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 昨日の内閣委員会での審議が少なからぬ反響を呼んでいる。「もっと厳しく切り込め」とのお叱りの言葉もいただいたが、外環道計画が「地下化」で都市計画変更されても、なお地上部分の「都道」が「外環ノ2」という形で残っていて、「地下も地上も道路をつくる」という選択肢を国土交通省側が平然と認めたということにポイントがある。さっそく、該当仮議事録をここに掲載することにする。これはあくまでも仮議事録であり、保坂展人事務所責任でまとめたものである。正式の議事録は、後に衆議院のホームページの会議録の部分に掲載されることになるので、ご了承いただいた上で参考にしてもらいたい。

2009年07月08日 衆議院内閣委員会

○保坂委員 (中略)次に、緊急経済対策の中にも入った外環道についてお聞きをしていきたいと思いますけれども、これは林芳正大臣の方に。

 この外環道は、御存じのように長い歴史がございますよね。一九六六年、昭和四十一年に高架方式で都市計画決定がされた。しかし、沿線住民、沿道の反対が強くて、一九七〇年には当時の建設大臣が凍結を表明された。約三十年たって、一九九九年に石原東京都知事が地下化を表明した。それから、二〇〇七年ですね、二年前でしょうか、地下方式へ都市計画決定が変更された。つい先日、国幹会議、これは整備計画に格上げをしたということで、早速補正予算から九十五億円がついて、東京都も直轄事業負担金など二十六億円という予算をつけているということなんですが、まず国交省に、事務方に伺いますが、これは外環道は、既に事業に着手しているんでしょうか。

 つい先日の新聞記事、これは東京新聞ですが、これによりますと、五月十九日にホームページにひそかに書かれていたと、外環道着工。外環道という文字もなかったと。いわゆる政令の名前ですね、長いから言いませんけれども。ということで、これだけ社会的な関心も集めている外環道の着工ということを始めていたのならば、なぜ記者発表や、ホームページも例えばトップページに出すとか、そういう工夫をしなかったのか、ちょっと事実確認も含めてお願いします。

○広瀬政府参考人 お答えいたします。

 外環道につきましては、ただいま先生の方からお話ありましたように、今回の補正予算で九十五億円の予算が認められております。そういった意味では事業化されているというふうに私ども理解をしております。

 今回、五月に整備計画の決定を行いました。これは、基本的に、その前に四月の二十七日に国幹会議がなされまして、そこでの内容をそのまま整備計画として決定させていただいたということで、ホームページ等に掲載させていただいております。特に記者発表等しておりませんでしたけれども、今後、こういうものの周知につきましては、どういうやり方がいいのか、検討してまいりたいというふうに考えております。

○保坂委員 これは、外環道と気がつかないんですよ。大体、ホームページ、どこにあるのかもすごく難しいし、関越自動車道新潟線の三鷹市東京都練馬区の新設、これじゃわからないですよね。これは政令における本当の名前らしいですけれども。

 林大臣にちょっと伺っていきたいんですが、私も九九年当時のニュースを見て、外環道、長らく凍結をされていたというのが地下へと、そして、やがて大深度地下ということになりましたよね。そうすると、地上部の家屋の立ち退きなど、相当過密ですから時間がかかりますよね。大深度地下ということで、この外環については地下を走るんだ、こう思っていたわけです。

 それはそう間違いないようなんですが、ところが、お手元に配った資料を見ていただきたいんですが、実は、一九六六年当時に二つの都市計画決定がされていたようでございまして、この上に「外環ノ2」というふうに書いてあります。「外環ノ2」の幅は四十メートルですね。実は、この四十メートルを確保して、上に高架を乗っけるという計画で当時構想されたわけです。それが、この高架の部分が下に潜りましたよね、御承知のように。そうするとどうなるのかというと、これは残っているそうなんですね、四十メートルの。一回道路というのが決まると、なかなか消えないんです。

 ということで、道路は地下に大深度でいくが、地上にもできると。東京都に聞くと、道路なのか、防災拠点なのか、町づくりなのか、いろいろ住民の皆さんの意見を聞いてというようなことでおっしゃっているんですが、実は道路ができる可能性もあるようです。

 そうすると、これだけの財政難で、経済効果が期待できるという話があったにしても、どうでしょうか、率直にこういう話、御存じでしたか。地上の部分も残る可能性があるということを御存じでしたか。

○林(芳)国務大臣 今委員がお配りになられましたこの「現在の地上部街路の都市計画」というものでございますか、これはちょっと私、今まで拝見したことがございませんでしたので、きょう、御質問はこの経済的な効果というふうに伺っておりましたので、この紙についてはちょっと今まで見たことはございません。

○保坂委員 それでは、国土交通省の方に伺っていきますけれども、この「外環ノ2」というのは、この配った資料にあるように、目白通り、練馬区の東大泉二丁目から東八道路、世田谷区の北烏山五丁目までの九キロの間を結んでいるという都市計画決定であります。

 先ほども言いましたが、東京都では、計画の廃止も含めて関係区やあるいは市町の要請を受けて地元との話し合いをしたい、その上で決めたい、こういうことなんですが、結局、道路ができる可能性もあるということですよね、話し合い次第によっては。そこを確認しておきたいんです。

