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無期雇用転換の法改正

2017-09-10 09:42:39 | Library
労働契約法が改正され、2013年4月から「有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申し込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換する」ことが、企業に義務づけられました。
通算契約期間のカウントは、2013年4月1日以後に開始する有期労働契約からが対象です。
それ以前に開始した有期労働契約は、通算契約期間に含めません。
したがって、1年ごとの契約更新の会社であれば、通算で5年を超える有期契約が発生するのは、2018年4月1日以降ということになるのです。

また、「無期契約=正社員」という誤解している人もいますが、この法律では、あくまでも有期契約が無期契約になるだけです。
すなわち、「無期契約社員(または、無期パート社員)」という新しい身分の人たちが、生まれるということになります。
無期契約とはいっても定年制を設ける企業が大半のため、「定年までは、毎年契約更新することなく雇用が継続する契約社員」と言い換えることができるでしょう。
契約期間を除いては、基本的に、それまでの働き方が変わるわけではありません。

一方、企業にとっては、この法改正に対して、次の5つの対応策が考えられています。
▼有期社員の無期転換に備えた5つの対応策
(1)雇止め:有期契約が5年を超えないように契約終了する。
(2)無期契約社員化(処遇条件変更なし):給与など条件を変えず、無期契約にする。
(3)無期契約社員化(処遇条件改善):給与など条件を引き上げ、無期契約にする。
(4)限定正社員化:勤務地、職務、時間などを限定した正社員に転換する。
(5)正社員化:完全に正社員に転換する。


無期転換ルールを避けることを目的として、無期転換申込権が発生する前に雇止めをすることは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではありませんが、法改正施行間際には、かなりの雇止めも予測されます。
労務問題も増加することが予測されます。

2018年には「無期契約社員」が大量発生することが予想されます。
その年に雇用契約が5年を迎える人だけでなく、それ以前からその会社に有期社員として働いてきた人たちも、一斉に対象となるからです。
これも新たな労働関係の課題になりそうです。


厚労省の「有期労働者の無期転換ポータルサイト」より