http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12283285237.html
骨太の方針2017に関する日本経済新聞の社説を読み、分かりました。
緊縮財政主義、あるいはプライマリーバランス黒字化主義者の振る舞いは、新興宗教です。護憲派が「憲法九条教」に陥っているのと同様に、彼らはPB黒字教の教徒と化しているのです。
しつこいほど繰り返していますが、そもそも財政健全化の定義は、PB黒字化ではありません。政府の負債対GDP比率の引き下げです。
それにも関わらず、この社説。(「社説」なので、日本経済新聞「社」としてのオピニオンになります)
『安倍政権は財政健全化から逃げるな
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO1754638010062017EA1000/
政府が経済財政運営の基本方針(骨太の方針)を閣議決定した。財政健全化の目標として、2020年度の国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の黒字化に加え、国内総生産(GDP)に対する公債残高の比率引き下げも明記した。新目標が財政健全化の先送りにつながるようなことはあってはならない。
PBの黒字化は、その年度の政策的経費を、借金に頼らずにその年度の税収などの収入でまかなえるようにする目標だ。PBが黒字になっても、過去に発行した国債などの借金返済が残るので、PB目標は財政再建の一里塚にすぎない。その後は1000兆円を超す国・地方の借金を減らし累積赤字を縮小させる必要がある。(後略)』
前半部分だけで、突っ込みどころ満載なのですが、そもそも財政健全化とは「国内総生産(GDP)に対する公債残高の比率引き下げ(政府の負債対GDP比率の引き下げ)」なのです。
それにも関わらず、財政健全化=政府の負債対GDP比率引き下げを「新目標」に入れたことを受け、「新目標が財政健全化の先送りにつながるようなことはあってはならない」と書く。
さらに、「過去に発行した国債などの借金返済」などと、財政健全化とは関係がない話を平気でつなげる。
そもそも、政府の負債は増え続けるものであり、増え続けてきたという「現実」も無視する。
島倉原氏が作成してくれた、1872年から2015年までの政府債務の推移を掲載します。
【1872年-2015年 政府債務の金額及び実質残高(2015年基準)の推移(単位:億円)】
http://mtdata.jp/data_53.html#Seifusaimu
図の通り、日本政府の債務の名目値は1872年から2015年にかけ、3740万倍に増えています。
物価の上昇分を控除した実質では、546倍です。
過去に(名目値で)3740万倍に増え、一度も債務不履行を起こしていない政府の負債を、なぜ「縮小」させなければならないのでしょうか。
日本経済新聞は、後略部で、
「教育や公共事業などの歳出を増やし、増税を先送りするため、目標の中間見直しをする来年に、PB目標を棚上げし、債務残高GDP比率に目標を切り替えるつもりなのではないかという観測がくすぶっている。」
と、書いています。
教育支出や公共事業の拡大、あるいは増税の凍結(先送りではなく)は、日本のデフレ脱却及び長期的な経済成長のために不可欠です。そのために、PB目標を破棄し、政府の負債対GDP比に目標を切り替えることは、そもそもの「財政健全化」という目標からも、合理的です。何しろ、財政健全化とは、政府の負債対GDP比率の引き下げのことなのです。
例えば、ダイエットという目標があったとします。ダイエットの定義は、普通は体重を減らすことでしょう。
ところが、日本経済新聞は「食事制限」という、ダイエットの一手法にこだわり、「食事制限を断固続けるべき! たとえ、栄養失調で死ぬことになっても」と、言っているのも同然なのです。
食事制限を緩和したところで、適度な運動でカロリーをコントロールすることで、ダイエットという目標は達成できます。
食事制限にせよ、運動によるカロリー消費にせよ、目標でも何でもありません。体重を減らすというダイエット「目標」を達成するための、一手段に過ぎないのです。
PBの管理や、名目GDPの成長率、国債金利が、全て「政府の負債対GDP比率引き下げ」の一手段に過ぎないのと同じように。
結局のところ、日経新聞の社説を書いた記者は、「プライマリーバランス黒字教」の教徒なのです。あるいは「狂信者」です。
この手の狂信者を説得するのは無理で、彼らの狂った主張に対し、繰り返し、繰り返し、的確に、事実をもって否定する論述を、可能な限り拡散しなければならないのです。さもなければ、日本はPB黒字教徒により亡国へと追いやられることになります。
