現代を切る  英宰相ウィンストン・チャーチルからの批評     

退職から9年。ブログを始めて5年。現実主義者として、歴史を紐解き、英国の大宰相、チャーチルらの発言を下敷きにして記す。

岩盤粉砕は議論のすり替え、 加計学園問題をめぐる前川氏参考人招致に思う

2017年07月11日 10時16分04秒 | 政治
 何が問われているのか 
 定年退職者にとり一日を有意義に過ごすにはどうしたらよいか。これは大変重要な問題だ。チャーチルは40歳になって一軍人として第1次世界大戦に出世するおり、母親に「一日も無為に過ぎしたくない」と答えたという。母親のジャネット婦人が「40歳にもなってなぜ出征するのか」と問い詰めたおりの答えだった。
 昨日は無為に過ごしたかどうかは分からないが、前川喜平・前文部科学事務次官の参考人招致を午後(参議院)から聞いた。筆者はこの参考人招致が開かれた理由、言い換えれば、この国会閉会中審査の核心的な目的は、政府が法律や法令に沿って、加計学園に正当なプロセスを踏んで獣医学部新設を認可したかどうかだと考えていた。
 この審査を聞いた結果を率直に申し上げれば、「疑念は消えなかった」。それどころか、与野党議員に不満がある。蓮舫議員は政府批判に重点をおき、この問題の核心に迫らなかった。遺憾に堪えない。「政府は、丁寧に説明する姿勢が全く感じられない」と批判したが、そんなことを筆者は蓮舫氏に質問するように求めてはいない。証拠を出して、政府に「正当な手続きを経て認可されたかどうか」を検証してほしかった。その他の野党議員も政府批判こそすれ、核心に迫る質問と議論はなかった。
 一方、自民党議員の質問は巧みだった。その最たる人物が青山繁晴氏だと思った。 自民党は加戸守行(かと もりゆき)前愛媛県知事を参考人を招き、”加計問題の本質”をつく質問をして、核心の問題をすり替えた。官僚の天下りを獣医学部の新設問題と結びつけ、官僚の天下りと既得権護持こそが、獣医学部新設を阻止していると主張した。そして国民の心に訴えた。
 加戸守行氏は公務員獣医師の数の少なさや確保の困難さ、獣医学部の偏在の状況を訴えた。これを青山氏は「党利当落ではなく国益のために質問する」と冒頭で述べ、聞き手の目をこの問題の本質からそらせた。弁舌巧みな男だと思った。この手法は成功したかもしれない。
 「今までの加計学園問題で一番まともで核心を突いたのはこの元愛媛県知事の証言です。これを報じないマスコミはクズ!!そもそも安倍総理の関与は無い」「青山繁治の質問で元愛媛県知事の加戸さんが答えたのが全てではないかな。加計学園ありきで前川が言う『行政が歪められた』のではなく加戸が言う特区で『歪められた行政が正された』」
 上記は両者の発言を聞いた一部大衆の見解だ。うまく大衆を誘導し、この問題の核心からそらせる話法は素晴らしい。青山氏に対する名誉毀損になるかもしれないが、あえて発言する。ドイツの独裁者アドルフ・ヒトラーの演説話法に似ている。青山氏もヒトラーもまぎれもない事実をしゃべりながら、大衆を誘導して自らの見解が正しいと思わせる。
 青山氏の言っていることはすべて事実(真実)だが、昨日の閉会中審査の核心は「安倍首相と友人関係にある加計学園理事長に対して、内閣府が忖度や情実ではなく正当な手続きを踏んで認可しかどうか」にある。
 霞が関の守旧派省庁の過去の先例第一主義や前川氏が引責辞任した昨年の組織的天下り問題を論じているのではない。この事実はほかの機会に国会で論じるべきことだ。筆者は内閣府ができたときに、それを歓迎した。この機関を国民のために正しく使えば、省庁への既得権打破につながると考えたからだ。しかし、この新しい機関を個人や特定の団体の利益のために利用する疑惑でてきた。これを問題にしたくて何を問題にするのだ。日本とアジアのほかの諸国との差はここにあったはずだ。日本人は鎌倉幕府の執権、北条泰時公の貞永式目から脈々として「公平」という伝統を築き上げてきた。先人の英知が脈々と受け継がれてきた。ここを問題にしているのだ。
 前川氏は「不公平で不透明な部分がある」との見解に対し、原英史・国家戦略特区WG委員は「『加計ありき』などの指摘が全くの虚構であることは、公開されている議事録を見ればわかる。政府としては従来のゆがみをただすための取り組みを進めたと認識している」と反論した。
 原氏がそう言うのなら、臨時国会などを開いて、野党から出ている安倍晋三首相、和泉洋人・首相補佐官、木曽功・元内閣官房参与の招致を、政府与党は認めるべきではないのか。和泉氏から「総理は自分の口から言えないから私が代わっていう」といわれ、木曽氏から「獣医学部でよろしく」と言われたと、前川氏は証言しているからだ。政府は法的な拘束力がある「証人喚問」を開き、安倍、前川、和泉氏らを招致すべきだ。
 青山・自民党参議院議員が「国益のため」と言うなら、民主主義制度の根幹が問われている「加計学園問題」を解決すべきだ。この解決があってこそ青山氏が言われる天下り」をめぐる正当な議論などの問題へ進めることができる。「天下り問題」と「加計学園の忖度疑惑」とをごちゃまぜにして、国民を惑わすことこそ、党利党略のそしりを免れないと思う。
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