったく不明なうちに消えてしまう浮遊物体は、彼女に心の中に残っている生理的な<シコリ>だったのじゃないか、と思うしかない。

今年のアカデミー賞でも、8部門ものノミネートされて話題になったが、受賞したのは音響編集賞のみだから、恐らくアカデミーのメンバーも統一した理解は得られなかったのだろう。

 

■ドラッグ・バントが三塁線上でストップしたままなので、セーフとなる。

●5月19日より、TOHOシネマズ六本木ヒルズでロードショー 



コメント ( 0 ) | Trackback ( 1 )



« ●『ゴースト・... ●やはりウディ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。
 
この記事のトラックバック Ping-URL
 
 
 
 
映画:メッセージ Arrival 21世紀版、エイリアンとのファーストコンタクト、は 映画初...... (日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~)
まずオープニングで舌を巻く。 ほんの数分で主人公の職業・経歴・経験値だけでなく、心の状態までもが露わにされる。 ほぼ平行して直ちに事件が発生、鑑賞者もその危機的状態......