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平成18年度予算案の最終質疑で、小泉総理と相対して議論をする機会が今日、13分間あった。短い時間だが、前から気になっていた格差社会をめぐる総理の言葉を俎上に乗せることにした。「成功者をねたむ風潮、能力のある者の足をひっぱる風潮は厳に慎んでいかないとこの社会の発展はない。できるだけ成功者に対するねたみ、そねみという感情を持たないで、成功者なり才能のある者を伸ばしていこうという面も必要じゃないか」(2月1日参議院予算委員会・福島みずほ議員への総理答弁)これは、小泉総理自身の考え方、感覚であろう。やや、変化球かもしれないが゛次のように聞いた。

総理の成功者という言葉が何を指しているのかが、ひっかかる。「若くして財をなして社会的評価や名声を得る」というのも成功者か。すると、逮捕される前のホリエモンこと堀江氏は成功者か。「彼の人生はまだ長い。大きな目で見れば、チャンスはまだある。一度や二度の失敗があっても、またやり直してほしい」(だいたいこういう趣旨の答弁)だった。

次にこう訊ねた。「総理は政治家の家に生まれ、若くして代議士になり、永田町で「変人」と呼ばれながらも3度、総裁選に挑んでついに総理に就任。やがて、小泉政権は5年となる。総理自身は成功者か」
自民党席からは、笑い声やどよめきが走る。「運がよかった。これまで私を支えてくれた人に感謝をしている」と「成功者」かどうかについて正面からは答えなかったが、聞いていてまさに「成功者」と考えているなと感じた。私自身は、「成功者」という言葉を使ったことがないし、他者をそういう目で評価することもないから、あえて次のように聞いた。

「成功者」がいれば「失敗者」もいる。また「成功していない人、途上のもの」もいるし「どうやら失敗に向かっている人」もいる。まさに「人生いろいろ」だが、国民の多数は自分自身を「成功者」と呼ばない人が多いのではないか。
ヨーイ・ドンで子どもたちが駆けっこをする時に、ある子どもだけがずいぶん前にスタートラインがひいてあり、どうしても後ろから一生懸命走っても先に彼らが着いてしまう。これは機会の平等の話だが、後ろからスタートする子どもたちが、前にいる子に対して「ルール違反だ。不平等だ」というのは、ねたみ・そねみなのか、それとも正当な異議申し立てなのか。

「駆けっこばかりやるわけじゃない。足の早い人、遅い人、いろいろいる。(また、話がズレていく……(しばらく総理は自説を展開した後で)どうしても先に出発した子が早くスタートするなら、そんな競争はやめちゃった方がいい」と答えた。まあ、正面から答えない癖はいつもの通りだが、不当な競争もあるということを認めた。「ねたんだり、そなんだり、することだって人間だからありますよ。それが逆に励みになってやることもあるわけだし、嫉妬は人間からなくならない。私も人に嫉妬した」と長口舌。辞書をひいてみると次のようにある。

ねたむ(広辞苑) 他人の優れた点に引け目を感じたり、人に先を超されたりして、うらやみ憎いと思う。 また、くやしいと思うこと。
そねむ(広辞苑) 自分よりまさっているのを恨み憎む。嫉妬する。

最後はこうしめくくる予定だった。「格差はあっていい」という言葉と、「成功者をねたむ、そねむ風潮は慎め」というのは、一国の総理としていかがなものか。「格差社会いいじゃないか」という声は、苦しい生活をしいられている人々からは出てこない。一握りの「成功者」や「成功しつつある人」からはあっても、格差の不平等に泣く人たちからは出てきません。強い者、持てる側に立つなとは言いません。しかし、いつもその側にばかり立っていると、国民の多くの声が聞こえず、多数を切り捨てることにすらなってしまいます。「自分の力でどうにもならない格差、何とか政治の力で是正してほしい」という声に耳を傾けてはどうですか。

ところが、小泉総理が話をやめないので、少ししか言えなかった。やりとりをしてみて、やはり「強い側・持てる側」に立って「弱い側・断崖絶壁の手前にいる人」たちに届く言葉がない。予算の採決間近かだったせいか13分間の質疑中、小泉氏は上機嫌だった。のちほど、議事録から正確に紹介することとする。今日の記録は、あくまでも大雑把な記憶なのでご容赦ねがいたい。

今、衆議院本会議が終わった。340票対138票で与党多数で予算案は可決された。顔色の悪い永田議員も久しぶりに顔を見せ、懲罰動議から自民・公明にさんざん演題から難詰されていた。私の右後方から亀井静香氏が自民党の予算賛成討論者に「幹事長の責任はどうした。詐欺の片棒担いだ責任はどうなるんだ。7000億円の被害者がいるぞ」と大声でヤジっていた。自民党幹事長が被害者で、予算論議はメール一枚で「全面スリカエ」という不愉快な展開。予算は明日から参議院だが、このまま6月まで、好き放題の登り調子というわけにはいかないだろう。


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