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4月11日の衆議院法務委員会で行った「日本体育大学水泳部・宮嶋武広さん事故死問題」の仮速記録が出来上がった。私の事務所の責任で作成したもので、後に公表される正式な議事録ではない。質問の反響も大きく、4月18日(金)の法務委員会で始まる「保険法」の質疑の中で、継続して問い質していきたい。ひとりの若い水泳選手が亡くなり、その生命と才能はなにものにも替えがたいが、せめて同じことが繰り返されないようにと願って、議論を深めていきたい。


○下村委員長 次に、保坂展人君。

○保坂 社民党の保坂展人です。
 きょうは、命にかかわる問題を考えてみたいと思います。
 今から二年前のことなんですが、三月二十五日、ちょうど丸二年が経過をしていますが、中国・昆明というところで水泳の高地トレーニングのちょうどさなかだった日本体育大学の二年生の宮嶋武広さんが、残念ながらその練習中に亡くなってしまったという事故が起きました。彼は、二〇〇五年の日本選手権の千五百メートル自由形で二位、あるいは高校総体、インターハイの千五百メートルで優勝ということで、トップクラスの大型新人だ、北京オリンピックの期待の星というふうに言われていたそうでありまして、若くして、二十にして亡くなってしまった。その才能と命を惜しみて余りあるというふうに思います。
 
その悲しみは我が子を失った御両親にとって本当に大変なものがあったと思いますが、もう一つ、我が子を失った悲しみ以外に、大学との対応ということで大変不信感が募って、そして、一体どういうことだったのか、どうして我が子が亡くなってしまったのかということについて不信が募って、疑問が膨らんでいるというふうに聞きました。私、実は、昨日この御両親にお会いをして、一時間ほど事情をお話しいただきました。

 そこで、きょうは文部科学省高等教育局の方から来ていただいていますけれども、まず、これは今、大学側とその御両親の側と言い分が正反対になっているんですね。大学側は、何としても解剖をしてくれというふうに切願したと言い、そして御両親の方は、そんな、再三にわたって解剖というふうに言われたことはないというふうにおっしゃっているわけなんですけれども、かかってきた電話で、お父さんがおっしゃるところによると、十二時間以内に解剖をしないと難しいんだ、こういうふうに言っていたと。そしてまた、現地に飛行機で行かれたそうですけれども、雲南省、かなり距離もあるところです、病院の裏手で、地面の上で板の上に乗せられてカーゼがかかっている我が子を見て非常に胸詰まる思いだったというところで、お父さん、解剖どうしますか、しないでください、こういうやりとりは確かにあったそうです。

 しかし、結果として、彼はなぜ亡くなってしまったんだろうか。病弱で、持病があったなんていうことはないわけです、水泳の選手ですから。そういう意味で、大学のいわば練習、高地練習ですから、息をとめて潜水を何往復か繰り返すという訓練の中で亡くなったそうです。引き揚げた段階ではまだ心臓はかすかに動いていたし脈もあった、こういった証言も出てきています。

 文部科学省は、なぜこの宮嶋武広さんが亡くなったと認識をしているんでしょうか。これは病死なのかあるいは事故死なのか、どちらなのか、簡潔にお願いします。

○久保文部科学省審議官:先生御指摘の今の件につきましては、まさに現在司法の場で係争中でございますので、その病死か事故死かというのは一つのポイントになってございます。

 私どもといたしましてはその事実について確認するという立場にはないわけでございますけれども、日本体育大学に当時の事情を聞いたところでは、死亡されたときに、現地にいたコーチが御両親に電話いたしまして、原因究明のための解剖が望ましい、死亡の究明が可能なのは四十八時間以内であるとの中国の医師の見解を伝えられまして解剖の意思を確認いたしましたが、御両親は、先生がおっしゃられたように、気が動転されておられて明確な回答をいただけなかったと聞いております。

 また、現地に御両親が到着された際にも監督が御両親に同様のことを説明されましたが、解剖はしないで一刻も早く搬送、帰国したいと言われたと聞いているところでございます。

○保坂:続けて聞きますけれども、もし心臓に疾患などがあって、その発作が水中で出たという場合、これは病死ということになるんでしょうか。そうではなくて、高地における潜水トレーニングということで、酸素が薄い上に、酸欠状態になることは考えられます。つまり、病死であった場合と事故死であった場合、大学の管理監督責任の扱いは違ってきますか、そこの点だけお願いします。

○久保文科省審議官:お答え申し上げます。対応につきまして、今、病死か事故死かによって対応が違ってくるかどうかということでございますけれども、例えば保険という意味におきましては、それが出るか出ないかという違いは出てくると思います。

