忘備録の泉

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団体交渉(1)

2017-06-17 09:25:42 | Library
団体交渉の意義
「憲法28条」
勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

団交応諾義務
「労組法7条2号」
使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むことをしてはならない。
つまり、使用者には、労働組合が申し入れた団体交渉に応ずる義務がある。
この義務を「団交応諾義務」と言う。
なお、団体交渉は、直接面談することによって行われる交渉であって、労使双方が合意しない限り、文書の往復や電話などによる協議では、団体交渉をしたことにならない。(「清和電器事件」東京高判平2.12.26)

誠実交渉義務
使用者は、形式的に、労働組合との交渉をしさえすればよいというものではない。
実質的な交渉を誠実にしなければならない。
例えば、賃上げ交渉において、経営状況から労働組合の要求には応じられないとする場合、経営状況がどのようなものであるかについて具体的な資料(経営状態を示す財務諸表等の経理資料等)を提示したうえで、どのような論拠に基づき、組合要求の賃上げができないのかを、具体的に説明しなければならない。
単に「経営状況が悪いから」と回答するだけでは、誠実交渉義務を果たしたことにはならない。
このように、団体交渉に応じはするものの、実質的な交渉になっていないものを「不誠実団交」と言い、不当労働行為として労働委員会による救済の対象となる。
以下にその判例を上げてみる。
「倉田学園事件」最三小判平6.12.20
「亮正会高津中央病院事件」東京高判昭63.3.24
「大阪特殊精密工業事件」大阪地判昭55.12.24
「東北測量事件」仙台高判平4.12.28
「大手前高校事件」東京地判昭63.7.27
「日本メール・オーダー事件」最三小判昭59.5.29

行き詰まり(デッドロック)と団交応諾義務の消滅
使用者には誠実交渉義務が課されているが、組合の要求を受け入れなければならない義務まではない。
従って、労使双方が自らの主張を展開し、それについての説明資料も出し尽くし、これ以上交渉を重ねても進展する見込みがなくなる時もある。
このように交渉が行き詰まった場合には、使用者が交渉を打ち切ることが許される場合もある。
「寿建設事件」最二小判昭53.11.24
「池田電器事件」最二小判平4.2.14
交渉の行き詰まりに対して、労働組合としては、団体行動権を行使して、使用者の譲歩を引き出すために闘うこととなる。

(つづく)
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