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共謀罪をめぐる大きな山場は、連休前の4月28日、そして「強行採決直前停止」の5月19日、さらに「奇策・民主党案丸飲み」の6月2日といずれも金曜日に訪れた。与党側が「質疑終局・採決」で区切りをつけたいと意気込んでいた4月下旬は、自民・民主の国対(国会対策委員会の略)同士の話し合いで回避、5月19日は採決の日に官邸からの停止指示で「河野議長あっせん」で急停止、そして昨日は「奇策・民主党案の丸飲み」が与党内の本音漏洩発言と外務大臣の閣議後の放言でアウト。いつも、ぎりぎりのところで採決が止まっている。

会期内で共謀罪を採決する条件は、ほぼ消失した言えるだろう。35人の法務委員会の中で民主党7人・社民党1人で計8人が反対したといえ、圧倒的多数の巨大与党である。昨年の特別国会でも成立せず、この通常国会でもぎりぎり止まってしまうのは、共謀罪法案の「出来の悪さ」に起因する。自民党・公明党の弁護士出身議員も、この法案の本質的な問題点は私たち野党側とほぼ共有していたと思う。また、平成の治安維持法と呼ばれる共謀罪が「イメージが悪い」ことも退陣前の小泉総理をためらわせた。

審議をすればするほど、問題点は明確になってきた。私は、共謀罪とは何かという素朴な質問を掘り下げて続けた。共謀罪で言う「共謀」とは複数の人で構成される団体が、犯罪を企画して合意をすることだが、ここで鍵になったのは「共謀共同正犯」(複数人の共謀によって行われた犯罪の処罰を、共謀に加わって実行には加わっていない中心人物にも求めること)で言う「共謀」と同一概念かどうかという昨年10月の私の質問だった。
「両者は同じ概念」と法務省は答弁し、すると「言語を必要としない沈黙の共謀」も最高裁判例となっているが「共謀罪でも沈黙の共謀」はあるのかと問うた。「条件がそれえば成立します」と南野法務大臣(=当時)も答弁。それなら「目配せでも成立か」と追撃すると「目配せでも成立します」と法務省の答弁は確定した。

結果のある犯罪の共謀の有無を問う「共謀共同正犯」と、まるで結果の生まれていない「共謀罪」の成立を「同一」と答弁したことで「共謀罪の範囲の広さ」が明確になった。「法務省の対応が悪い。出だしでもう少しきちんと、わかりやすく説明すれば」と語り、「目配せで逮捕なんてあるハズがない。反対運動が過熱してしまって冷静な議論ができる状況ではなくなった」(『週刊金曜日』6月2日号・自民党平沢勝栄議員のコメント)という指摘もある。ただ、政府提出の法案の条文を素直に読んでいけば「目配せ」ならぬ「まばたき」でも成立してしまうのだ。(目配せは意識的なサイン、まばたきは無意識の生理現象。沈黙の共謀は言語・サインを必要としない)

共謀の成立条件さえ、きちんと説明が出来ないままに法案審議に突入したことが共謀罪が嫌われる根本原因である。これを強行採決するのなら、「議論で説明できないから多数の力で封殺する」という行為になる。与党内にもブレーキ作用が働き、さすがに大衆心理に敏感な小泉官邸は、泥をかぶるのを嫌った。

刑事罰がひとつ出来るだけでもきちんとした議論が必要だが、共謀罪は619種類の対象犯罪に出来る「もうひとつの刑法体系」である。30時間台の審議時間で「議論は尽きた」と言う方がどうかしている。国会が言論の府であり、しっかりした議論を多くの人たちが望んでいることをネットや世論の盛り上がりは、証明したのではないだろうか。

昨日から多くの人たちから激励をいただいた。この場を借りて、深く御礼を述べたい。励ましの声は明日へのエネルギーを生み出して循環する。それでは、また明日。

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