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格差社会も人生いろいろ 小泉流答弁から
政治
/
2006年03月04日
3月2日、衆議院予算委員会が開かれ、「格差社会」をみつめるまなざしを問うてみた。総理と論戦するのは03年春の「個人情報保護法」以来だったが、民主党がメール問題で意気消沈し、予算が成立寸前であったことから脱線気味ではあったけれど「小泉流人生観」を語った。ここに議事録(仮記録)を公開して、質問者である私の舌足らずな部分を含めて、週末のひとときに分析を加えていただく材料と供したい。
○大島委員長 次に保坂展人君。
○保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。
私も、小泉総理に格差の問題をお尋ねしたいと思います。
先ほどのやりとりでもありましたけれども、総理は、我が党の福島みずほ議員に対して、「貧困層を少なくするという対策とともに、成功者をねたむ風潮、能力のある者の足を引っ張る風潮ですか、厳に謹んでいかなければいけない、この社会の発展はない、できるだけ成功者に対するねたみとかそねみという感情を持たないで、成功者なり才能のある者を伸ばしていこう、そういう面も必要じゃないか」と。先ほども同趣旨のことをおっしゃいました。
私は、総理のおっしゃるその成功者という言葉の意味、これについてちょっと考えてみたい。例えば、若くして財をなして、社会的な評価や名声を得るということだと、例えば逮捕される前のホリエモンこと堀江前社長、彼は成功者だったんでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 人生は人によって短い人もいるし、長い人もいます。堀江氏はまだ若いですね。たしか30代じゃないでしょうか。これはもっと長い目で見ないとわからないですね。一度や二度の失敗が後になってよかったなという思いも持つことができるような人生を歩まれることを私は期待しております。
一度や二度の失敗にくじけず、失敗は成功のもとというか、失敗した、挫折した経験というのはいい人生の教訓になったな、そういう長い目で見る必要があるのではないかと思っております。
○保坂(展)委員 もう一つ、成功者という言葉について、今度は、総理自身どう考えていらっしゃるかということをお聞きします。
総理は、政治家の家に生まれて、若くして代議士になられ、永田町で変人と呼ばれながらも、三度総裁選に挑んで、総理大臣に就任され、やがて政権も5年にな
る。総理自身は成功者と考えていますか。
○小泉内閣総理大臣 私は、今日あるのは、多くの方々に支えられてやってきて、運がいい人間だなと思っております。私の能力はたいしたことありませんけれども、多くの人々に、よき人々に恵まれたなと感謝の念でいっぱいであります。
これからも、そういう支援してくれた方々の期待にこたえられるよう、精いっぱいやっていきたいと思います。
○保坂(展)委員 成功者という言葉、反対の言葉でいうと失敗者ということになりますけれども、世の中には、多分、成功者あるいは失敗者以外にも、成功していない人、あるいはその途上の人、どうやら失敗に向かっている人、さまざま、それこそ人生いろいろだと思います。ただ、国民の多くは、みずからのことを成功者であるというふうに思っている方は、恐らく少ないのではないかというふうに思うんですね。
先ほどから格差社会の話が出ていました。例えば、総理に伺いたいんですが、機会の平等ということがあるんですね。例えば、子どもの運動会、駆けっこで、用意ドン!と一定の時間で走ります。ある子どもだけ、いわゆるスタートラインが随分前にあったから、その子どもが早く着いちゃうわけですね。早く着いてしまう。後ろから一生懸命汗出して駆けっこしても、なかなか前からスタートする子どもには、これは追いつけないときに、これはルールがおかしいんじゃないか、あるいは、その一位になる子どもに対して不満を持つ、これはねたみ、そねみなんでしょうかね。あるいは正当な異議申し立てなんでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 世の中、駆けっこ競走だけじゃないということを考えるべきだと思うんですね。
駆けっこの得意な子、水泳が得意な子、スキーが得意な子、歩くのが得意な子、そういうのが全然だめだけれども、文章を書くのが得意な人、絵をかくのが得意な人、いろいろおられると思うんですね。
しかし、全然足の遅い人と、競技大会に出るような足の速い、能力のある選手と、それは最初からスタートについたってもう勝負にならない。そういうのには参加する必要はないんじゃないか。その人の持ち味がありますから。
学校の成績、秀才で、小学生のころから中学生がやるような数学もどんどん解いちゃう子もいるけれども、それが優秀だからといって、頭がいいからといって、人生で恵まれるかどうかわからない。おれは学校の成績よくないよと言った人が、政治家になって成功する人もいるし、東大出て、大蔵省入って、ばりばり活躍して、果たして政治家として成功するかどうかわからない人もいるし。
頭がいい悪いという以上に、人生さまざまなチャンスがありますから、その持ち味を生かしてやれば、一度や二度は失敗したってくじける必要はない。失敗をこれからの人生に生かしていこう、そういう前向きの意欲を持つことが、今、失敗した人も、挫折した人も必要じゃないかなと。そういう人を、一度や二度誤ったから、過ちがあったからもうだめだと見ないで、これをいい教訓にしてまた頑張れという温かい、そういう環境をつくってあげるのも大事じゃないか。失敗しない人生というのは余りおもしろくない。
○保坂(展)委員 いろいろな方がいるということですね。
先日、タクシードライバーの議論があったと思います。全産業労働者平均で、半額近い、年収三百万くらいですね、月収にすると二十五万ぐらいでしょうか。とにかく長時間タクシーに乗って、子どもの学費もなかなか出せない中で、ちょっとこの格差は開きすぎじゃないか、もっと是正をしてほしい、という声があるわけですね。
