忘備録の泉

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団体行動(争議行為)(2)

2017-06-20 08:34:41 | Library
団体行動権についての特別な保護
憲法と労組法の定め
憲法28条では、「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」としている。
憲法28条を受けて、労働組合法では次のように定めている。
・刑事免責(労組法1条2項)
・民事免責(労組法8条)
・不利益取り扱いの禁止(労組法7条1号)

民事免責
労働組合の団体行動のなかで、使用者に極めて大きな打撃を与えるのがストライキだ。
ストライキは、集団的に労務提供をストップすることで、「同盟罷業」とも言われる。
労働者が労務を提供しないのだから、企業活動に大きな支障が生ずる。
大半の労働者が労務提供をストップすれば、企業活動はほぼ全面的にストップし、企業に多方面の損害が生ずる。
通常の取引(契約)では、企業から損害賠償を請求されるであろうが、労働組合が行うストライキでは、労働契約で定められた義務を果たさなくても、損害請求をされることはない。
ちなみに、正当なストライキの結果、第3者に損害が生じたとき、第3者は当該労使関係の使用者に対しても損害請求をすることはできない。

刑事免責
労働組合が行う団体行動には刑事免責が及ぶ。
しかし、労組法1条2項本文は、「刑法35条の規定は、労働組合の団体交渉その他の行為であって前項に掲げる目的を達成するためにした正当なものについて適用がある」としている。
刑法35条では、「法令又は正当な業務による行為は、罰しない」としている。
すなわち、労組法1条2項は、労働者の地位の向上を目的とする正当な団体行動には、刑法35条が適用されて、処罰されないことを定めている。

不利益取り扱いの禁止
組合が行った正当な団体行動に対して、使用者は不利益な扱いをすることも許されない。
労組法7条1号では、「労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもって、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすることをしてはならない」と定めている。

気を付けなければならないことは、上記のような特別の保護を受けるのは、あくまで「正当な」行動だけである。
正当と評価されない行動については、いかに組合活動といえども許されるものではない。
組合が行う宣伝活動などの場合も、虚偽の事実を記載したビラを撒いたりすれば、違法な組合活動として認定され、損害賠償請求をされることもありうる。
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