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細越麟太郎 MOVIE DIARY



10月7日(金)10-00 <外苑前>GAGA試写室

M-128『マダム・フローレンス!・夢見るふたり』" Florence Foster Jenkins (2016) Pathe, BBC films / Qwerty Films Production

監督・スティーヴン・フリヤーズ 主演・メリル・ストリープ,ヒュー・グラント <111分・シネマスコープ> 配給・GAGA

たしか、この1月に、これと同じような壮絶なオンチの女性歌手を描いた「偉大なるマルグリット」というフアンス映画の傑作を見たので、また<リメイク>か、と思った。

あのカトリーヌ・フロの見事な音程狂いには大笑いして感動したのだが、もともと歌手志望だった大女優メリル・ストリープが、懲りもせずに歌姫に再挑戦したのか、と心配。

でもこれは全く別人のリアル・ストーリーで、これだけの<オンチ>なのに、あのニューヨークのカーネギーホールの大ステージで唄ったというから、レベルが違う。

主演のメリルは、実はとても歌の巧いひとで、もともとは歌手志望だったらしく、この春にも公開された「幸せをつかむ歌」ではニール・ヤングも驚くロックを唄ったばかりだ。

メリル演じるフローレンスはマンハッタンの資産家で、音楽愛好家なので多くの音楽人を経済的に、公演開催のための支援をしていて、結婚25周年のダンナのヒュー・グラントも熱心に協力。

実は彼女には重い持病があって、この音楽家支援の活動も実際には夫の尽力が支えになっているが、陰で夫が若い女性と浮気をしていることは百も承知の上で、表面的には円満を装っていた。

もともとご良家の出身の彼女は、コンサート資金などを集めるためのパーティを開いては社交会のクイーンとして尽力していたが、ついオダテラレてオンチながら唄う事もあった。

そんなパーティ・ジョークから、これもひとつの救済資金援助のために、何とお抱えピアニストの伴奏で、あのカーネギーホールで一夜だけのソロ・コンサートが開催されるという騒ぎ。

前の夜には、当時大いに人気のあったフランク・シナトラが唄った・・・という、同じカーネギーのステージなのだ。

さすがに、「危険な関係」でアカデミー賞にノミネートもされたフリヤーズ監督は、戦時中の当時のマンハッタンの雰囲気や、カーネギーホールのセットなどにリアルな背景を見せる。

しかも戦争末期の混乱したマンハッタンの情景などは、見事なセット・デザインで、あの「キャロル」のようなノスタルジーを、ロンドンで探して再現するところが、とにかくお見事だ。

名優メリルは相変わらずに達者で、今回はあの名優キャサリン・ヘップバーンの4度目のオスカー受賞を狙ったような余裕の名演技を披露して、さすがの貫禄。

その亭主役で、浮気をしつつも、かいがいしくメリルの我がままにに忠実に従うヒュー・グラントは、オスカー・ノミネートの噂もある好演で、作品に明るい印象を加えている。

それ以上に、オンチな歌姫のピアノの伴奏をするサイモン・ヘルバーグのサポートも、終始、作品の画調を明るく聡明な雰囲気を維持させてお見事・・・といっていいだろう。拍手!!!

 

■ライト手前のヒットを野手が後逸してツーベース。 ★★★☆☆

●東京国際映画祭オープニング作品。 12月1日より、全国ロードショー 



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