 ただ、対応につきましては、保護者に対して懇切丁寧に御説明するというような道義的な責任は同じだと思いますが、法的な責任という意味では、いろいろな形態がありますが、一概には、決定的に違うかどうかというのは、今のお話だけでは文科省としても申し上げられないという状況でございます。

○保坂:鳩山大臣にも後で感想を聞きます。
 私は、やはり事故死だった場合は、それ相応の管理監督責任ということを問われるんだろうと思います。一方で、病死だった場合は、そのタイミングで病気が発症した。これは中国側のカルテでは突然死となっているそうですね。突然死、突然亡くなった。死因はというと、わからないわけですね。
 
 お聞きしますけれども、御両親とお話をしていて、大学の方が息子さんをお迎えに行く費用、遺体を日本に運んでくる費用そして葬儀費用などを出したというふうに思っていらっしゃったようなんですね。ところが、しばらくたって、保護者会の積立金の方から一千万が払われている。

 保護者会のこういう予算が書いてあるんですけれども、弔慰金の予算は五十万円ですね。一千万というお金は保護者会から出された。一体何に使われたのか、明細はわかりますか。

○久保文科省審議官:この一千万につきまして日本体育大学に聞きましたところ、内訳といたしましては、学友会に手配いたしました御両親等の渡航費用が百七十七万七千円、葬儀費用が五百九十三万円、追悼文集の費用が七十万円、また、御両親に支払った四十九日のお見舞金が百万円と聞いているところでございます。なお、学生が法要に参加する際の交通費等として十二万六千円の経費がかかった、合計九百五十三万三千円の費用がかかったと聞いているところでございます。
 
 なお、保護者会等から学友会に支払われました一千万円の差額の四十六万七千円につきましては、学友会から保護者会に返されたと聞いております。以上でございます。

○保坂:大学の法人の方は負担をしないで、学友会というのは、クラブ、運動部をまとめている組織だそうです。そちらから水泳部葬ということで五百九十三万ですか、大変な高額な費用がかかったと思いますが、さらに不思議なことがございます。

 こちらなんですけれども、学生教育研究災害傷害保険。これは一ページめくると、高等教育局学生支援課長村田さんのごあいさつが出てきます。文科省の所管の日本国際教育支援協会というところもかんでいるわけですね。審議官、いいでしょうか。
 
 それで、私、非常に不思議なことをきのう聞いたんですよ。つまり、事故であるとクラブ活動中の補償もあるんです、この保険には。しかし、病死だと支払いはゼロである。ところが、これを大学側がかけ合って、保険会社に特別の計らいでお見舞金として三百万を出していただいた、そして保険金という名目で振り込んでいる。そういうことはあり得るんでしょうか。つまり、形は病死、だけれども、本来これは事故で保険が出ていれば一千万ですよ。どうも釈然としない。そして、振り込みましたよという連絡も大学はしてこなかったという話なんですが、いかがですか。
 
 この文科省所管法人のもとで、全国の学生にいろいろなことがあっちゃいかぬということで、団体保険で運営されているでしょう。特別の計らいとか、お気持ちでというお見舞金も出る保険なんですか。

○久保文科省審議官:日本体育大学から聞いたところでございますけれども、大学が学生全員を対象として加入しておりました先生御指摘の学生教育研究災害傷害保険に対しまして大学から保険金の支払い申請をいたしましたが、死亡事由が突然の病死のためだということで、この保険適用はできないということでございました。しかし、大学側の折衝の結果として、御両親に対し、保険金としてではありませんけれども、三百万円の支払いがあったというようなことでございます。
 
 この保険金を支払いましたのは民間の保険会社でございまして、具体的には保護者、御遺族と保険会社との関係の話でございまして、具体的にどのような判断がなされたのかにつきましては、文部科学省としては確認する立場にないということは御理解いただけるかと思います。

○保坂:次に保険法の審議もやるんですね。いや、御遺族は保険会社に交渉していませんよ、大学がやったんですね。保険が掛けられているので、水泳の特訓で亡くなったのなら一千万ですよ、ここにあるように。ところが、病死扱い。しかし、それじゃ悪いのでといって、水面下でネゴシエーションして三百万。
 
 鳩山大臣に伺いますが、オリンピック、もし彼が元気だったら北京で活躍した可能性もあるんですよ。長いこと文部大臣も鳩山さんはやられていますから、スポーツの世界というのは、非常にルールにのっとって、またメダルをねらうということになれば、日体大というのは大変多くのメダルをとってきている大学ですし、スポーツの名門ですよね。非常に華やかで、そしてスポットライトが当たる世界ではありますが、一たび暗転すると、ルールがあってなきがごときになっていると私は感じるんですね。

