事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「短歌ください その二」 穂村弘選 KADOKAWA

2017-05-05 | 本と雑誌

Paul Simon with Steve Gadd - 50 Ways To Leave Your Lover (Live From Philadelphia).flv

その一を特集したときに、拙作をしのびこませるという荒技をくり出したわたしだけれど(ちなみに正解はわさびの小袋のやつです)、もうそんな隙はありません(笑)。すばらしい作品の連続。ダ・ヴィンチの連載の単行本化第二弾。打ちのめされました。

第二芸術論(高校のときに現国の教師が激しく批判していました)まで持ち出すつもりはないけれど、短歌というメディアに懐疑的だったわたしは、このシリーズで完全に認識を改めました。短歌すごい。

そして、投稿者たちが選者の穂村弘を圧倒的に信頼していることがうかがえ、芸術にはその理解者と批判者がどうしたって必要なんだなあとよけいなことまで考えてしまいます。本日はそのなかでもわたしが圧倒されたのをいくつか。震災に対する短歌の側の回答がここにある。

うっすらとわかっていたの子らが風邪ひきかけている咳をしている

ジャージ着た七三分けの先生に服装検査される屈辱

鉄分が不足しているその期間 車舐めたい特に銀色

狂犬病予防注射の貼り紙の前であなたに胸をもまれた

正しさが欲しかったから25時赤信号にひとり従う

当事者にはなれないことを受け止める 空のシャンプー連打する朝

試着室くつを脱ぐのかわからない わからないまま一歩踏み出す

透きとおる回転扉の三秒の個室にわたしを誘ってください

三月十二日付けなるレシートの束 天然水二十三本

地球上の総人口が偶数であれとひとりの朝に願った

背に乗った妹どかし腕立てを再開したら数えてくれる

だしぬけに葡萄の種を吐き出せば葡萄の種の影が遅れる

柔らかい笑顔するのね下半身は暴力的に動いてるのに

もう君を動かす人は死にました 折り畳み式自転車を折る

左手で制されたまま携帯に謝り続けるキミをながめる

会議室の椅子が重なり積みあがる 何かの交尾じみていながら

明日からも生きようとする者だけが集う夕べのスーパーマーケット

本日の一曲はポール・サイモンの「恋人と別れる50の方法」
世に神業というものが存在するとすれば、スティーブ・ガッドのこのドラミングっしょ。スタッフ組とポールのコラボは奇跡だなあ。

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