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昨年の特別国会で継続審議となった共謀罪について、9日の法務委員会理事会で与党側から「条約刑法(共謀罪)の与党修正案がまとまったので協議にのってほしい」という呼びかけが雑談の中で示された。いよいよ、共謀罪をめぐる攻防が事実上始まった。

この通常国会で法務省は10本以上の法案を抱え、その中には小学生の少年院送致も可能にする少年法や、代用監獄制度をそのままにした未決処遇法案、外国人の指紋採取を制度化する入管法など相当議論しなければならない法案も多い。法案が立て込んでいる時に、その審議順が問題となる。国会提出順であれば共謀罪となるが、最初から対立法案で委員会が荒れると、他の法案が影響を受けることを計算して与野党合意できる法案から片づけていくという方法も過去にはあった。

どうやら、与党側は「最優先で共謀罪成立を」と狙いを定めているようだ。とすると、衆議院で予算成立後の3月に予算関連のいくつかの法案を処理した後で、3月末から4月始めが共謀罪をめぐる攻防のピークとなる可能性もある。まだ、今の時点で「与党修正案」を入手してはいないが、①組織的犯罪集団に絞る、②準備行為を加えるという2点であることは、すでに報道されている通りだ。

組織的犯罪対策法の土台の上に共謀罪はつくられる。「あくまでも犯罪を目的とした集団に絞られる」と法務省は答弁してきたが、政治家・弁護士にも、会社にも同法の初適用が続いた。これまで、暴力団やフロント企業、詐欺集団などの事例しかなかったので、組織的犯罪対策法は「地上に存在するあらゆる団体・組織」が対象ですよと法務・検察当局の意志を示しているのだろう。

すると、「経理操作を続けてきたことを知っている役員に対して(この時点で、法人は利益追及のための団体から犯罪を継続することを目的とした団体に変質したと解釈される)、トップが目配せ(共謀の成立)、電話をかけて相談をしようとした(実行行為)」で共謀罪が成立する。

実行行為のある既遂罪と違って、共謀罪の立証は難しい。結局、証拠を押さえるためには「盗聴と密告」が奨励される。99年に成立した盗聴法の要件緩和とおとり捜査などの必要性を今後、捜査当局が要求していく流れになることは間違いない。

共謀罪に危機感を抱くのは、刑法の体系になかった「複数人間の犯罪の意図と計画」を処罰するための捜査は必然的に「心」に踏み込む。「犯罪を意図していたかどうか」を追及されると、「おまえ何を考えているんだ」「きっとそう決めていたに違いない」というやりとりになっていくだろう。殺人事件ですら、厳しい取り調べに耐えかねて「やりました」と自白を強要された冤罪事件が発生している。まして、実行行為=結果が何もない犯罪に対して、「そう決めただろう、一緒にいた仲間が証言しているぞ」と言われたら、「はい、考えました」ということにならないだろうか。

殺人・テロなど重大犯罪を抑止するには、共謀罪だって必要だと言う人には、すでに「殺人予備罪」や「爆発物取締罰則共謀罪」「破壊活動防止法陰謀罪」「内乱・外患・私戦各予備・陰謀罪」など各種の共謀・陰謀・予備罪がすでに存在していることを強調しておきたい。法律は、その必要に応じてつくるべきで、立法事実がないのに600を超える犯罪類型に共謀罪を創設するなんて、やりすぎだと思う。

国会審議を前に徹底して議論・検討していきたい。

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