忘備録の泉

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残業の指示(1)

2017-05-19 08:56:19 | Library
使用者による残業の「明示」と「黙示」
労基法上の労働時間は、一般に「労働者が使用者の指揮命令の下に置かれている時間」と定義されている。
業務従事に関しては、使用者の明示または黙示の指示により、労務提供がなされたことを要する。
しかし、こと所定外労働時間については、個別的に使用者から労働に従事する指示があり、その指示通りに労働力の提供がなかったとしたならば、労働時間として認められない。
所定外労働時間の認定については、所定労働時間の場合と、同列に論じられない。
このため、実務においては使用者から残業の指示命令があったのか、なかったのか、といった点について労使のトラブルが少なからず発生する。

使用者が「明示」、すなわち口頭であれ書面であれ、労働者に対して明確に残業を指示する場合は比較的問題は少ないが、「黙示」の場合には大きなトラブルに発展する可能性を含んでいる。
「黙示」の指示とは、指示のなされたときのあらゆる状況から、言葉や文字で明確に指示されていなくても、実態的に指示があったと推定されるものである。
それゆえ、使用者は「残業を指示した事実はない」と主張し、他方、労働者は「使用者が残業の命令を明示していないが、指示された業務量は、とても所定労働時間中に終わるものではない」と、割増賃金の支払いをめぐり、裁判に発展することもある。

通達は、「使用者の具体的に指示した仕事が、客観的にみて正規の勤務時間内には処理できないと認められる場合のように、超過勤務の「黙示の指示」によって法定労働時間を超えて勤務させた場合には、この時間は時間外労働となる。」としている。(昭25.9.14 基収2983号)

(つづく)
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