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細越麟太郎 MOVIE DIARY



5月9日(火)10-00 外苑前<GAGA試写室>

M-054『怪物はささやく』" A Monster Calls " (2016) Apaches Entertainment / River Road / Participant Media / Summit Entertainment

監督・J・A・バヨナ 主演・ルイス・マクドゥガル、シガニー・ウィーバー <109分・シネマスコープ> 配給・ギャガGAGA

怪獣映画のような、ちょっとおぞましいタイトルだが、実はピュアな少年の心理を描いた、あの「ET」、「ベイマックス」から古くは「オズの魔法使い」のような、少年期の心理的成長を描いた新作。

13歳になる孤独な一人っ子少年ルイスは、病気の母とともに、墓地のすぐ横にある家で暮らしているが、夜中の12時7分になると、決まって現れる大木のようなモンスターに悩まされている。

父親不在で病弱な母の入院に代わって、祖母のシガニーが何かと口煩く面倒を見にやってくるが、眠れない夜にやってくる巨大な樹木型のモンスターは、少年に3つの物語を話して聞かせるのだ。

イギリスの女性児童文学作家シヴォーン・ダウドの未完のストーリーを、パトリック・ネスが追記して完成されたこの原作は、カーネギー賞とケイト・グリーナウェイ賞をダブル受賞。

あの「パンズ・ラビリンス」のプロデューサーが物語のユニークさに惚れ込んで、スペインの「永遠のこどもたち」の人気監督バヨナに監督を依頼して、イングランドで撮影された、という異色作品。 

という背景で、この作品は監督のホームであるスペインで先行公開されて、ご当地のアカデミー賞にあたるゴヤ賞で、最多9部門受賞して、興行でも昨年の興行ナンバーワンの大ヒットだという。

裏庭の先にある墓地には、大きな1本の樹があって、それが孤独な少年の話し相手として現れるが、その大木が繊細な表情をするCG処理が、あのドン・キ・ホーテの風車のような味がある。

そのナゾの大木を、「沈黙」にも出ていたリーアム・ニースンが声だけの出演をしていて、遠い昔話を3夜にわたって話して聞かせて、「黒の王妃と王子」「薬師の秘薬」「透明人間」と三話構成。

これが小心の少年の心を強くするのだが、ちょっと樹のアクションやその表情の不気味さに気をとられて、その話の内容の重要さの方は深く残らないのが、どうもこの作品の印象・・・となったのが残念。

何かと少年の気遣いをするシガニーが、いかにも「エイリアン」シリーズの怪奇な表情をするが、どうにも高齢化のせいで、まるで怪奇映画のような印象になりがちなのも、困りものだった。

つまりこれは、孤独で家庭の問題が多い少年のための、モンスター教育のような、深い内容がありそうだが、つい、老木の表情に気を取られてしまう・・という不思議な作品。

 

■ショートゴロをもたつく間に二盗塁を試みるが、タッチアウト。 ★★★☆

●6月9日より、全国ロードショー 



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