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 「消費税3党合意」のニュースに対して、朝日新聞1面に「政権交代の回路崩壊」という曽我政治部長の記事が掲載されている。次のように記されている。このところの朝日新聞の政局報道には落胆させられることが多く、読んでいて不満が残ったが、今回は「手放し礼賛」ではない。

[引用開始]

 民主党がこの3年つづった政権交代の物語はいったん終わった。決められない政治からぬけだそうとはした。だが自公両党との修正合意で払った代償はあまりにも大きい。

 思い出してほしい。2009年、民主党は「政権交代。」をうたい、最低保証保年金を銘記したマニフェスト(政権交代)は、「国民との約束」とみえをきって民意をひきつけ、衆院選を制した。

 日本の政党政治が追い求めた政権交代のサイクル(回路)がやっと循環した。2大政党が公約を示して政権を競い、二大政党が公約を示して政権を競い、勝者はその実現度合いを次の衆院選で問い、敗者は対案と政権奪取にたる公約を磨く--だが、民主党はそのサイクルを起動させるかなめの公約をかなぐり捨てたのだ。

(「政権交代の回路崩壊」曽我豪政治部長)

[引用終了]

 最近の朝日新聞にしては、珍しい正論である。このところの政治コラムや社説は読むにたえない駄文の羅列で、「公約をかなぐり捨て合意せよ」という世論・民意とかけ離れた内容が続いていた。このコラムはようやく大切なことに触れたなと思った。それでは、今日の社説をどうなっているか。あれ、タイトルは「政治を進める転機に」だ。政治部長のコラムは1面だが、読む人が少ない社説は12面だ。

[引用開始]

 多大な痛みをともなうが避けられない改革だ。社会保障と税のいったい改革を求める修正協議で、民主、自民、公明の3党が合意した。

 多くの政策課題が積み残しになった。民主党内の手続きも予断を許さない。それでも、「合意」が決められない政治を脱する契機となることを願う。

(朝日新聞6月16日社説)

[引用終了]

 これは、まあいつもの調子だ。「民主党執行部が、反対派にひるまず一体改革に党内の了承を取り付ける、それが出発点だ」と結んでいる。「社会保障分野」は棚上げしたのに「一体改革」と呼べるのかというよりも、かくも白々しく国民の多くが見放している野田政権の提灯持ちを続けている愚鈍さには目を覆いたくなる。

 3年前の「政権交代」選挙で、朝日新聞は民主党の「マニフェストは国民との約束」と連日高揚した紙面をつくっていた。その政治部長自らが「公約をかなぐりすてた」と断じた時には、 地に落ちる政治に対して厳しい批判を加えるべきだ。

 以前から言われていることだが、対象と密着関係の生まれやすい「政治報道」の中心にいる政治部記者は、取材対象との自己同一化が起きやすい。自分が客観報道しているつもりでも、民意や世間の空気とはかけ離れた「プロ感覚」に陥りやすい。

 ただ、長年その世界にいる私から見ても、朝日新聞の「社説」などは、「思考なき空気」のもので、こんなものを教材として勉強している学生がいるのかと思うと、日本人の論理的思考力の衰退に一役買っているのではないかと思うぐらいのひどいと感じる。

 政党政治の崩壊した後の「大政翼賛会」体制は、異論を排除し封印する時代を完成させた。当時の朝日新聞はまさに「時代の潮流」と共に翼賛化し、軍部の広報部隊として世論形成という「公務」にあたり、戦争推進の重要な役割をはたした。少なくとも、その歴史を振り返る時、今のメディアは危ない。

 「新聞なんて読んでないよ」という人も少なくない。だからこそ、テレビやネット世論の基礎となっている新聞報道の論調、とりわけ「社説」のあり方は厳しく見ていかなければならない。

 



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