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今日は午前に府中刑務所・午後に東京拘置所の視察を衆議院法務委員会の一員として行った。とりわけ、東京拘置所では03年から4年ぶりに死刑執行の刑場を視察した。死刑に関する情報はきわめて閉鎖的で、かつて司法修習生に見せていた刑場も、この30年あまり国会議員の求めがあっても視察拒否が続いてきた。先週の22日には参議院法務委員会が視察し、今日は衆議院法務委員会で視察するという展開になり、これまで秘密のベールに包まれていた死刑執行の状況は次第に明らかになってきた。

私も刑場の視察は2度目だったが、前回は判らなかったことがいくつか判明した。前回は東京拘置所に新しく出来た刑場で、まだ死刑執行がなされていなかった。刑場の入口には、観音開きの扉があり、小さな観音像を描いた仏画がかかっていた。(前回は、木彫りの古い観音像が置かれていた。どうしたのか? と質問すると、「現在、修理中だ」という答えが返ってきた。この部屋は刑場の控えの間とでも言うべき部屋で12畳ぐらいの広さだ。そして、拘置所長が「死刑執行」を言い渡す。そして、執行に移るまでの時間は「数分間」と説明を受けた。すると、遺書を書いたり、最後の心境を綴ったりする時間はない。

さらに、刑事訴訟法477条で検察官・検察事務官・拘置所長は「立会いの上、執行しなかければならない」とあり、前回の視察の時には上層部で目隠しをされた死刑囚が下層部に落下していく一部始終を、上下層部を両方見渡せるバルコニー状の場所で見届けているものと理解して帰ってきた。今日、判明したのは、検察官・検察事務官・拘置所長らが立つバルコニー状の部分からは上層階も下層階も青色のカーテンで遮蔽されていて何も見えないという状態で処刑しているということだった。執行が終わり、下層階に死刑囚が落ちて「ほどなくカーテンを開けて執行されたことを確認する」(拘置所長)ということだった。

 第477条 死刑は、検察官、検察事務官及び刑事施設の長又はその代理者の立会いの上、これを執行しなければならない。

つまり「執行後」は確認するものの、執行過程は見ていないということになる。死刑囚が下層階にいるのは約20分で、死亡が確認されると刑場の下層階にある遺体搬出用のエレベーターで外に出る。すべてが終わってから死刑囚の遺族に連絡を取ることになり、遺族の希望によって「遺体」のまま受け渡しをするか、荼毘に付して「遺骨」の状態にして渡すという説明もあった。

先週、参議院議員が11名、そして今日は衆議院議員が13名で刑場を視察した。短い間に国会議員が24人も刑場を見たことになる。人それぞれの受け止め方だろうが、「死刑制度と執行に関する情報公開」を10年ごしで求めてきた私としては、死刑存置派・廃止派、あるいは中間派、結論を見いだせない人も含めて、いったい何がどのように行われているか「事実」をベースに議論することが出来るようになったのは、一歩前進である。他にも気づいたことはあるが、今日はこの程度にしたい。

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