○松谷政府参考人 お答えいたします。

 最初に、外環の本線と「外環ノ2」という二つの都市計画道路の機能、性格の違いをちょっとお話し申し上げたいと思いますけれども、外環の本線は、首都圏の三環状道路、圏央道、外環、それから首都高速道路中央線の三環状道路の一つを担っておりまして、広域的な自動車交通を分担するという機能でございます。これについては、今先生からお話があったとおり、地下に入れるということがいろいろお話し合いをしていただいた上で決まった。

 「外環ノ2」については、きょうお配りいただいた資料にも「街路」というふうに書いてありますように、この地域の中での道路という性格でございまして、ですから、地域の自動車交通、それから歩行者、自転車という交通を受け持ったり、それから環境、防災等の機能を担うということでございまして、その二つの道路は機能、性格が大きく異なっております。

 それで、「外環ノ2」というのは、今お話ししたように地域の道路ですので、地域の行政を担っておられる東京都、それから地元の市と区、さらにはその地域の住民の方々の御意見を集約する中でそのあり方を決めていただくという性格のものであるというふうに思っております。

 今、先生からお話がありましたように、東京都では平成十七年の一月に考え方を公表しておりまして、一つの選択肢としては、現在の計画区域を活用して緑豊かな道路をつくる……(保坂委員「もういいですから。道路になる可能性があるかどうか」と呼ぶ)ええ、済みません。それから二つ目が縮小する、三つ目が代替機能を確保して計画を廃止するという三つを公表しておりますし、また、二十年三月には環境、防災、交通、暮らしという四つの視点で検討を進めていくということでございます。

 これから東京都では……(保坂委員「そろそろ時間ないから」と呼ぶ)はい、済みません。

○渡辺委員長 簡潔に、簡潔に。

○松谷政府参考人 この必要性から、整備のあり方について、地元の市区それから住民の皆さんと意見交換をして決めていくということでありますので、すべての選択肢があり得るというふうに国土交通省としては考えております。

○保坂委員 最後の一言でよかったんですね、私が聞きたかったのは。すべての選択肢があるということなんですね。

 これはどうでしょうか。すべての選択肢があるのであれば、道路になる可能性もあるわけですよ。道路になる可能性もあるのであれば、外環道ではじいたBバイC、交通需要の予測、これは少し下げられたようですけれども、三を少し切った数字を出されていますけれども、交通量それから環境に対する負荷、これは上も下も道路だったら、これは下からも排ガス、上も排ガスというふうになりますからね。こういうことを一体としてやるのかやらないのか、まずはっきりしたらどうですか。まず、では伺いますけれども、このBバイCは、両方つくった場合、どうなるんですか。そこまでちゃんと議論していますか。

○広瀬政府参考人 外環のBバイC、先生御指摘のように二・九ということで出させていただいております。

 このもととなりました将来交通量でございますけれども、外環のその二も、今都市計画決定されて、現在計画としては残っておりますので、将来道路ネットワークの設定におきましては、この「外環ノ2」も含め、この計画中の道路も含めて設定しておりまして、これも考慮したBバイCということになっております。

○保坂委員 ちょっと確認しますが、上に道路ができるということを前提としてはじいているというふうに伺ってよろしいんですか。

○広瀬政府参考人 そのとおりでございます。

○保坂委員 これは、林大臣、私、そこまで言うと思わなかったんですよ。そうですか。どう思いますか。

 これは、確かに、環状道路を通して高速と高速の接続をよくするという、そこにはいろいろな問題があるんです。地下につくるという問題も、では水系がどうなるのか、あるいは防災上どうなのか、そういう議論はあります。住民の方の意見もあります。しかし、地上部分の道路というのは大体消えたと思っているんですよ、ほとんどの人が。ただ、都市計画決定をするとなかなかこれは解除しませんから。

 今の話だと、上にもできる、下にもできるということでBバイCをはじいていると。そうすると、幾らかかるんですかね、これは。下だけで今まで言われていたのは一兆六千億円ですか、それが少し安くなって一兆二千八百億円になったんですね。しかし、上にもつくるといったら、四十メートルですよ、まあ縮小するにしても。過密市、住宅が過密に建っている地域ですよ。

 これは、林大臣は、経済財政の効率的な、ポイントを押さえた運営を預かっているはずです。こういうものはやはり一体としてどうなのかということを、しっかり両方を見て議論された方がいいと思いますね。いかがですか。

○林(芳)国務大臣 お答え申し上げます。今、保坂委員おっしゃったように、今度の経済危機対策というのは、底割れを防ぐということと、それから未来への投資によりまして経済の成長力を高めるという観点で政策手段を総動員したもの、こういうことでございますので、その成長戦略の中の一環で底力発揮・二十一世紀型インフラ整備の一つということで、外環道を含む三大都市圏の環状道路整備ということで、国土ミッシングリンクの結合と言っておりますが、今ミッシングしているところがつながることによる経済効果というものを考えておるわけでございます。地域間の連携強化や競争力の強化がこれによって図られるということで重要な施策だというふうに考えております。

 一方で、この基本的な考え方としては、各施策は、これは何か英語で三つTでございまして、一つ目がターゲッティッド、重点化されたもの、それから時宜を得たもの、タイムリーですね、それから時限的なもの、テンポラリーということで、ワイズスペンディングをしなければならない、こういうふうに原則やっておりますので、そういう観点で、きちっとおっしゃっておられた視点も踏まえながら見てまいる必要があると思っておりま

○保坂委員 ぜひ委員長には、もし東京都の計画どおり両方やった場合、これは本当に幾らかかるのかということも国土交通省に試算をして提出をしていただきたいと思うんですが、いかがですか。

○渡辺委員長 理事会で協議します。


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