本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

『光臨』

2017-02-08 17:47:41 | 漢字

最近、よくこういう看板を見かけます。

 

 

「歓迎光臨」ということですが

略した漢字と昔からの漢字ですが、

気になったのは

『臨』という漢字です。

 

弘法大師が比叡山の最澄に

宛てた手紙「風信帖」の一文に

 

 

「風信雲書 自天翔臨」

 

という、

思いがけなくもお手紙を頂き

というような意味ですが

 

 

弘法大師は「翔臨」という

言葉を使っておられます。

 

この『臨』という字

色々な使い方があって

仏教でも「臨終」という

また、「臨終正念」と

死に臨んで心乱れず、極楽往生を

信じて疑わない

ということですが、

 

科学の方では

原子力発電の核分裂が

臨界に達した、とか

 

また、臨機応変にというように

幅広い言葉でもあります。

 

その成り立ちは

臥という字と品という字が

組み合わさって出来ています。

臥はうつむいて見る、

品は多くのものを見分ける

そこから、「のぞみ見て見分ける」

ということがもともとの意味

ということになります。

 

漢和辞典によると

「光臨」とは

身分の高い者が身分の低い者の

ところへ行く。

というように出ていますが、

そこから、広辞苑では

他人の来訪の尊敬語

というように出ています。

 

一般的には

「ようこそいらっしゃいました」

ということになるのでしょう。

 

「光臨」とか「翔臨」という使い方

なんだかとても美しい表現

のように思います。

 

なんでもないことなのですが

漢字を見ると

とてもそそられるものがあるのです。

 

 

 

 

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