本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

七難即滅 七福即生

2017-02-02 20:40:53 | 住職の活動日記

明日は節分、

星祭りの御祈願があり

恒例の豆まきがあります。

その時の掛け声が

「七難即滅・七福即生」です。

 

『七』という数

西洋では「ラッキーセブン」

ということになりますが、

仏教でも「七」ということは

とても大事な段階になる数字です。

 

「十界」という私たちの住んでいる

世界を十に分けて考えます。

地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天人

声聞・縁覚・菩薩・仏

前の六つが迷いの世界で

後の四つが仏の世界になります。

ちょうど、7番目が声聞

私たちが初めて仏の声を聞く

教えを聞くという、

その段階が「7」ということです。

 

今読んでいる「十地経」でも、

第七遠行地というところは

七地沈空(しちじちんくう)といって

わかったけど、空に沈むという

ちょうどニヒリストになったような

虚無的な考えも出てくるところです。

六地までは努力の世界、

それを努力有功用(うくゆう)といい

努力が必要な世界、

初歓喜地、初めて教えを聞いて

感動して歩み始める

努力の修行が始まるわけです。

 

それが七地になると

もはや努力が必要なくなってくる

努力無功用(むくゆう)

努力していることがもう身に付いて

努力という感覚がなくなり

努力が当たり前になる

そういうことが七地ということです。

しかし、ここにも難があって

さとりに沈んでしまう、

そこで諸仏の激励ということが

でてきて、

さらにまた歩みを始める

ということがあるのです。

 

というように「七」ということは

ちょうど分岐点というか

人間が終わるところ

仏が始まるところという

そういう大事な転換点が

「七」ということでしょう。

 

そういうこともあり

七難・七福ということは

乗り越えていく境目を

あらわしているのでしょう。

 

「七難」には

日月の難というか

現代的には太陽のフレアという

電磁波でコンピューターの

データ―が消失するという問題

そして自然界の日照り、風・水害

国同士の問題(領土問題)

そいうことがあります。

反対に七福といえば

普通に思いつくのは

金銀宝石にお金ということですが

経典にはそういうことより、

身体についてのことが多いようです。

今でも、

よくテレビでも流れていますが

お肌のこと、

昔もそうだったのでしょう、

肌が潤っていて、

身体からはいい香りがする、とか

皺がないというような

身体や寿命に関することが

多いようです。

 

今ではすべてのものが

揃いすぎているので、

それ以上のお金や宝石という

ことになるのでしょう。

 

お寺の本堂も明日の

節分・星祭りの準備も万端

整っているようです。

 

自分の持って生まれた星に祈り

巡ってくる今年の星にも祈り

一年の無事安泰を祈ります。

「星に願いを!」

という、星祭りも今も昔も

太陽や月それに星の運行にも

祈りをささげてきたのでしょう。

 

素朴でありながら

現代においても大変重要な

お参りのような気がします。

 

星に祈りを

明日の6時からのお勤めです。

天を見上げて

星に祈りを捧げてみるのも

素晴らしいことかもしれません。

 

 

 

 

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« メンテナンス | トップ | 本蔵院の星祭り »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

住職の活動日記」カテゴリの最新記事