TOP PAGE BLOG ENGLISH CONTACT




今日は労働組合の大会(全労協第18回大会)の来賓挨拶のために、箱根のホテルに向かった。箱根湯本の駅を降りると、ここ2~30年は変わらないみやげ店がならぶ風景が続く。夏休み最後の日曜日のせいか駅は家族連れでごった返していた。電車の往復で「教育基本法と愛国心」をめぐる本を読みながら考えた。

個人情報保護法についての過剰同調と書いた通り、日本の社会は「上意下達型」の通達社会であり、その意義がどうあろうといったん法律になってしまえば、これを無条件に順守することを自他ともに強いる同調圧力の高い社会である。政府が提案する教育基本法改正案は、「愛国心」を教育の目標と位置づけていているが、これが教育行政によって細かく指示され、また学校現場に作用するようになると何が起こるのか。

「我が国と郷土を愛する態度を涵養する」という大目標のもとに、各学校が愛国心教育を競うような事態が必ずやってくる。あるクラスは愛国心をテーマにしたお芝居をつくり、あるクラスでは合唱で表現する。あるクラスは、「国に生命を捧げる美しい生き方」をテーマに討論をする。

私が憂えるのは、学校は毎年、毎年、学習内容を繰り返す場であるという点だ。東京都における日の丸・君が代の強制過程をみても、年を重ねるごとにこの種の統制はエスカレートしていく道をたどる。つまり、今年の愛国心教育は昨年の愛国心教育を進化・発展させなければならず、さらに来年はより高度な愛国心教育をめざす以外になくなる。

すると、激烈な愛国心教育を喚起することにつながり、東京裁判を否定し、かつての戦争は避けることの出来ない聖戦であったという大東亜戦争肯定論の歴史教育がまかり通り、「靖国神社・護国神社への集団児童参拝」「自衛隊体験入隊」と、突出した学校が出てくることが十分考えられる。

かつての戦争は、敗戦直前まで「やがて神風が吹いて神国日本が勝つ」と信じていた大人が大多数だった。「教育勅語と軍国主義教育」の成果である。「この戦争に勝目はない」と冷静で客観的な認識を示すことすら「非国民」と糾弾される社会だった。戦後の自民党政権は「軽武装・経済成長」を掲げてひた走った。日本国憲法の平和主義と国民主権も社会に根を降ろしたようでいて浅かった。だから小泉ブームが起きて、安倍人気が上滑りする。

子どもたちの内面は教育という場でいかようにも変わる。「いつ行っても批判されますから今日が適切だと判断した」と語る総理に、中国・韓国の要求をはねつけてエライと拍手する「大人」が少なからずいる。かれらの多くは教育基本法のもとで育った戦後世代である。十分すぎるほどの「愛国心」ではないか。そこに、プログラム化された愛国心教育を受けた子どもが若者となって加わる。

これまでの日本社会になかったような「愛国の勢い」はやがて権力者も止められなくなる。燃焼を求めて歓喜と興奮の中で「戦争」の時代がやってくる。

そんなことを考えながら、曇天の箱根から帰ってきた。

追記 なお、千葉県市川市・浦安市の市民運動が中心となって、下記の内容で学習会/集会が開かれることになった。ご都合のつく方はぜひ参加いただきたい。

【集会名】通してはならない!「教基法」改正案
【日時】2006年9月2日(土) 13:30~16:30
【会場】市川教育会館 3Fホール
【話し】保坂展人(衆議院議員)
テーマ:秋の政局と「教育基本法」
【参加費】500円
【主催】変えてもいいの!「教基法」市川・浦安実行委員会



この記事をはてなブックマークに追加
コメント ( 0 ) | Trackback ( 5 )



« 街頭であれこ... パスポート電... »
 
この記事のトラックバック Ping-URL
 


ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません
 
・送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。
 
 
ネットまで政府の統制下に落ちようとしている~ネット情報のデマ率発見システム (情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士)
朝日新聞(←クリック)によると,【真偽が見極め難いさまざまな情報が乱れ飛ぶインターネット。その中で、ウソや間違いらしい情報を自動的に洗い出し、ネットの利便性を高めるシステムの開発に総務省が乗り出す。ネット上にある関連深い別の情報を探し出し、比較 ...
 
 
 
二度とこんな訓練を若者にさせないために (とくらBlog)
 昨日は、島の夏休み2006 Garakuta & Talk & Live に参加しました。大津島にできた小屋場 只只のオーナーの企画で、昨年に引き続き2回目。小屋場 只只のことは、これまでも何度も書きましたが、最近は、雑誌やテレビで紹介されることが多くなり、かなり人気な ...
 
 
 
言うのも野暮だが、言論弾圧 (季節)
これは共謀罪でのブログの盛り上がりを分析しての、参院選を意識した「検閲」言論弾圧の予行演習と言えるだろう。 この点で、美爾依さんしぶとくしなやかに、原則は貫いての行き方は大事な事だ。
 
 
 
加藤紘一氏宅へのテロ実行犯、二週間してやっと逮捕 (月よお前が悪いから)
身柄は事件後すぐに確保しているのに、なんで二週間もかかってるんだか…と思うと非常に物騒な事が絡んでいる気がしてきますが… http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060829i409.htm 加藤元幹事長の実家に放火、右翼団体構成員の男を逮捕 特集靖国問題 山 ...
 
 
 
「交尾」ではなく,人工授精による「着床前診断」か? [再掲載] (Die Weblogtagesschau laut dem Kaetzchen)
女性・女系天皇 「容認」2年前に方針 政府極秘文書で判明 (産経新聞) - goo ニュースについて。(初出:2006-02-18 17:45:22)  将来,明仁氏が死んで,徳仁くんが天皇を継承しようとする際,もしかすると彼の本音の「爆弾発言」が出るかも知れない。「私は日 ...