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 毎日新聞に「ねじれ国会」をめぐるインタビュー記事が掲載された。そう長くはない紙面によくまとめてあり、この部分はもう少し言いたいなという誘惑にかられた。ブログの特性を生かして、インタビュー記事の合間に注釈をつけてみた。より、言わんとしていることを明確に伝えることが出来そうだ。昨日は記事のみ引用しているが、今日は※のコメントを挿入した。もう一度、読んでいただけるとありがたい。

◇民主、国政調査権を使え

−−ねじれ国会で官庁が情報を出すようになったと言われますが。

◆ねじれる前の方が明らかに出ていました。特に厚生労働省、社会保険庁。資料を出す判断権が奪われたのでしょう。(※1)民主党は国政調査権を行使すべきです。(※2)威力を実際に知る者として歯がゆいし、期待外れです。03年の名古屋刑務所での受刑者不審死問題(※3)では、所内での死亡記録がすべて出てきましたから。

■(※1)「資料を出す判断力」安倍政権末期には、これまで一切表に出てこなかった社会保険業務センターのマニュアルなども国会審議で提出された。本ブログの継続した読者の皆さんなら、社民党が「旧台帳」を手がかりとして追跡した年金倉庫の話を覚えていることと思う。ところが、参議院選挙後、社会保険庁からは1枚の資料すら出なくなった。一説によると、野党議員の資料要求について社会保険庁だけの判断では出せなくなり、官邸・与党のチェックを受けるようになったからだと言われている。
■(※2)6月の会期末になって、民主党から長妻昭衆議院議員ら40名以上の連名で衆議院議長あてに「年金記録に関する予備的調査」の手続きが取られた。この中には、私がその解明を求めてきた「旧台帳」問題も含まれている。そもそも、この「予備的調査」は土井たか子衆議院議長時代の国会改革で実現をした制度で、与党が政府を擁護して多数決の壁で野党の資料要求を阻んでしまうために作られた制度で、40人の連名によって国政調査権に近い形で、衆議院調査局が政府の各機関に対して資料提供を依頼することが出来る制度である。国政調査権ほどの強制力ないが、個々の議員の資料要求よりも効果はある。衆議院で「予備的調査」が使用されたこと自体、参議院の厚生労働委員会では年金記録問題について国政調査権を発動することが出来なかったということの裏返しの事実である。参議院は野党多数のために、理事会で議決すれば省庁は資料を提出しなければならなくなる。
(※3)昨年の9月に『どこどこ日記』に書いた「国政調査権とは何か」に詳しい。03年の刑務所問題の集中審議は、国会の行政監視機能をフルに発揮して行われた。

−−保坂さんは通常国会で道路特定財源によるミュージカル開催を追及されましたね。
◆世間の耳目を引こうとした部分(※4)もありますが、本質は「特別会計の支出明細の100%把握」です。特別会計には工期と予算を超えて工事が終わらない時の手続きが何もないことが分かった。だから5年で10億円の工事がいつの間にか15年で50億円、ということになる。諫早湾干拓などの農業土木に関する莫大(ばくだい)な支出がそれです。自民党族議員の力の源泉ですよ。

■(※4)テレビ時代の「ポリュリズム政治」は、物事を象徴するような具体的ケースと本質的な構造をセットで形作ることを求めてくる。年金積立金150兆円の行方の話よりも、「年金ポスター1枚2万円」という単純な話題の方がメディアがとりあげやすい。だから、話題になることだけを選ぶのではなくて、枝葉の話題から本質論に向かう道筋をつくるのが私たちの仕事だ。

−−与党は「枝葉にこだわらず大所高所の議論を」と批判しますが。

◆全体構造を把握するには、葉っぱが見えないとできません。歳出の実態が分かれば、政府が掲げる社会保障費増の2200億円抑制の財源なんて10分で取り出せる。(※5)驚いたのは、反対討論のわずかな時間で私が列挙した事業を、国が全部中止したことです。(※5)次期衆院選の大きな争点は「税金の使い方の変革」。政権交代の暁には、諫早の堤防を全面開放し、撤去までもっていきたいですね。

■(※5)道路特定財源を各地の国道事務所がどのように使用しているのかについて、一覧表を要求して見ている。「ミュージカル」や「女性団体育成」などの事業は、「測量及び調査費」から捻出されていた。道路予算が、道路本体に使われる前に、いろいろな名目で化けていく。たとえば、道路特定財源を原資として市街地の駐車場付きのビルには、低金利で融資が行われてきた。→『道路特定財源から15億円のパチンコビル融資』

■(※6)道路特定財源の調査は、主にインターネットを使って行った。各国道事務所のホームページや随意契約一覧表を「地引き網」的にくまなく見ていくと、「道路フェスタ」「道路資料館」など首を傾げるものがたくさんあった。これまでなら、国会で指摘しただけでなくなるということはなかった。社民党は時間が短く規制されているので、猛烈な早口で列挙したことが、即実現したのは「ねじれ国会」ならではの現象かもしれない。

 −−民主党に注文したいことはありますか。
◆一番怖いなと思ったのは大連立騒動。95%近くが与党になるわけですから。今後の憲法議論に懸念が残ります。問責決議も消化試合的に見えた。自民党政治とどう違うのかが民主党には問われる。社民党もなるべく政権に入りたいと考えており、我々にとって憲法は譲れない問題です。

 −−2大政党化の中で社民党の役割は。
◆僕は与党の時代を知っているから、政権交代の効果は「ねじれ」より1万倍大きいと思う。そして野党連立政権となれば、社民党が一番政策協議をする位置にいる。社民党が外れたら参院は過半数にならない。共産党に期待するしかない状態になりますから。社会保障の再構築を一緒にどうやっていくのかということになりますね。【聞き手・田中成之】=おわり
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 ■人物略歴
 ◇ほさか・のぶと
 55年生まれ、52歳。新宿高校定時制中退。中学在学中の新聞創刊などを理由に高校進学ができず話題となった。教育ジャーナリストとして活動後、96年衆院選で比例東京ブロックで初当選。当選3回。今国会で質問回数が500回を超えた。
毎日新聞 2008年7月9日 東京朝刊

〔引用終了〕

 民主党は議員の数も多く、なかなかの人材も揃っている。チームを編成できるところはうらやましい。ただ、若い世代の特徴でもあるのか国会の追及や調査も「やや淡白」に感じる。私が、「粘り好き」だからかもしれないが。「ものわかりのいい優等生」という印象もあり、憲法問題などで立場があやふやに感じることもある。秋の国会では、国政調査権の活用が大きなテーマだと思う。




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