忘備録の泉

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幸福論(16)

2017-12-09 10:25:49 | Library
不幸の原因となる6つ目は「罪の意識」である。

⑥「罪の意識」
自分の中にある道徳観に沿わないことをすると、罪の意識にさいなまれて嫌な気分になる。
ラッセルはこれを「おとなの生活の不幸の根底にある心理的な原因」とした。
罪の意識は子どもの頃に形成され、大人になってからも人を縛るものであるからだ。
たとえば、子どもの頃に楽しい遊びを親から厳しく禁止されていたとすると、大人になっても、楽しい遊びは罪だという意識を引きずってしまう。
ラッセル自身が、祖母から受けた厳しいピューリタン的な道徳経験があり、そこから導き出されたものだろう。
だから、子どもに不合理な道徳観を植えつけることは、不幸の原因になると指摘したのである。

「解決策」
罪の意識は、ときに無意識の中に根を下ろし、それが不幸の原因となる。
ラッセルは、罪の意識をもつ原因が禁欲主義にあるとみている。
幼少期に不合理な罪の意識を起こさせるような愚かな教育をしてはいけない。
あまりに強力にそれを教え込まれると、それは無意識にまで浸透してしまう。
そんな罪の意識を克服するためには、無意識に働きかけることで、意識的な考え方を支配している合理的な信念に注目させる必要がある。
罪の意識は人に劣等感を抱かせ、その人を感じの悪い人間にし、人間関係を悪くしてしまう。
これを防ぐには、心の広いおおらかな態度が必要で、それを可能にするのが精神的統一だ。
理性によって無意識のレベルまで精神を統一していくことで、はじめて不幸をもたらす罪の意識は払拭される。

(つづく)
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