私の仕事場は東京・三田にある。だから、週に2~3日はそちらに出ているのだが、一昨日は、面白いバスを目にした。
はじめて見たので驚いたのは私であり、ほかの人には面白くもない風景なのかもしれない。
だが、とにかく私はびっくりした。
一昨日の午後は、あいにくの雨だった。そのため、タクシーに乗って日比谷付近にさしかかったとき、妙なバスに出会った。屋根のない二階建てのバスなのだ。
雨が降っていたので、二階に乗っている乗客は、雨合羽を頭からすっぽりと被っている。
備え付けの雨合羽らしく、すべてが同じデザインの白色。
「ゲゲゲの鬼太郎」の「ネズミ男」が、屋根なしバスの二階に、ズラリ並んで座っている。
「えー?ありゃあなんだい?」と驚き、タクシーのドライバーに訊ねたら、
「まあ、観光バスみたいなものではないんですかねえ」と、驚いた様子もなく答えてくれた。
「じゃあ、ハトバスみたいなもの?」と問うたところ、
「そんなに長い距離ではなく、皇居一週程度ではないでしょうか」という話だった。
若者がよく乗っているオープンカーだって、雨の日はオープンにしていない。
あのあたりは巨大ビルが林立しているので、屋根があったのでは、ビルのテッペンが見えない。そのため、屋根なしのバスを走らせているのだろうか。
それにしても、雨合羽をかぶった乗客が、屋根なし二階バスに乗って平然としている。
とにかく驚いた。
昨日のあの光景は、実像なのだろうかと、今でも頬をつねりたい感じだ。
どうして屋根なしのバスに乗らなければいけないのか!しかも、雨の日に。
私の感覚がおかしいのかなあ。