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(追記部分)
午後1時半から法務委員会理事会が開催された。訳1時間あまりにわたって野党側の提出した「論点整理」に対しての外務省・法務省の回答が行われたが、
すでに十分に聞いている内容を繰り返すのみで、新しい情報はゼロだった。与党側はどう判断するのか、アメリカの州法の適用状況などについて「連邦法の共謀罪がかからないケースはほとんどない」との詭弁をいつまで続けられるのか、この点が大きな障害になっていると感じた。本日は法務委員会流会、明日の午後1時の本会議の後でふたたび理事会が開かれる。(19時33分 追記終わり)

臨時国会の会期末が日、一日と近づく中で朝、昼、晩と「共謀罪」をめぐっての綱引きが連日続いている。今日も、朝10時半より理事会が開催された。与党からの「共謀罪の趣旨説明と与党側審議開始」という提案はあったが、野党側は受け入れるず平行線が続く。
今日は、昨日来の懸案となっていた野党側からの「論点整理」の文書提出が行われた。提出に先立って、野党側からは「提出した文書に対しては、与党側も文書で答えてほしい」「文書を受け取って、はい受け取ったから審議入りということのないように」という条件をつけた。「見てみなけれはわからないが、誠意をもって対応する」という返事をもって、平岡秀夫野党筆頭理事から文書が手渡された。
この文書を受けて、午後1時半に再開する理事会で、与党が最初の回答をすることを合意して休憩となった。以下、その文書の全文である。

共謀罪創設法案の審議再開の前提となる要求事項

1 アメリカの留保について
 アメリカ合衆国は,州法では極めて限定された共謀罪しか定めていない場合があることを国務省の大統領宛批准提案書の中で指摘し、国連越境組織犯罪防止条約によって州レベルでの立法の必要がないようにするため,留保を行った上で条約を批准した。
また、アラスカ、オハイオ、バーモントなどの州レベルでは広範な共謀罪処罰は実現していないことを外務省も認めた。
 
1)共謀罪について、例えば、質問主意書の政府答弁書(平成17年11月11日付及び平成18年6月13日付)では、「共謀罪の対象犯罪について更に限定することは、条約上できない」と答弁していたが、この答弁の訂正を政府答弁書においてすること。

2)アメリカの批准について、政府はこれまでの答弁において、この留保の事実を知りながら、そのことについて全く説明してこなかった。このような政府答弁を行ったことについての顛末の説明と謝罪を、委員会審議再開前に行うこと。

3)アメリカが留保を行っていることに対する我が国の異議申し立てに関し、我が国が条約に加盟したときには、異議を申し立てることになるのか。この点に関し、以下の点について、委員会審議再開前に開示すること。
①申し立てるとすれば、いつ、どのような異議を申し立て、その異議について国連(マルチ)との関係及びアメリカ(バイ)との関係でどのような決着を目指すのか。
②申し立てないとすると、なぜ申し立てないのか。

4)アメリカ合衆国50州のそれぞれについてどのような共謀罪があるかを調査して、その調査結果を委員会審議再開前に提示すること。

なお、アメリカの国連宛の批准理由書及び国務省から大統領宛の留保理由書を翻訳して、委員会審議再開前に提示されたい。

2 国連における条約審議の経緯等について
国連における条約審議の際、日本政府の見解として「行為参加罪の第3オプション」を提案していたにもかかわらず、その後「共謀罪オプション」に転換された経緯を明らかにするための記録(公電等)を示すことを外務省は拒否し続けている。
 
1)第2回アドホック委員会で日本政府の提案していた「参加して行為するオプション」では、どのような内容の国内法が必要となると考えていたのか、日本政府内で検討されていたはずである。もし、具体的な「参加罪の規定」を検討していなかったとしたら、どのような対応をするつもりであったのか。この提案当時に、検討された「参加罪の規定」又は検討していた対応方針を、委員会審議再開前に提示すること。
 
2)国連越境組織犯罪防止条約第34条第1項に規定する「自国の国内法の基本原則」に関し、政府が第2回アドホック委員会に提出した提案では「日本の国内法の原則では、犯罪は既遂か未遂段階に至って初めて処罰されるのであり、共謀や参加については、特に重大な犯罪に限定して処罰される。」と説明しているのに、政府の国会答弁(平成17年10月21日南野法務大臣)では「『自国の国内法の基本原則』とは、各国の憲法上の原則など国内法制において容易に変更できない根本的な法的原則を指す」としている。この政府答弁が政府提案時と変わってきた経緯を、委員会審議再開前に開示すること。

3)第2回の公式会合に関する公電(平成11年3月31日付大使から外務大臣宛第465号)p.14でマスキングされた部分(8行分)については、非公開とする理由は全く見あたらず、また、我が国の意思決定の過程を知る上で不可欠なものであるから、委員会審議再開前に開示すること。

4)第7回会合において行われた非公式会合は、条約起草のためのアドホック委員会の一部であり、非公式会合とはいうものの、その経過は公式会合に報告されるべき性質を持っているものであり、その記録(11ページ分の公電)を委員会審議再開前に開示すること。

