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昨日は、三軒茶屋で「後期高齢者医療制度と格差社会」をタイトルにした集会を阿部知子政策審議会長を招いて行った。この制度の問題点を熟知しているという点で、しかも医師として医療現場に30年以上立ってきた阿部さんは、何度もこの制度の導入に警鐘を鳴らしてきた。参加に紹介したのは、平成19年10月10日社会保障審議会後期高齢者医療の在り方に関する特別部会の発表した『後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子』という文書だった。そこには、驚くべき表記があったのだ。

後期高齢者の心身の特性

1 老化に伴う生理的機能の低下により、治療の長期化、複数疾患への罹患(特に慢性疾患)が見られる。

2 多くの高齢者に、症状の軽重は別として、認知症の問題が見られる。

3 後期高齢者は、この制度の中で、いずれ避けることの出来ない死を迎えることとなる。

[引用終わり]

「いずれ避けることの出来ない死」とは何という言い方だろうか。一般的には、人間は誰だって「いずれ避けることの出来ない死」を迎える。しかし、75歳以上の後期高齢者は、「この制度の中で」というところが重要だ。この後期高齢者医療制度とは、この中にいる人たちが次々と絶命していくことをあらかじめ予定していることを、あからさまに告白している書き方ではないか。

この文書のあからさまなところは、「終末期医療について」というところにもある。エッと驚く表記が登場する。

終末期医療について

患者本人が終末期の医療の内容を決定するための、医療従事者からの情報提供と説明を評価

患者と家族が医療従事者と、終末期における診療方針等について話し合いを行った場合についての評価。

※書面の作成は、患者の自由な意志に基づいて行われる。(作成の強要はあってはならない」

※作成後の変更も、何度でも自由に行うことができる(変更を妨げられることはあってはならない)

後期高齢者医療終末期相談支援料200点(保険点数)

[引用終わり]

昨日の会場からは「尊厳死」の法制化もされていないのに、実際にどう使われるのかという疑問が出たが、薄ら寒くなる話だ。「さあて、どこまで治療しますか。あるいは、どのへんで治療をやめますか」と医療従事者が患者とやりとりをしたということが保険点数化されて奨励される。多くの高齢者から「年寄りは死ねというのか」という呪詛の声が出ているが、表面に出ている以上に「いのちの看取り」ではなくて「いのちの見切り」を優先するような圧力を高齢者にかけるような思想がこの制度の根底に流れている。

後期高齢者医療制度の対象者となる75歳以上の人たちは、これまでいた医療保険から「強制的に退出」を迫られて、新制度に組み込まれる。子らの扶養扱いとなって世帯単位の保険料を必要としていなかった人にも新たな保険料負担が生じるというのは、多くの人が知っている通りだ。だが、そこで首を傾げるような矛盾が生まれる。74歳までの高齢者は扶養扱いで保険料は発生しないままなのだ。晴れて75歳になって、独立して被保険者となるという制度であり、常識とは逆だ。普通ならば、年をとるごとに大切にされ、やがては保険料負担もゼロになるのが常識だが、
75歳になったら「どうぞお支払いを」という制度なのだ。

まだまだ問題点はあるが、今日の記事はこのへんで終わる。2日前の『後期高齢者医療・怒りの声ホットライン』の様子がSYAMIN-TVで見ることが出来る。見ていない人はどうぞ。

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