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3月3日の民主党の小沢代表秘書逮捕以来、新聞紙上は「関係者によると」というう出所不明の「捜査情報」で埋めつくされている感がある。昨日は、「小沢氏の元秘書だった現職衆議院議員が事情聴取へ」という報道が走り、与野党ともに落ち着かない空気が漂っている。一昨日、「なぜ、日本ではネット献金が出来ないのか」という記事を書くと、各方面から反響を頂いた。引き続き、ネット献金について、わかったことや、可能性について書いてみたい。今年の2月21日の予算委員会で、民主党の高山さとし議員が、この問題を正面から議論しているので紹介しておきたい。高山さとし議員は、法務委員会で「共謀罪」をともに阻止した民主党の若手議員のひとりで、すっきりと筋を通して追及していくタイプ。年越し派遣村でも、ともに行動した人だ。彼は、インターネットを使用した選挙運動がなぜ出来ないのか、政見放送にはいくらお金をかけているのか、「YouTube」で政見放送をアップするのは問題があるのか。そして、ネット献金は適法なのかどうかと続けて聞いているので、まずはお読み頂きたい。

[衆議院予算委員会第7分科会 2009年2月20日]

○高山分科員 今、インターネットというのが随分利用されていますし、各先生方もホームページを持って、我々なんかもふだんメールマガジンを発行したり、インターネットまたはEメールだとか、新しいコミュニケーション技術をふだんの政治活動にも使わせていただいているんですけれども、選挙活動のときも、ぜひインターネットを用いていろいろな方に広報をしていきたいな。

 今、限られた枚数のポスターしか張れないし、何かチラシも、証紙というんですか、切手みたいなものをどんどん張っていかなきゃいけないし、どうなっているのかなと思うんです。

 まず、現在、インターネットを利用した選挙活動についてどういう規制があるのか、教えてください。

○門山政府参考人 お答え申し上げます。

 インターネットを用いました選挙運動につきましてのお尋ねでございますが、現在の規制といたしましては、公職選挙法の百四十二条第一項という規定がございまして、選挙運動のために使用します文書図画、これにつきましては、この条文に規定してあります通常はがき、またはビラのほかは頒布することができない、こういう規定になっております。

 コンピューターのディスプレーに表示されます文字などの意識の表示、これにつきましても文書図画に当たるというものでございますので、この規定によりまして、選挙運動のために頒布することができる文書図画にコンピューターのディスプレーは当たらないということで、インターネットによる選挙運動はできないというのが現状でございます。

○高山分科員 公職選挙法の百四十二条でしたか、この規制をしている趣旨、文書図画の数を制限したり種類を制限したり、なぜですか。

○門山政府参考人 お答え申し上げます。

 文書図画の使用を公職選挙法で規制している理由でございますが、選挙運動といいますのは、候補者の政策ですとか人物などを含めまして、有権者がだれを選択するかの判断材料を提供するという趣旨があるわけでございますけれども、それを無制限に認めた場合には、財力ですとかあるいは権力といったようなもので選挙がゆがめられるおそれがあるということが言われているところでございます。

 このため、選挙の公平公正を確保するためには、選挙運動というものについては一定のルールを設けることが必要だということでございまして、特に、選挙運動のために使用します文書図画、これを無制限に頒布できるということになりますときは、不当の競争あるいは選挙の自由公正を害する、あるいはまたお金のかかる選挙になってしまう、こういったようなことから、現在の公職選挙法におきましては、一定のものは認めるけれどもそれ以外のものはだめだ、こういうふうになっているというふうに承知いたしております。

○高山分科員 今、選挙はお金や権力によってゆがめられてはいけないというような話がありましたけれども、もちろんそのとおりだと思います。

 だけれども、インターネットでメールを送ったり、あるいはホームページをどんどん更新したりするというのは、むしろ一番お金がかからないなというふうに私なんかは思うんですね。電話代だとかそういうのに比べてもはるかに安いですし。ですから、そうしたら、インターネットによる選挙を制限する理由というのは、少なくとも今のお金とか権力ということからいえば当たらないなというふうに感じましたけれども。

 念のため、テレビの政見放送というのがありますね、あれはどのぐらいお金がかかっているんでしょうか、教えてください。埼玉か東京の例でということで、たしか以前聞いていると思います。

