細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ワンダーウーマン』の颯爽の登場で、豪快にウーマン・パワー炸裂だ!!

2017年07月22日 | Weblog

7月18日(火)13-00 内幸町<ワーナー・ブラザース映画試写室>

M-080 『ワンダーウーマン』"Wonder Woman " (2017) Warner Brothers/TM& DC Comics / Cruel and Unusual Films 

製作・ザック・スナイダー 監督・パティ・ジェンキンス 主演・ガル・ガドット <141分・シネマスコープ> アイマックス・3D公開

「スーパーマン」「バットマン」「スパイダーマン」「アイアンマン」・・・と、アメリカン・コミック発祥のメンズ連中にはラチがあかないーー、と登場したのが、この「ワンダー・ウーマン」。

ちょっと<アマゾネス>のような、ヒステリックな女傑がついに登場・・と危惧して、試写を遠慮していたら、映画の友人たちが、みな絶賛しているので、勇気を持って、ついに試写を見た。

たしかに1941年に登場したという女傑コミックの映画化なので、まるで「キングコング」の棲む絶海の女性だけの孤島に、空中戦の戦闘で撃墜された戦闘機がいきなり不時着。

その事故機にはアメリカの飛行パイロットのクリス・パインが乗っていたが、たまたま海岸にいた女性戦闘士のガルに救われて、その日から女性だけの島で介抱されることになった。

時代は世界大戦中で、クリスは実はアメリカのスパイで、ドイツの重要な軍事機密を隠し持っていたが、それを本部に届けるという任務の最中で、その危機を知ったガルは一緒に島を出ることにした。

あとはヒッチコックの「第三逃亡者」や「海外特派員」のような展開で、ちょっとフリッツ・ラングの「外套と短剣」のようなストーリー展開による、スパイ・アクションの世界。

ところが、異色の傑作「モンスター」でもシャーリーズ・セロンを大スターにした実績のあるパティ・ジェンキンス監督は、強力なスタッフのバックアップで、まさに女傑監督の力量を発揮する。

たしかにコミックの映画化なので、エピソードにはそれぞれの見せ場を作っているが、次の見せ場になると、まったく別の映画のような力強い演出を見せて、この長尺活劇をぐいぐい引っ張る。

その演出とテンポの素早さは、さすがは女性ならではの入念な計算としぶとさを見せて、ぐいぐいと引き込む演出のアイデアは「ワイルド・スピード」の端役だったガルの魅力を前面に強調する。

ま、お話は「ミッション・インポッシブル」のようだが、そこは主演が空を駈ける古代の女傑「ワンダー・ウーマン」の大活躍で、久しぶりにワクワク感の持続する面白い作品になっている。

どうしてもコミックとなると、ロボットやトランスフォーマーや、空飛ぶ男達の映像世界になっていたが、この作品では古代アマゾネスの生まれ変わりのような、美女が野郎たちをぶっ飛ばす。

会社での苦労をひとりで苦にして抱え込むことのないように、ぜひ、あの大広告代理店などの女子社員のように、下働きの苦労などは、この作品を見て奮起して欲しいものだ・・と思ってしまう。

ラストシーンで、ワンダー・ウーマンは電話をかけていたが・・「すみませんが・・ブルース・ウェインさんはいますか・・?」と言っていたので、次作ではバットマンと共演するのだろうか???

 

■前身守備のセンター頭上を大きく越えるライナーのツーベース。★★★☆☆+

●8月25日より、新宿ピカデリーなどで全国ロードショー