 保護者会からの一千万というのもちょっとわからない、そして今の保険の話も聞かれて、すっきりと了解はされないと思うんですね。どういうふうに聞かれましたか。

○鳩山国務大臣:今先生と文科省のやりとりを聞いておりまして、すっと胸に落ちていかない、何かあいまいなものが残るような気がいたします。

 すなわち、大変有望な、メダル候補とも言われる選手が高地トレーニング、高地トレーニングというのは当然ある程度の危険性を伴う。それは全日本で二位になるような方でも、もし例えばちょっと心臓に若干なりとも欠陥があれば、複合で亡くなってしまうということもあるかもしれない。
 
 病死なのか事故死なのか、非常に難しい問題だと思いますが、私は、もちろん国がスポーツ、オリンピック強化等は丸抱えで全部やるという方法もあるでしょうが、この場合、日体大がすべての責任を持ってやっていたとするならば、やはり高地トレーニングの持つ危険性のようなものは十分選手や御家族には説明をしておくべきだったと思いますね。何かちょっと、大学が逃げているような印象をちらっと頭に浮かべてしまいます。

○保坂:刑事局長に伺いたいんですが、これは国外で起こったことでありますから、日本の法令の適用というのはないのかもしれないですね。ただ、報道等でもこれは繰り返し注目をされておりまして、事故が起きました、彼は亡くなってしまったというときに、コーチさんが日本に電話をした。電話をして、監督とのやりとりの中で、その監督がさらに上の責任者の話として、こちらからは、つまり大学側からは解剖を持ちかけないようにという指示を受けたと証言をされているんですね。この証言が本当だとしたら、これは本当にいただけないな。我が子をすぐに解剖してくれと言う親はなかなかいません。日本に帰ってきてからだって十分その死因を探ることはできたのではないかと思いますし、この点、見解はいかがですか。

○大野政府参考人:そうした電話のやりとりが例えば道義的にどうかというような点については、私の方から申し上げることはできません。

 刑法上の関係等につきましても、これもまたちょっと、余りにも事実関係がはっきりいたしませんので、この段階で、仮にそれが事実であった場合にどういうことになるかという点についても、ちょっとお答えは差し控えさせていただきたいというように思います。

○保坂:では、大臣に、いかがでしょうか、今局長は、これは仮定の話だからと。私は、今細川先生が熱心に進めておられる死因究明のお話もありますけれども、遺族の心痛を本当に推しはかりながら、丹念に真相究明した方がいいですよということを貫くのが教育関係者の責務であり、もし反対のことがあったらそれはやはりいけないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○鳩山国務大臣:細川律夫先生が大変熱心にやっておられる死因究明の問題、これはちょっとこの問題と外れますけれども、私は先生の基本的なお考え方は正しいと思うわけで、行政解剖と司法解剖と行ったり来たりというような形でいいんだろうか。やはりそれはもっと専門的な機関がどんとあって、検視をきちんとできる人間あるいは解剖できる人間が余りに少ない、法医学というものの普及が日本では全くだめだということから考えていかなくちゃいけないと思う問題なんですけれども、今のこの保坂先生のケースの場合は、外国の高地で起こったということもあり、これは少なくとも犯罪による死ではないわけでしょうから、司法解剖か行政解剖かといえばそれは行政解剖の世界になるんでしょうが、どこまで究明できるのか、私、医学的な知識もないからよくわかりません。
 
 ただ、私、かつて文部大臣をやらせていただいた者として考える場合に、私立学校、私立大学、学校法人とその学生と生徒の関係というのは、特殊な、格別の関係にあると思うんですよ。会社の社員というのとまた違うと思うんですね。それは、学納金を払う、私立大学が教えるというか、人格の完成を含めて、スポーツも含めて、学問も含めて、立派な社会人になるように、立派な国民になるように育て上げていく義務を負う。これが契約関係であるのかどうか、それは一種の契約関係なんだと思いますが、私は、私立大学とか学校法人というものとその傘下の生徒、学生というものは格別の関係にある、格別の関係ということは、大学は全面的に責任を負うべきものだと思います。

○保坂:スポーツの世界だからこそ、本当は起きてはならないことがあっても、しっかりルールを守ってやってほしいと思います。法務大臣の趣旨もそうだったと思います。

 今ずっとやりとりさせていただきましたけれども、本当に、オリンピックを前に二年前に亡くなった宮嶋さんに心から哀悼の念を述べたいと思いますし、またこういうことが二度と起こらないように、スポーツのトップエリートを輩出する大学であればこそ、しっかりと原因解明をしてほしい、でき得ればその両親と訴訟で向き合うのではなくて、しっかりと話し合って信頼を回復してほしいということを申し上げます。


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