○門山政府参考人 平成十七年執行の衆議院選挙のケースについて御説明申し上げます。

 政見放送の経費といたしまして、政見放送と経歴放送合わせてでございますが、総額十四億三千四百万円でございます。このうち、NHK、日本放送協会に対します経費が二億一千万、民間放送事業者の場合二億九千百万、それぞれ支払われているところでございます。これに加えまして、差額の九億余りございますが、これは、衆議院小選挙区選挙の場合には、政党によります持ち込みビデオというものがつくられまして、その分の公費分がございますので、制作会社に支払われたものがございます。

 以上でございます。

○高山分科員 そのぐらいのお金をかけた政見放送なんですけれども、これも時間とか回数がいろいろ制限をされているわけなんですね。

 今、御案内だと思いますけれども、動画を自分で自由に上げられる「YouTube」とかそういうものがありますけれども、これを政見放送に使うということは、今のところ、公職選挙法百四十二条の規制に当たるんでしょうか。

 自分でいろいろな意見を言ってそれを上げていくことが当たるのかということと、事実上、今、二〇〇五年の選挙もそうでしたけれども、いろいろな政見放送を勝手にどんどん「YouTube」に上げている人がいるんですよ。それでおもしろい政見放送なんかが見られていたりして、そういうことに関して削除要求とか出されているんでしょうか。そうしないと規制が無意味になりますので、どういう状況に今なっているのかを教えてください。

○門山政府参考人 まず、放送の選挙運動への利用につきましては、政見放送、経歴放送以外はできないということになっております。

 お尋ねの「YouTube」でございますが、「YouTube」が放送に当たるかという問題が一つございまして、放送といいますのは、一般的には、利用者からのリクエストを受けることがなく、一斉に同時に送信する行為というふうに解されておりますところから、「YouTube」のように、個々の利用者からの個々のリクエストに応じて個別に画像情報を送るというものは、公職選挙法上の放送には含まれないというふうに解釈されているところでございます。

 ただ、「YouTube」につきましてどういう指摘が具体的に個々の選管からされているかということにつきましては、ちょっと承知いたしておりません。

○高山分科員 とにかく、この公職選挙法でインターネット利用に関して私は伺いましたが、これは、平成十四年、総務省の研究会で研究されていますけれども、もう随分たっているんですよね。この平成十四年から今までの間に、Eコマースだとかあるいはモバイルの携帯電話の普及率だとか、もう全然、十倍以上変わっちゃっていますよね。ですから、そろそろこのインターネット選挙というものの解禁を真剣に議論するべき時期なんじゃないかな。特に、オバマ米国大統領は、こういうIT技術、最新のものを使って、非常にきめ細やかな選挙もやり、また、少額の献金をいっぱい集めてということもあったようですので、ぜひそういうことを日本でも検討していただきたいなと思います。

 そして、今のオバマさんの話にもありましたけれども、今度は献金についても伺いたいんですけれども、まず総務省に伺いますが、インターネット経由で政治家や政党に献金することというのは何か規制がありますか。

○門山政府参考人 インターネットを通じまして、クレジットカード決済の方式になると思いますが、政治献金を集めるということにつきましては、政治資金規正法上は、寄附の授受に関します量的制限ですとか質的制限、こういったものを守っていただくことが当然前提でございますけれども、その制限の範囲内でありますれば、政治活動に関する寄附をインターネットを通じてクレジットカード決済で集めるということ自体について特段の制限はございません。

○高山分科員 クレジットカードを所管しているのは経産省なので経産省に伺いたいんですが、クレジットカード業界を監督する立場から、例えば、そういう政治家や政党、あるいはユニセフとか慈善団体もありますね、ああいうところにクレジットカードを使って寄附をする、あるいは献金をする、これはどのような問題点があり、規制をされているのか、教えてください。

○安達政府参考人 お答え申し上げます。

 クレジットカードによる献金につきましては、当省が所管してございます割賦販売上の規制は特段ございません。

○高山分科員 そうしますと、例えば、クレジットカードを使って慈善団体みたいなところに寄附したりとかあるいは宗教団体に寄附したり、こういうことは規制があるんですか。また、現実に行われているんでしょうか。

○安達政府参考人 クレジットによる献金を規制する法律はございません。本問題は、クレジット会社のビジネスとして取り組むかどうかということで決定されるものと承知してございます。

