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改正入管法が施行された。早朝の便から日本に入国する外国人の長蛇の列が出来た。日本版US-VISITの運用については、外国人が「2本の指」の指紋採取(電子データ化)を拒否した場合は、入国不可として帰国を促すことになっている。自発的に帰国していく外国人だけではないだろう。日本に家族や住居がある外国人の永住者も対象となるので、そもそも「帰国先」がないにもかかわらず「他国に送還」というケースも出てくる。自分は入国したいが、指紋採取は拒否するという場合にはどうなるのか。入国審査官が「退去命令」を出して、退去強制手続きに入るという。指紋を拒否し、出国をも拒否する外国人は入管施設に収容される。その際、なんと「10本の指」の採取を強制的に行うというのだ。こんなことは、入管法の審議にあたって一度も国会で説明されていない。この手続きが、施行2週間前に法務省入管局警備課長通達で決められたことが数日前にわかり、今日、緊急に質問主意書を提出した。ここに掲載することにする。

改正入管法と外国人の「指紋情報強制採取」に関する質問主意書

 11月20日から施行された改正入管法の施行によって、日本を訪問する16歳以上の外国人の入国審査時に「顔写真撮影・指紋採取」が行われることになった。入国時に「生体情報」(バイオメトリクス)の提供を義務付けている国は、米国以外にないと聞いている。昨年の衆議院法務委員会における法案審議にあたって、米国の「US-VISIT」を運営するアクセンチュア社が日本版「US-VISIT」の装置開発・ソフト開発・実証実験などを「10万円」で受注しており、「低価格入札調査の概要」(法務省大臣官房会計課)として、あまりにも低価格の入札の経緯は公表された。年間、800万人の外国人訪問者を受け入れる日本で、実施された今、いくつか懸念される問題点を緊急に質問する。国会法の規定通りの期日内に答弁されたい。

1、平成19年11月7日、法務省入国管理局警備課長名で地方入国管理局長・地方入国管理局支局長宛ての『個人識別情報を活用した上陸審査導入にともなう警備関係業務について』(通知)が行われた。
「個人識別情報を提供しない者については、慎重な、かつ毅然とした対応が求められます」と呼びかけているが、具体的な措置についての記述で懸念を感じる。まず、法の施行のわずか2週間前となって、通達ではなく課長通知で重大な人権侵害のおそれもある内容を伝達した事情と意図を伺いたい。

2、入国審査時に指紋情報提供を拒否した特別永住者を除く外国人で
この提供を拒んだ者に対して、通知はどのような手続きを示しているか。

3、入国審査官から退去命令を受けて、退去強制手続の対象となる外国人について、収容時に「両手10本」の指紋を強制採取すると通知に書かれているが、「改正入管法」の衆参両院の国会審議において法務省の答弁の中に、こうした措置を明言した答弁はあったか。

4、思想・信条や宗教上の理由から指紋採取を拒否する外国人が、結果として強制出国させられるのに、指紋採取を強要されることになる。また、
退去強制手続が開始されてから「拒否」を改めて指紋採取に応じても入国出来ないというのは、国際人道上問題ではないか。

5、日本に住居や家族を持つ外国人永住者は、及び日本人の配偶者などが思想・信条や宗教上の理由から指紋採取を拒否した際に、戻るべき国がないのに退去強制の対象になる。こうした場合、どの国に退去させるのか。法務大臣による特別在留許可を発出する等の柔軟な対応を検討出来ないのか。

6、強制的に指紋を採取する際に、首席入国警備官の指揮の下で複数の入国警備官の手で執行するとしているが、対象となる外国人が抵抗する場合は困難を極めるものと予想される。強制採取の場合にも、電子的な読み取り装置で10本の指の指紋を採取し、データベースに送り込むのか。また、
  犯罪捜査や米国等同様のシステムを持つ国々とのデータ提供・照合なども予定しているのか。

7、「強制指紋採取」をビデオ撮影する理由は何か。また、外国人が指などを骨折する等の怪我をした場合に、本人ならびに代理人から請求があった場合にこの映像は提供されるのか。

8、警備課長通知271号が明らかにした指紋採取拒否者の「強制指紋採取」の法的根拠となる改正入管法の条文を示されたい。


右、質問する。


(追記「資料」)

『個人識別情報を活用した上陸審査導入にともなう警備関係業務について』(通知271号) 地方入管局長殿 地方入国管理支局長 法務省入管局警備課長

(前略)

3 個人識別情報提供拒否者に対する措置

(1) 地方入国管理官署の警備部門は、上陸審査において指紋情報等の提供を拒否して退去命令を受けたが、これに従わない者について、入管法第 24条第5号の2該当容疑者として審査部門から通報を受けた場合には、速やかに退去強制手続を執るものとする。

(2) 当該容疑者が退去強制手続における指紋採取及び写真撮影 (以下「指紋採取等」という。)に応じない場合について、当該容疑者については、上陸審査及び違反調査における指紋採取等については任意であるのに対し、収容後に行う指紋採取等については入管法第61条の7第4項に規定する身体検査の一環であり、被収容者処遇規則第12条に基づくものであるので、応じない場合には、必要な強制力を行使することができることなど手続の根拠及び趣旨を十分に説明し、指紋採取等に応じるよう説得し、全ての事案について確実に指紋採取等を行うこととする。
 なお、指紋採取等は新たに収容される者を入国者収容所又は収容場に収容するときに速やかに行うものであり、個人識別情報提供拒否者であっても他の一般の事案と同様の場所・タイミングで指紋採取等を行うこととし、その際に応じない者に対しては十分な時間を掛けて説明・説得し、それでも応じない場合には主席入国警備官の指揮の下担当する入国警備官の体制を整えて必要な強制力を行使して指紋採取等するが、被収容者がなお頑強に指紋採取等を拒否し不測の事態が懸念されるときは、速やかに本省警備課に報告するものとする。また、必要なビデオ撮影は時機を失せず行うこととする。

本信写し送付先

 各入国者収容所入国管理センター所長

(追記資料終了)






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