もちろん、そのチャンスを生かしていくというのは総理がおっしゃるとおりですけれども。しかし、頑張っても頑張っても、なかなか収入が、そういうシステムですから上がっていかないということで、総理にはぜひ、その格差の中で、やはりそこで是正を求めている国民の声にも耳を傾けていただきたいと思うんですが、いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 それは、各企業においても、労働条件が悪いとよき人材が集められない、経営者が考えるべき問題だと思いますけれども、企業が発展するのも従業員の努力があって発展するわけでありますから、そういう待遇の面については十分考えて、多くの人が意欲を持って、また努力が報いられるような収入を得ることによって各企業は発展していき、そして、多くの国民はその人たちが働くことによってさまざまな恩恵を受けるわけですから、そういう激しい競争社会においても、企業の経営者の皆さんにとってはよき人材が集まるように、また従業員が意欲を持って働くことができるような労働条件をぜひとも提供していただきたいと思っております。
○保坂(展)委員 ぜひそういう政策を進めていただきたいと思いますが、雇用とか労働の条件でかなり不利な立場にある人たちがここのところ増えているわけですね。そういう人から見て、総理は総理の人生観で、チャンスがあって、一回や二回でくじけるなとおっしゃるのはわかります。
しかし、ねたみやそねみという言葉を使われたんですけれども、他人の業績を見てうらやましく思ったり、時に憎んだり、そういうことですよね。うらやましく思う。そういう言葉というのは、どうでしょうかね。総理の言葉として、差別あるいは条件が悪い中で汗かいて苦労している国民のもとに届いたときに誤解を生むんじゃないかというふうに思うんですね。いかがでしょうか。
〇小泉内閣総理大臣 人間社会は、どの国でも、ねたみとかそねみとかやきもちとか嫉妬心というのはなくならないと思うんですね。それは、その人によって、ねたみの感情をうまくコントロールして、それを、よし、頑張ろう、おれも、あんな人が成功しているんだったらおれだってできるぞ、と、その嫉妬心をみずからの飛躍につなげる人もいる。なくそうといってもなくならないものが嫉妬心だそうです。だから、それをいかにコントロールして、人の足を引っ張るんじゃなくて、みずからを奮い立たせるような方向に向けていただきたいと思っております。
○保坂(展)委員 ということは、それは私が言いたかったことなんですが、要するに、成功した人や能力のある人に対して悔しく思ったり、何でうまくいっているんだ、おれもやらなきゃ、あるいは私もやらなきゃと思うことはいいことなわけですね。そういう意味では、ねたみとかそねみも人間の感情ですから、総理がそういう感情を持つなというようなことはおっしゃらないでいただきたいと思うんですよ。
○小泉内閣総理大臣 それは今も申し上げたように、ねたみや嫉妬心というのは、持つなと言っても持つのが人間だと多くの書物を読んだり学者の意見を見ると感ずるわけですよ。私だって、能力のある人、ああ、うらやましいなとか、ああ、あいつ、随分女性にもてるなとやきもちを感じるようなことも間々ありましたよ。しかし、おれは違う方で努力しようということで、元気で今日までやってきましたけれどもね。
ただ、全体の風潮が、成功者はけしからぬといって、余り成功し過ぎるとかいって、ねたみの気持ちを促進したり助長したり、あるいは、能力のある人、あいつけしからぬといって、あるオリンピックに出るような選手が相手のライバルをけがさせちゃう、そういう非常にマイナスの嫉妬心、能力のある人の足を引っ張ろうというふうにやるというのは非常に嘆かわしいことではありますので、そういう風潮を助長するというのはよくない。むしろ、成功した人、能力のある人、ああ、ああいう人を応援して、自分たちも頑張ろうというような風潮の方がいいんじゃないでしょうか。成功者の足を引っ張ったって、自分は豊かにならないんですから。どんな能力のある人の足を引っ張ったって、自分の能力が上がるわけじゃないんですから。そういう人たちが多くもうけてくれれば税収も上がるな、自分たちもそれはいずれめぐりめぐってそういう恩恵を受けるな、能力のある人に頑張ってもらって、能力のない我々はそういう人たちの恩恵を受けようと・・・
○大島委員長 時間が来ております。
○小泉内閣総理大臣 だから応援しようという風潮になった方が、世の中、明るくて楽しいんじゃないでしょうかね。
○大島委員長 時間が来ております。
○保坂(展)委員 明るくて楽しい答弁だったと思いますが、世の中、うまくいっている人だけじゃない、つらくてピンチの、断崖絶壁の手前にいる人もいるということを考えて、ねたみ、そねみやあるいは成功した側だけに視点を置かないで、今苦しい人たちにもしっかり目を当てて発言をしていただきたいという意味で今の質問をしました。
終わります。
○大島委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。
(衆議院予算委員会06年3月2日総括質疑より・議事録は保坂事務所作成)
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『憲法なんて知らないよ』
(右近の日々是好日。)
こんばんは。今日は、池澤夏樹氏の『憲法なんて知らないよ』(集英社文庫、2005年、単行本版は2003年)を読んで、私が考えたことを書きたいと思います。 この本は、現在の「日本の憲法」のもとになっている英文憲法を翻訳した部分と、文学者・翻訳者として現在の「日本
事ここに至っても
(季節)
民主党にもう未来は無い。これまでの支持も消極的消去法でのそれでしか無かったのに、 永田議員は、うまくはめられた可能性が大きいが、前原周辺は自民党と連動して「誇るに足る」国造り・・
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