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普天間基地移設問題の与党3党協議が明日にも始まる。沖縄の基地問題を語る時に、ピンポイントで「日米同盟の危機」が語られる。しかし、第2次世界大戦の沖縄戦以後、63年にわたって、在日米軍基地を集中(75%)させてきた事実を更に固定化するのか、沖縄への基地集中をあと何年続けるのか。仮に30年~40年使用する予定の米軍基地を辺野古につくるのであれば、沖縄には100年を超えて米軍基地を置き続けることになる。「100年」という長きにわたって、軍事基地を置くのが当然という感覚から脱出することが求められている。

 かつて大田昌秀県知事の時代に、基地撤去に向けたアクションプログラムを作成して「基地の整理・縮小」に取り組んできた。ここで強調しておきたいのは「整理・縮小」と言っていたことで、「移転・拡充」ではないということだ。ところが、辺野古に建設される計画の新基地は、明らかに普天間基地とは比べようもないほど施設は拡充され、ついでに軍港まで加わっている。

 自民党政権がアメリカとの間で結んだ「日米合意」の検証こそ必要だと思う。その検証のためにも、普天間基地の移設先を含めて日米間で交渉した経緯を明らかにしておくべきだろう。

普天間移設非公式協議 98年3月当時、米「県外可能」を伝達

2009年11月15日「琉球新報」

 米軍普天間飛行場移設をめぐり、大田昌秀知事(当時)が代替施設を拒否した後の1998年3月、日米の非公式協議でカート・キャンベル米国防次官補代理(現国務次官補)が日本政府の決定次第では、北九州など県外への移設が可能だとすることを、日本側に伝えていたことが琉球新報が14日までに入手した政府内文書で分かった。県外移設が不可能な理由について日本側が挙げた「沖縄の戦略的位置」を打ち消し、地元の反対など政治的に移設先を準備できないためだと指摘した。

 文書は98年3月13日付。非公式協議は神奈川県内のホテルで開かれ、日本側から防衛庁審議官と外務省北米局審議官らが出席、米側はキャンベル氏のほか在日米大使館公使らが参加した。協議で日本側は、県内移設の理由を国民に説明するため、米側に認識の調整を申し出た。

 日本側は県内移設の理由として「沖縄の戦略的位置」を挙げ、さらに「沖縄に海兵隊を支えるためのインフラがあることそのものが、在沖海兵隊の県外移駐を困難なものとしている」と説明した。

 これに対し、キャンベル氏は「違うのではないか。事実は、日本政府が沖縄以外に海兵隊のプレゼンス(存在)を支える基盤提供が政治的に不可能だということだろう」と指摘し、米側の運用を理由にすることをけん制した。北九州や四国への移設は可能かとする日本側の問いにキャンベル氏は「当然だ」と答えた。

 政府内文書は、日米特別行動委員会(SACO)当時は、米側に県外移設受け入れの余地があったものの、日本側が国内調整できなかったことを示すものだ。その後、2001年の9・11米中枢同時テロ以降、戦略環境が変わったとして米軍再編協議では県外移設は議論していない。


◆解説/当時の日本側に不作為 米は軍事的理由却下

 米軍普天間飛行場移設をめぐる日米特別行動委員会(SACO)当時の日米交渉で、米政府側に県外移設を受け入れる余地があったにもかかわらず、県内に集約したのは、県外への移設先を模索する努力を怠った当時の日本政府の不作為による結果だ。普天間移設の停滞は結局、返還合意から13年間、日本国内の政治力の欠如がもたらしたものだ。

 これまで県内移設となったことについて日本政府は、地理的に沖縄が優位だとする軍事的な理由を前面に説明してきた。だが、その理由はSACO当時に米側から却下されていた。

 米政府の姿勢を受け、日本政府側が発した「県外への移駐が米側として運用上受け入れ可能というのがもっと以前に分かっておればと思う」との嘆息は、とりもなおさず、日米協議で県外を具体的に取り組んでこなかったことを示すものだ。

 「何千という海兵隊員の常駐を受け入れてくれる場所が一体日本のどこにあるというのか」とするキャンベル氏の指摘は、挑発でもあり、皮肉にもその後の県内移設合意を見透かしたものだった。この問いはまさに、現在の鳩山政権にも向けられている。

 普天間移設の経緯を検証している岡田克也外相は、県外移設は検証対象になっていないとしている。だが、米政府が県外移設受け入れの可能性を示していたことは、鳩山政権にとっても、あらためて県外の検証を迫るものとなる。(滝本匠)

<日米非公式協議の概要 「普天間」移設関連部分(要旨)>
 1998年3月13日

防衛庁防衛政策課部員 県内移設の理由としてわれわれが言っているのが、沖縄の戦略的位置ということ。地元などには非常に言いにくいのは、沖縄に海兵隊を支えるためのインフラがあることそのものが、在沖海兵隊の県外移設を難しくしている、ということだ。

キャンベル国防次官補代理 それは違うのではないか。事実は、日本政府が、沖縄以外で海兵隊のプレゼンスを支える基盤を米側に提供することが政治的に不可能だ、ということだろう。日本側の政治的事情と米側の作戦上の理由を混同してはならない。

防衛政策課部員 仮に日本政府が北九州や四国なりに適当な基地や厚生機能など軍事インフラを提供すれば、沖縄の第3海兵機動展開軍(3MEF)は、そこに移駐することが可能か。

キャンベル氏 当然だ。沖縄以外にそのような場所があれば、われわれは瞬時に移駐を決断するであろう。

守屋武昌審議官 それは、これまで聞いている話と随分違う。
 
防衛政策課部員 沖縄の3MEFすべてではなく、例えば第36海兵航空群か第3海兵師団を県外に移駐することも理論的には可能か。

守屋審議官 沖縄所在の3MEFの具体的にどの部分が県外に移駐可能かについてのアウトラインを示すことは可能か。

キャンベル氏 そのような検討は、日本側が移駐先候補地を極めて具体的な形で米側に示してからでないと、とてもできない。ポイントは政治的なリスクを減ずることだ。しかし、県道104号越え射撃訓練の分散実施だけで、各地で騒ぎが起こっており、何千という海兵隊員の常駐を受け入れてくれる場所が一体日本のどこにあるというのか。

守屋審議官 県外移駐が米側として運用上受け入れ可能ということがもっと以前に分かっておればと思う。

[引用終了]

政権交代して100日。外務省も防衛省も日米間でどんなやりとりを重ねてきたのを公開するべきだろう。日本政府、自民・公明政権自身が、沖縄県内移設で当然だとしてきたことが、13年もの間、辺野古住民に苦痛を強いる結果となった。「沖縄の戦略的位置」という言葉を日本側が言い、米側は特にこだわらないとの言い方は、少なくとも「沖縄以外には無理だ」としてきたのは、アメリカ側からの要求の前に日本政府だったということになる。更に検証を進めていきたい。
  
  

 



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