忘備録の泉

思いついたら吉日。O/PすることでI/Pできる。

支配から逃げられない人々(1)

2017-07-06 14:47:33 | Library
もともと「ブラック企業」とは、反社会的な組織が運営している会社のことだった。
それが最近では、従業員にこなしきれないほどの仕事を与え、サービス残業を強いて、本人が使えなくなるほど疲弊すると自己都合退職に追い込むような企業を指すようになった。
つまり従業員の「使い捨て企業」ということである。
明らかに過重労働、低待遇なのに、自分自身が潰れるまでその会社を辞められないのはなぜだろう。
特に、正社員にはその傾向が強い。

今、正社員という身分は、格差社会での勝ち組を意味する。
正社員でなければ収入が安定せず、ワーキングプアを抜け出せない。
お金がなければ結婚したくてもできないし、子育てなど考えようもない。
だから誰もが正社員になって、安心して生活を送りたいのだ。
至極まっとうな希望である。
したがって、現在正社員である者にとっては、その身分は死守すべきものになる。

かつての高度成長期には、社員は家族的な連帯感で結びついていた。
誰でも真面目に勤めてさえいれば右肩上がりに給料が上がり、マイホームを買って子どもを育てることができた。
しかし今の企業社会には、周りを競争相手としかみなせない社員が多いようだ。
自分が他人より上に立てば、支配する側になって少しは安定した地位を確保することができる。
逆に、上司からにらまれ、攻撃される立場になってしまったら、追い出し部屋が待っているかもしれない。
このような状況では、自分が攻撃されないように、誰もが自分の身を守ろうとする。
切羽詰っている上司は、部下を育てたり守ったりする余裕なんかなく、支配あるいは攻撃の対象としてしか部下を見られなくなる。

最大の被害者はそんな支配から逃げられずにいる人々だ。

(つづく)

「他人の支配から逃げられない人」片田珠美 著
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