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九九の暗唱指導の工夫集です。微細な工夫を入れることで、子どもの覚え方が変化しました。ぜひ試してみてください。
濱崎仁詩(TOSS春風)horoscope_for_pisces1983@hotmail.com
九九の暗唱指導の工夫集です。微細な工夫を入れることで、子どもの覚え方が変化しました。ぜひ試してみてください。
算数2年 九九指導のポイント ①楽しく覚えられるような工夫をする。 ②覚えられない子に、次から次へと手をうつ。 まずは、楽しく覚えさせることだ。 楽しくさせた方が、授業1時間1時間が心地よいだけでなく、結果的に早く覚える。 子どもに無理をさせないことが肝心だ。 そして、覚えられない子がどうしても出るので、それに対応することだ。 九九に関しては平均点9割を突破した。 しかし、それでも九九が覚えられない子が出る。 そんな時に、画一的に口答テストをやっているだけではうまくいかない。 様々に手をうち、覚えられるような工夫をするのが教師だ。 以下は、実践の結果、効果のありそうなものを10個ピックアップしてみたリストだ。 中には「この方法はよくなかった」という方法や、「よくはなかったが、他の方法と組み合わせるとうまくいった」など、改善の余地のある方法もあると思う。 追試・検討していただき、よりよい指導方法として磨いていければと思う。 1、制限時間を設けない テストの時に「すらすらと、間違えないで言いなさい」と言った。 ○秒で言いなさいとはしない。 ○秒で唱えなさいという指導がある。 確かにはやく言わせたいという教師の思いは分かる。 しかし、最初は楽しく言えることが大切だ。 中には鉛筆で書かせると書けるのに、言うことが難しい子がいる。 発音の仕方(機能的)に問題がある場合もある。 そんな子に対して、はやく言うことを求めてはいけない。 結果的に、「○秒で言いなさい」と指示した昨年よりも、「すらすらと、間違えないで言いなさい」と言った今年のほうが子どもたちがはやく九九を覚えた。 2、初めての出会いは教師が範読し、読みをおさえる。 読み方を確定しておかないと、余計な思考をさせてしまうことになる。 言いにくい九九はしっかりと言い方を教えておく。 そのため、最初は教師が範読をする。 範読の効用は特別支援を要する子にも有効だ。 「読み方の難しい文字や言葉の続きを最初にイメージで入力させる」(ADHD症状を抑える授業力! 平山諭 明治図書,2006)ことで、間違えて覚えてほしくないものは最初から音読させず、範読させるのがよいと言われる。最初に範読することで軽度発達障害の子の誤入力を防ぐのだ。 たとえば、三六(さぶろく)・四七(ししち)・八八(はっぱ)などは単独で何回か言わせる。 ただし、九九を見て「答えが言える」のが重要であるから、 テストの際は読みの間違えは多めに見ることも大切だ。 3、全員で何度も繰り返し読む。 何度も繰り返し読んだ。 あきさせないように様々変化をつけて読ませた。 ①先生の後に続いて読みなさい。(追い読み) ②先生が先、みんなが後。(逆も)(交代読み) ③女の子が先、男の子が後。(逆も)(男女交代読み) ④こっちの列が先、こっちの列が後。(逆も)(列交代読み) ⑤全員で。(一斉読み) ⑥スピードをあげて。(スピード読み) ⑦○組のほうを向いて。(色んな方向読み) これらをその段ごとにバリエーションを変えて、1度に10回程度行った。 4、個人で練習させる 石田一三氏は「九九指導の定石」(明治図書,1988)の中で、次のポイントをあげている。 それは ①一つの段をすべての子どもが覚えてから次の段にすすむ。 ②九九は順序なく覚える。 ③間違った九九を口に出さない。 ④練習の時間を最大限にする。 ⑤練習指導の定石を守る。 である。 ④については、「個別の練習」が大切だということだ。 一斉で唱えさせたり、グループで練習させても、必ず唱えていない場面ができるが、 個別に唱える時は、ずっと唱えている状態となり、練習時間が一番確保できるということだった。 5、口答テストの際、迷ったらすぐに答えさせる。 間違えて覚えてはいけないので、口答テストで間違えたり、つまったりしたら、すぐに答えを教えて再度挑戦させた。 子どもは一度インプットしてしまうと、修正がかかりにくい。 確かに失敗は成功の元というが、限られた時間の中で、きっちりと九九を覚えさせ、成功体験をつませようと思えば、誤入力は極力防いだほうがよい。 6、順序が分からない子には九九のフラッシュカードを見せる。 口答テストの時に、何を見ていない状態での暗唱が難しい子には、フラッシュカードを見せて言わせた。 すると、なかなか言えなかった子がすぐに言えるようになった。 実際は言えるが、不安感が大きく、緊張のあまり言えなくなるという子が5人以上はいる。 そういった子へは抜群の対処となった。 7、それでも言えなければ子ども用九九 6の方法でも言えない子が3人いた。 その子たちには、練習用九九カードを持って来させ、それを教師がめくりながら言わせた。 というのも、子どもの練習用九九カードには九九の読み方がのっているからだ。 読み方が分かった子のうち2人はすぐに言えるようになった。 もう一人も30回ほどの練習の末に言えるようになった。 8、算数の時間の導入はフラッシュカードで フラッシュカードで導入した。 これにも色んなバリエーションをつけた。 ①全員で一斉に言う。 ②スピードをあげて言う。 ③一人ずつテスト形式で言う。 9、指で九九をさせてみる。 9の段は1の位が9から下がっていくのが視覚的に分かるので、指でやらせてみた。 確かに成績上位の子は理解しやすく、盛り上がったが、下位の子は指を動かすだけで精一杯の子もいた。 修正案としては、授業の最初から指を使える子は使わせること。 ただし、指を使えない子は無理をさせない、ことが考えられる。 工夫次第で使える指導法だ。 10、1分間テストを趣意説明 1分間テストを使って、九九の定着を図るが、 「なぜ1分間テストをするのか?」を子どもに納得させないと効果が半減する。 九九って言うのは一瞬で答えが出るから意味がある。 お買い物でお釣りを間違えてもすぐに分かる。 電卓を使わなくても、簡単な計算が素早くできる。 などメリットを教え、がんばって取り組むための意欲づけをきっちりとする。 この記事に関するお問い合わせは、濱崎仁詩 horoscope_for_pisces1983@hotmail.com |