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2月11日午後5時。群馬県前橋市にある総合福祉会館で緊急勉強会が行なわれた。『八ッ場ダム上流のヒ素問題』(八ッ場ダムを考える群馬県連絡会)で、企画から10日たらずの準備期間が短い中で百人を超える熱心な市民が集まった。ちょうど1カ月前に発売された『週刊朝日』で4頁にわたって、「八ッ場ダム最大のタブー、 国交省はヒ素汚染調査を隠蔽していた」を書いた。大きな反響を予想したが、追っかけたのは『日刊ゲンダイ』にとどまっていた。当日は、地元紙を中心にメディアも4〜5社が取材に来ていたので、前橋発できちんと伝えられていくことを期待したい。

 集会の様子を『markdadao』さんが丁寧に書いていただいている。せっかくだから引用させてもらうことにする。

〔引用開始〕

2010-02-11
八ッ場ダム上流のヒ素問題
 
 八ッ場ダムを考える群馬県連絡会主催の学習会へ参加した。元衆議院議員の保坂展人氏が「隠されてきたヒ素問題と八ッ場ダムの行方」の問題定義をされた。その後、元群馬県職員で環境衛生課に勤務し実際に現場で担当されていて、現在県会議員の後藤克己議員より「品木ダム浚渫土砂廃棄物の管理について」報告がされた。

 途中質疑を挟んで、最後に角倉邦良県会議員より県議会報告をされた。司会は八ッ場あしたの会事務局の渡辺洋子さんがそつなく進行をされた。約100名の出席者で、隣席の人など八ッ場ダム地域の方や年配の方が多かった。勿論メディアの方もおり盛況であった。

保坂前衆議院議員の問題定義

 品木ダムの下流水域でヒ素が検出されていることを、国土交通省は認識していたが公表はされていない。すでに57年前に八ッ場ダム建設の話が持ち上がった時、現地はこの問題で反対をしていた。

 1964年に日本で初めて水を貯めるのではなく中和するダムとして品木ダムが建設された。この品木ダムは100年計画であったが、すでに25年目で飽和状態となり一番深くても4mであった。これは年間4万トンが中和した石膏以外に土砂も一緒にたまった結果である。しかし国交省は「山から石灰を持ってきて、中和し浚渫した土砂をまた山に戻すという、究極のリサイクルだ」と言っている。

 上智大学理工学部の木川田喜一博士が、1960年代から調査をして1996年湯川の中でヒ素を発見している。八ッ場ダムを造ると更にヒ素が溜まる。2008年の国交省の調査では1kg当たり5gのヒ素が資料に記載されている。そこで国交省はこの堆積物の再利用にセメント等を研究しているのだが、ヒ素の量が多すぎて製品化できない。

 問題は浚渫した土砂が野積み状態になっている。汚染水が地下浸透や河川に流れだすので、産業廃棄物扱いでは駄目で管理型処分場として管理しなければならない。しかし国交省はその汚染水が川に流れ込めば、いずれ品木ダムに戻るのだから問題ないと言っている。

 国交省のダム管理責任者にこれは問題だと問えば、もうじき定年だからと言って開き直る。このヒ素を含んだ水脈は水力発電のために前橋へ流れ、そのあと広瀬川にそそいでいる。

 八ッ場ダムの本体工事が止まったが、橋梁工事はそのまま継続されている。4本作られており、最後の一本が約51億円と言われている。ヒ素を止めるための八ッ場ダムであっていいのか?

 庶民は「知らなくていい」という社会が、江戸時代より綿々と続いている。いまだ政権が交代しても官僚の考えは同じである。そして国交省河川局が自らは発表しようとしない。中和ダムで貯めてしまったことに問題がある。本来はそのまま流せば希釈され問題にはならない。

 すべてはお上が決めるのではなく、皆で知恵を出して良いほうへ変えて行こう。

〔引用終了〕

 こうして集会での発言の様子をかいつまんで紹介していただけるとありがたい。さて、この記事にもあるように、11日の緊急勉強会の成果は後藤克己県会議員の報告だった。彼は、7〜8年前に群馬県の環境部局の職員として品木ダムのヒ素汚染された「浚渫土砂」の土捨て場で現在使用されているC土捨て場の許認可を担当してきたという「当事者」だった。当時、国は「管理型処分場」として申請を出してきた。ところが、管理型処分場ということになると地下に浸透しないように遮水シート(1・5ミリ)を敷いて、水処理施設もつくらなければならず、多くの予算がかかる。実は、A、B土捨て場も驚いたことに「管理型処分場」で群馬県は許可を出しておきながら、実は遮水シートも水処理もしない「野積み状態」だった。国は、今回も前回同様に許可してくれと言い、浚渫土砂の分析値を出してきた。「ヒ素(As) の数値が異常に高かったのはすぐに気づいた」と語った。「とても管理型処分場の許可は出せない」と言ったら、国は困り果てていた。そののちに、自分も配置転換になり後任者に仕事は引き継がれた。おそらく、国は泣きを入れたのだろう……と重大な証言をしてくれた。

群馬県議会には、友人の角倉邦良さんや後藤さんのような血気盛んな環境派の議員たちがいる。「品木ダムヒ素問題」を国や県はいつ頃から把握して、隠してきたのか。情報開示を迫ってほしい。こうした問題に何の関心も寄せない流域自治体の首長は、壊れたテレコのように「ダムをつくれ、ダムをつくれ」と繰り返しているが、正面からこの問題に向き合ってもらいたい。もう一点、政権交代後の国土交通省がこの話題で「沈黙」を続けることは許されないのはもちろんだ。国会議員諸氏の奮起に期待するが、今のところ関心を持つ議員は私の知る限りひとりかふたりしかいない。

この集会が契機になって、真相解明と緊急対策の議論が進むことを期待する。

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