事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「ナイト ミュージアム」Night at The Museum('06)

2008-06-14 | 洋画

 全世界で大ヒットしているらしい。日本でも30億以上をかせぎ、「ドラえもん」と並ぶこの春(07年)最大のヒット作になっている。配給の20世紀FOXにとってはひさしぶりの成功で、ちょっと息をついていることであろう。

 ストーリーはこんな感じ。何をやっても長続きしないダメ親父ラリー(ベン・スティラー)が、離婚した妻にひきとられている息子の気持ちをとりもどすために“普通の職業”自然史博物館の警備員になる。博物館の展示物は、恐竜の骨格標本、モアイ像、南北戦争やローマ帝国のジオラマ(初代皇帝の、わたしが好きなオクタヴィアヌスが出てきます!)、そしてセオドア・(テディ)ルーズベルトの蝋人形など。西欧人にとって、フン族のアッティラがよほどの悪夢になっていることも学習できる。これらの展示物が、しかし夜になると……

 予告編がとにかくよくできていたのがヒットの要因のひとつだろう。ある理由で動き出す展示物たちが、それはもう(CG全盛の時代だからもう驚かなくてもよさそうなものだが)徹底的にリアルだったので。でも、いちばん笑えたのはほとんど動かないモアイ像だったけど。

 映画ファンとしては、むかしのディズニー映画でおなじみディック・ヴァン・ダイク、“大昔の若者”ミッキー・ルーニーが前任の警備員として出演しているのでうれしい。しかも後半大活躍してくれるのだ(エンドタイトルが始まっても席を立たないこと)。

 しかし、“もっと面白いんじゃないのか?”と、観ている間ずっと不満だった。ダメ親父が子どもとともに成長するストーリーは、ひねりがなさすぎるがいつものハリウッドパターンだからしかたがない。でも、ルーズベルト役にルックスそのまんまのロビン・ウィリアムズまで起用しているのに、もうちょっと彼に芸をさせろよ。それに、いかにもユダヤ系まるだしのベン・スティラーの“濃さ”はちょっと日本人には合いそうにもない。展示物たちが最後にアース・ウィンド・&ファイヤーの「セプテンバー」で踊りまくるあたり、中年男への目配りもばっちりなのに、もうちょっとなんとかならなかったかなぁ。

 でも、こんなセリフを嫌みなくかませるのはスティラーの取り柄か。
「そこ!そこの南北戦争の諸君!残念ながらその戦争は北軍が勝った。奴隷制度はやっぱりよくないしね。でも南軍の諸君はがっかりするな。南部にはオールマン・ブラザーズ・バンドがいる!

 さて、これから観る人のためにちょっとしたトリビア。ラリーに職を斡旋するおばさんはベンの実母だとか。伝説のコメディアンだそうだ。それを知っていると彼らのセリフは笑える。
「いやー、あなたには不思議な縁を感じるなー」
あたしは感じないわ。」

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