「政府は堂々とPB目標を破棄せよ!」
骨太の方針2017に関する日本経済新聞の社説を読み、分かりました。
緊縮財政主義、あるいはプライマリーバランス黒字化主義者の振る舞いは、新興宗教です。護憲派が「憲法九条教」に陥っているのと同様に、彼らはPB黒字教の教徒と化しているのです。
しつこいほど繰り返していますが、そもそも財政健全化の定義は、PB黒字化ではありません。政府の負債対GDP比率の引き下げです。
それにも関わらず、この社説。(「社説」なので、日本経済新聞「社」としてのオピニオンになります)
『安倍政権は財政健全化から逃げるな
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO1754638010062017EA1000/
政府が経済財政運営の基本方針(骨太の方針)を閣議決定した。財政健全化の目標として、2020年度の国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の黒字化に加え、国内総生産(GDP)に対する公債残高の比率引き下げも明記した。新目標が財政健全化の先送りにつながるようなことはあってはならない。
PBの黒字化は、その年度の政策的経費を、借金に頼らずにその年度の税収などの収入でまかなえるようにする目標だ。PBが黒字になっても、過去に発行した国債などの借金返済が残るので、PB目標は財政再建の一里塚にすぎない。その後は1000兆円を超す国・地方の借金を減らし累積赤字を縮小させる必要がある。(後略)』
前半部分だけで、突っ込みどころ満載なのですが、そもそも財政健全化とは「国内総生産(GDP)に対する公債残高の比率引き下げ(政府の負債対GDP比率の引き下げ)」なのです。
それにも関わらず、財政健全化=政府の負債対GDP比率引き下げを「新目標」に入れたことを受け、「新目標が財政健全化の先送りにつながるようなことはあってはならない」と書く。
さらに、「過去に発行した国債などの借金返済」などと、財政健全化とは関係がない話を平気でつなげる。
そもそも、政府の負債は増え続けるものであり、増え続けてきたという「現実」も無視する。
島倉原氏が作成してくれた、1872年から2015年までの政府債務の推移を掲載します。
【1872年-2015年 政府債務の金額及び実質残高(2015年基準)の推移(単位:億円)】
http://mtdata.jp/data_53.html#Seifusaimu
図の通り、日本政府の債務の名目値は1872年から2015年にかけ、3740万倍に増えています。
物価の上昇分を控除した実質では、546倍です。
過去に(名目値で)3740万倍に増え、一度も債務不履行を起こしていない政府の負債を、なぜ「縮小」させなければならないのでしょうか。
日本経済新聞は、後略部で、
「教育や公共事業などの歳出を増やし、増税を先送りするため、目標の中間見直しをする来年に、PB目標を棚上げし、債務残高GDP比率に目標を切り替えるつもりなのではないかという観測がくすぶっている。」
と、書いています。
教育支出や公共事業の拡大、あるいは増税の凍結(先送りではなく)は、日本のデフレ脱却及び長期的な経済成長のために不可欠です。そのために、PB目標を破棄し、政府の負債対GDP比に目標を切り替えることは、そもそもの「財政健全化」という目標からも、合理的です。何しろ、財政健全化とは、政府の負債対GDP比率の引き下げのことなのです。
例えば、ダイエットという目標があったとします。ダイエットの定義は、普通は体重を減らすことでしょう。
ところが、日本経済新聞は「食事制限」という、ダイエットの一手法にこだわり、「食事制限を断固続けるべき! たとえ、栄養失調で死ぬことになっても」と、言っているのも同然なのです。
食事制限を緩和したところで、適度な運動でカロリーをコントロールすることで、ダイエットという目標は達成できます。
食事制限にせよ、運動によるカロリー消費にせよ、目標でも何でもありません。体重を減らすというダイエット「目標」を達成するための、一手段に過ぎないのです。
PBの管理や、名目GDPの成長率、国債金利が、全て「政府の負債対GDP比率引き下げ」の一手段に過ぎないのと同じように。
結局のところ、日経新聞の社説を書いた記者は、「プライマリーバランス黒字教」の教徒なのです。あるいは「狂信者」です。
この手の狂信者を説得するのは無理で、彼らの狂った主張に対し、繰り返し、繰り返し、的確に、事実をもって否定する論述を、可能な限り拡散しなければならないのです。さもなければ、日本はPB黒字教徒により亡国へと追いやられることになります。
「政府は堂々とPB目標を破棄せよ!」