5)第7回アドホック会議の公式会合に関し、日本政府代表団がした提案(参加罪については、参加する行為がその犯罪行為の成就に貢献することを認識しつつなされたものであることを要件とする新しい類型の参加罪の規定を設けるとする内容)を撤回した過程とそれに関する協議の内容についての詳細は、平成12年2月16日発信の公電に別途詳細に記載されている。その公電の中でマスキングされている2頁分の文書を委員会審議再開前に開示すること。


3 世界各国の新規立法等について
 国連条約批准にあたって、どのような新規立法が行われたのかは、共謀罪新規立法の必要性を裏付けるための最も基本的な資料であり、政府の包括的な調査が期待されるところである。しかしながら、質問主意書でも質問されているが、政府答弁書では、共謀罪の新規立法を行ったことが確認されているのはノルウェーのみという状況である。

1)政府による悉皆的な調査の結果の資料を、委員会審議再開前に提出すること。併せて、政府としては、この問題について、いつ、どのような方法で、どのような諸国について調査を行ったのかを示すこと。

2)日本弁護士連合会の調査によれば、「組織犯罪の関与する重大犯罪の全てについて共謀罪の対象としていないことを認め、国連事務総長に通知している国」が5ヶ国(ブラジル,モロッコ,エルサルバドル,アンゴラ,メキシコ)存在する。また、国連薬物犯罪事務所が新しく作成した文書では、これらの国について別の記載があると説明されている。これらの国々について、共謀罪の具体的な制定状況・内容を調査し、委員会審議再開前に報告すること。

3)各国のオバートアクトがどのように規定されているのか(05年10月21日法務委での平岡質問関係)及び立法化に当たって合意に準備行為等を伴うこととした国の規定状況はどうなっているのか(05年10月28日法務委での平岡質問関係)を調査し、委員会審議再開前に報告すること。

4)英米法の国での共謀罪の適用状況(06年5月19日法務委での平岡質問関係)について調査し、委員会審議再開前に報告すること。

5)英米法以外の諸外国の国内法整備状況(06年10月20日法務委での保坂質問関係)について調査し、委員会審議再開前に報告すること。

6)TOC条約の締結過程において、批准に際し、現行日本国内法で対応可能かどうか、どのような検討をおこなったか。委員会審議再開前に報告すること。

7)条約の留保と外交的解決を図ることをどう検討したか。委員会審議再開前に報告すること。

以上本文のみ提出

(別紙・解説)

(説明) 第2回アドホック委員会において、日本政府代表団は「日本の国内法の原則では、犯罪は既遂か未遂段階に至って初めて処罰されるのであり、共謀や参加については、特に重大な犯罪(certain grave crimes)に限定して処罰される。したがって、すべての重大な犯罪(serious crimes)について、共謀罪や参加罪を導入することは日本の法原則になじまない」「それゆえ、参加行為の犯罪化を実現するためには、国内法制度の基本原則の範囲内で実現するほかない」としたうえで

①共謀罪については、「組織的な犯罪集団の関与する」という要件を加えることを提案し、
②参加罪については、参加する行為がその犯罪行為の成就に貢献することを認識しつつなされたものであることを要件とする新しい類型の参加罪の規定を設けるよう提案し、さらに、
③3条1項(a)と(b)の間に「国内法の原則に従って」というフレーズを加えることを提案した。

 このうち、②の提案について、日本政府は「3条1項(b)の()と()は、英米法系あるいは大陸法系の法体系のいずれかに合致するものとして導入されるように考案されている。条約をさらに多くの国が受け入れられるようにするためには、世界各国の法体系が英米法、大陸法という2つのシステムに限定されていないことから、第3のオプション、すなわち、『参加して行為する』ことを犯罪化するオプションを考慮に入れなければならない」という提案理由を述べていた。

 日本案が提案された第2回アドホック委員会の公式会合については、大使から外務大臣に宛てた平成11年3月31日発信の公電に記載されているが、前記の日本提案について、米国政府代表団らが評価を下している部分が開示されていない。同公電本文13頁には米国等の代表団の反応として、「(伊、米)これは、サブパラ(a)及びサブパラ(b)()=参加罪=とどこが異なるのか明らかにされる必要がある」と記載された後8行にわたって、公開された会議の内容であるにもかかわらずマスキングされており、公開されていない。この非開示部分を公開することは我が国の国内法化の選択の根拠を知る上で、核心となるものである。

 また、第7回会合において、日本政府代表団は、日本提案とイギリス提案との一本化のために、米国政府代表団らと非公式会合を持っている。この非公式会合の結果は、大使から外務大臣に宛てた平成12年2月16日発信の公電に詳細に記載されているが、11ページ分が全面的に非開示とされている。しかしながら、この記録は、我が国とアメリカ政府などとの間で行われた、きわめて重要な外交交渉の記録であり、また、我が国の刑法体系にかかわる重要事項が話し合われた会合の記録である。11ページにもわたる報告書が作成されていることからも、その内容の重要性を計り知ることができる。

 さらに、日本政府は、第7回アドホック会議の公式会合において、日本政府代表団が前記②を撤回した案を提案した過程とそれに関する協議の内容について平成12年2月17日発信の公電には、わずか13行しか記載されていない。この点の詳細は、平成12年2月16日発信の公電に別途詳細に記載されているが、2頁分の文書がマスキングされており、その内容は明らかとされていない。

(本文+別紙とも法務委員会野党理事作成) 




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