事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「ジュラシック・ワールド」Jurassic World (2015 ユニバーサル)

2015-09-09 | 洋画

まず、「ジュラシック・ワールド」は、良くも悪しくも映画じゃない。

いや、ユニバーサルの恐怖映画の伝統で、ヒロイン(ロン・ハワードの娘のブライス・ダラス・ハワード)の身体の露出がどんどん大きくなっていくとか(白いスーツからタンクトップに変化していく。うれしい)、負傷者の間をバージンロードでも歩くようにヒーロー(「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のクリス・ブラット)とヒロインが退場するとか、映画的なお楽しみはたくさん仕込んである。

でも、それ以前にシリーズのなかでも突出してこの作品はアトラクション的だ。離婚の危機にある両親のことを心配しながら、兄と弟がジュラ紀の恐竜に襲われながら成長する地獄めぐり。観客は、この兄弟と同じ視線で恐竜と対峙する。怖いよそりゃ(笑)。

思えばマイケル・クライトンの原作は画期的だった。琥珀のなかに古代の蚊が残存していて、そこから恐竜のDNAを抽出して再生する……説得力あったなあ。今回はその琥珀のモニュメントがえらいことになっちゃいます。

カオス理論なども物語の核になっていたけれど、1作目を監督したスピルバーグは、こむずかしい理屈よりも“見世物としての映画”づくりが達者なので、恐竜初登場のシーンだけで観客を驚愕させたものだっけ。

大予算映画を撮るのが初めての監督コリン・トレボロウは(1億5千万ドルの製作費の映画をほぼ新人に撮らせるとは!)、さすがにそこまでの腕はない。恐竜登場までの退屈さには気が遠くなったし。

ところが、かわりに持ち出したのが恐竜の大盤振る舞い。遺伝子操作恐竜の悪辣さ、翼竜が襲い来るスピード感、チームプレイまでかますラプトル、そして水中から飛び出す巨大な水生爬虫類……いやー堪能いたしました。

割引料金で見ているので、3Dで1400円は絶対にお得。これで遊園地に行ったと思えばお安いものだ。

ただねえ、ユニバーサル作品の日本配給はいま東宝東和で、今年は絶好調なんだから(いまも「ミニオンズ」「テッド2」とともにトップテンに三作品もランクイン中)、吹替版はもっとていねいにつくってほしかったなあ。

声に特徴のある男優を起用したものだから、思いっきりなじめないの。コメディアンを配するのも、話題づくりには結構だろうけど……

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