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先日、14日の予算委員会質問に対して、いろいろな感想を耳にする。評価してくれる声ももちろんあるが、気になるのは次のような意見だ。

「契約書を交わしていなかったかどうか、そんなことどうでもいい問題じゃないか。国会議員なんだから、もっと予算委員会らしく大きなことを取り上げて議論するべきじゃないの」「この前の質問は、いつものようにマニアックすぎる。聞いている人がパッと分からないと意味がない。結局、細かい手続きが出来てなかったって話でしょ。単なるミスじゃないのかなあ」

平成19年度予算案には、裁判所扱いの「裁判員制度広報費」として13億9100万円が盛り込まれている。新聞一面ぶち抜きのカラー広告や雑誌広告、地下鉄やJRの交通広告などや、今回問題となった「裁判員制度全国フォーラム」(裁判所版タウンミーティング)に湯水のような予算を注いで、確かに「認知率」は増したかもしれない。裁判所が持ち慣れない大金をはたいて、これまで接点のなかった広告産業と仕事をする。

先日の国会でのやりとりで「3億円4千万円」を超えるタウンミーティング事業が進行しているというのに、「契約書」は締結していないという状態があったことが明らかになった。公正取引委員会の調査(広告業界の取引実態に関する調査報告書)によれば、広告業界では契約書を文書で締結しない慣習が根強いようだが、まさか最高裁がこの慣習に引っ張られたのかと思うと、やりきれない思いを持つ。

2年後から始まる裁判員制度では、放火・殺人などの重大事件について、選挙人名簿の中から「くじ」で選ばれる。「手続き」は当然厳格でなければならないし、ミスによって「冤罪」をつくり出すことは許されない。たんに、時間的に国民を拘束する以上に、精神的に生涯経験したことのないような負荷をかけるのが裁判員制度である。その億単位の広報費が「契約書を作成しない未契約・無契約」状態で進行して、事業途中か終了後に事後的に虚偽の日付の「さかのぼり契約書」が作成されて、国費が支払われる。もっとも厳格で、四角四面だと誰もが思っている最高裁でこんな逸脱がなぜ起きてしまったのか。

私は、裁判所を理想化したり、崇めたたえる人間ではないが、少なくとも国の機関の中で、もっとも「手続き」にうるさく「規則」に忠実で瑕疵がないところだと思ってきた。しかも、最高裁判所である。「官から民へ」の掛け声のもとに進んだ小泉構造改革は「裁判迅速化」というゴールをめざして、司法制度改革を目玉とした。しかし、「迅速化」は「荒っぽさ」につながる。私が、裁判所予算執行のあり方を問うのは、裁判員制度の導入まであと2年となって重要な時期を迎えていると思うからだ。

小泉政権の5年5カ月で、この国は「タガ」が外れた状態となってしまった。驚異的な人気と高支持率が、TVを中心としたメディアをハイテンションにさせて劇場効果によって保持されていたのは、すでに多くの人々が指摘する通りである。昨年のタウンミーティング研究の開始以来、私は「政府広報」を始めとした「官の広告費」の行方を精査する必要を感じている。



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知らない情報って・・・まだまだあるんですね~!!! (わんばらんす)
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