ほるほる

矢作川のほとりで枝下(しだれ)用水を、
徐福・百済王で中韓日の渡来人伝説を楽しむ
逵(つじ)志保のページです

2016年6月13日 上海、蘇州、そして杭州へ

2016-06-14 17:23:50 | 徐福伝説
2012年9月、中国浙江省寧波市象山県でおこなわれる予定だった徐福国際会議が尖閣諸島国有化問題で突然中止になり(私は既に中国に到着していた)、以来、いつか象山県での開催をと願っていたところ、3年9ヶ月を経てようやく開催となった。これは徐福を通した中韓日の民間交流の正式な再開とも言えるように思う。中国徐福会・象山県人民政府から招待状をいただき、現在中国に来ています。

今回、私は先に蘇州に行くことにしました。同じく2012年9月に建築中の徐福記念館の話をきいたまま、まだ見学できていなかったからです。
6月13日、前日の上海浦東空港ターミナルでの爆破事件の影響なのか、中部国際空港から上海行きの飛行機はどれも遅れており、私も2時間遅れで浦東空港に到着しました。物々しい警備を覚悟していたけれど、全くその気配はなく、安心しました。遅れたせいで朝から蘇州市徐福研究会のかたをお待たせし、また、準備いただいていた昼食会もキャンセルとなり、予定を合わせて現地集合してくださっていた方には申し訳ないことをしました。

というわけで目的の千灯徐福記念館に向かいます。「徐福記念館は蘇州の少し田舎につくっています」と聞いていたけれど、上海虹橋空港と蘇州の中間地点といいますからだいぶ蘇州に入る手前です。浦東空港から約100キロ、車で2時間ほどで千灯につきました。
これまで徐福の記念館というと、それだけでいくのにはかなり不便なところという印象がありましたが、ここは「千灯之古鎮」という水郷地帯の古い町並みの観光地で、徐福のことがなかったら来ることもできなかったと思うと、本当にラッキーでした。


千灯徐福記念館は古い町並みのなかにあり、古い民家をそのまま使って展示館にしてあるので、違和感がなく、展示内容にはまだ課題もあるけれど、他にはない、古鎮を観光していたら徐福記念館というのがあって、徐福という人物を知りましたというような出会いを大いに期待できるところでした。


それにしてもなぜ蘇州の千灯という場所に徐福?と思われるかもしれません。2500年もの歴史があるこの千灯、外来の侵略を阻むために北には長城が作られたわけですが、南には防堤が作られたのだそうです。その防堤には土盛がつくられ、その上には遠望台と呼ばれる信号を出すところをつくったのですが、その千個目にあたるところが千「土敦」(トウ=土盛)という地名になったとのこと。ところが文革時代に土盛とは名前が暗いということで明るい漢字を当てて「千灯」になったとのことです。文化大革命にちなんだ名前があちこちにつけられたことは知っていましたが、古い歴史ある地名もそんなふうに変えられていった時代があったんですね。
この千灯に残る徐福伝説は、徐福には8人の子があり、1人はここに置いて行かれ、3人を連れて行った。あとの4人は日本で生まれた子だという話があるとのこと。数回に渡る渡海の5度目の成功はこの地からなんだそうです。
その残された子は姓を王と改め、後の人は始皇帝と徐福を記念して延福寺を建てた(寺名を改めた?)といいます。

私はいま用水の仕事もしているため、古鎮の石畳にも目が行きました。


2072枚もの石畳は南宋時代(1127−1279年)のもので、その下にはいまも排水路が通っていて、石の間から雨水が落ちていきます。日頃、水路は昔ながらのオープンか、効率を考えた暗渠かなんて話をするわけですが、暗渠もこんなに歴史があると十分風情がありました。

それから車で1時間ほどで蘇州市に帰り、蘇州市徐福研究会の事務所(小学校の敷地内の建物の2階を使っています)を訪ね、新旧委員のみなさんが集まってくださって、食事会をしてくださいました。元会長の管正さんは現在84歳。杖をついていらしたけれど、変わらずお元気そうで、他にも懐かしい方々にお会いできて、ほんとうに嬉しく思いました。何年前になるかは忘れてしまったけれど、蘇州市徐福研究会顧問のお話をいただいたとき、まだまだ早すぎると言ったら、そんなことはわかっていると会長に言われ、私への励ましと思ってお引き受けすることにしました。残念ながらまだその名にふさわしい役割をはたすところまではできていないけれど、蘇州市徐福研究会がいろいろな場面でこの地域らしさを出していくことができるよう、これからも応援団をつとめていきたいと考えています。



20時30分、名残惜しくみなさんと記念撮影をし、お見送りいただいて中国徐福会副会長と蘇州市徐福研究会のみなさんと杭州に出発。22時30分、ホテルに着いて就寝。お世話になりました。

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