○高山分科員 そのクレジットカードを使った献金だとか、今いろいろなお金の決済方法がありますので、その点について総務省に幾つか、要するに、選挙法上あるいは政治資金規正法上の問題点について伺いたいんです。

 そもそも、人にお金を寄附する、あるいは寄附をいただくときに、名前を公表したりだとか、その額が幾らだとか目的だとかそういうことを公表していると思うんですけれども、匿名で、ある政治家に巨額に寄附したりだとか、あるいはその寄附をいただいた人の名前を公表しないということも別にあってもいいと思うんですけれども、なぜこれは公表させるということになっているんでしょうか。

○門山政府参考人 政治資金の寄附でございますけれども、匿名の寄附につきましては、極めて例外的な場合以外は現在禁止されております。これは、政党に対して、たしか千円未満の少額の寄附を一定の場所に限って行うときだけ匿名で可ということで、それ以外はだめとなっております。

 その理由は、やはり政治資金につきましては、収支を国民の皆様に公開して、そして国民の判断をきちっと仰ぐということで、できる限り内容をオープンにしていくというのが政治資金規正法の思想でございますので、そういう考え方から、現行の制度のようになっているというふうに理解いたしております。

[引用終わり]

この会議録から見えてくるのは、インターネットを表示するPC画面が公職選挙法142条の「文書図画」にあたり、頒布が「禁止」されているという旧態依然としたナンセンスな規制の存在である。この規制は、選挙期間以外の通常期間のホームページやブログ更新はOKだが、選挙期間は一切ダメという非現実的で投票率低下に貢献するような措置を取らせている。その理由はと言えば、「選挙運動のために使用する文書図画を無制限に頒布できるということになると、不当な競争あるいは選挙の自由・公正を害する、あるいはまたお金のかかる選挙になってしまうので公職選挙法で禁止している」(総務省選挙部長答弁)というお粗末なもの。金権候補が見栄えのよいチラシを大量に配布すると不公平になるというのは、あくまで「印刷媒体」の話だ。

ここまで書いてきて、2005年の総選挙の半年後(2006年3月6日)に議論した『Yahoo!みんなの政治オープン記念』のネット放送討論会を思い出してしまう。この国の時計は逆さにまわっているのだろうか。誰しも、次の国政選挙は「ネット選挙になる」と判断したはずなのに、スルリスルリと自民党・公明党の連立政権は後退を続ける。2007年の参議院選挙に入る前に『どこどこ日記』に私は次のように書いた。『公選法改正・インターネット解禁が封印されている』(07年4月22日>)『インターネット選挙解禁の公約はどこへ行った』(2007年年7月10日)そして、今年行われる総選挙もまた与党の消極論がゆえに「公選法改正」の議論は起きていない。本当におかしな話だ。

高山議員が聞いている政見放送に莫大なお金をかけながら、一方で動画アクセスが出来る「YouTube」が「公職選挙法における放送には含まれない」という見解を引き出したことは注目出来る。インターネットを活用して選挙への関心が高まり、
また簡便に候補者情報にアクセスできるのは必要不可欠のこと。そして、最後にネット献金も何ら法的な規制はないことも総務省答弁で明らかになっている。問題は、カード会社であると前編で書いたが、その後に集めた資料を読んでみて判明したのは、2000年以降何度か「ネット献金」を模索する動きがあった。

検索してみると「フォンス、政治献金もネットで可能」という記事が見つかる。「初期投資が5万円で、月1万円」という価格で、「5年後に5万人をめざす」とこの記事にはあるが、同社のHPを見ると、8年後の今はネット政治献金は「休止中」の表示が出ている。あまりうまくいってはいないのだろう。「ネット献金」不調の原因のひとつに、「個人献金がない」「初期投資と手数料に見合わない」という事実があるようだ。

アメリカの民主党予備選挙でヒラリーと競り合って、オバマ旋風を巻き起こしたのは、小口献金のボリュームだったと聞いている。日本では話題にもならなければ、検討もされないというのでは、あまりにも寂しいではないか。公共事業受注企業からの献金禁止法案を野党で準備するという残念な現状を踏まえた対応と共に、真剣に「ネット献金」実現の壁を破っていきたいと考えている。

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