BS世界のドキュメンタリー fan

世界中で作られたドキュメンタリーの中からNHKのスタッフが選んだ番組 ファンサイト

潜入 新薬開発の舞台裏  2月5日(月) 後9:10~10:00

2007-01-26 22:23:02 | Weblog
インドで、製薬会社に臨床試験の被験者を斡旋するビジネスが急成長中だ。新薬の効果を確認するには、患者が他の薬剤の投与や治療を受けていないことが条件となるが、2人に1人が1日1ドル以下の暮らしをしているインドでは、医療の恩恵を受けられない人々は山ほどいる。そうした患者が、いわば無料の薬を投与してもらえるのだと誤解し、臨床実験に次々と参加している。大手製薬会社が、先進国では合意がなければできない臨床実験データを、インドで安易に手に入れている実態をBBCの報道番組がリポートした。
調査を進めるうちに、被験者が薬の副作用や危険性を十分に説明されていないことが明らかになってくる。
また副作用で寝たきりになった患者も登場し、一家の働き手を失った家族は困窮を訴える。番組は最後に、世界には被験者ピラミッドが形成されつつあり、貧困という理由から第三国の患者が危険な人体実験にさらされている実態を放置している責任は、先進国側にあることを訴える。
番組では、ジョンソン&ジョンソン、グラクソ・スミスクライン両社のインド支部が取材に応じ、臨床実験に不備があったことを認め、インド当局も今後見直しが必要であるという認識を示した。
~Drug Trial : The Dark Side~ (原題)制作:イギリス/2006年

中国 一妻多夫の村  ~少数民族 ナシ族の暮らし~

2007-01-11 22:21:39 | Weblog
1月11日(木) 後9:10~10:00





中国雲南省の北西部、四川省との境界近くは、シャングリラ(桃源郷)と呼ばれるチベット族が暮らす地域。自動車で行くことのできる最後の町から、さらに馬を使って険しい山岳地帯を2日間移動して、ようやく辿り着ける辺境の村、俄亜(ウォヤ)。今回、世界ではじめて、雲南電視台が撮影した。住民の8割が、生涯を村から出ることなく暮らしていて、子供たちに「有名なサッカー選手を知ってる?」と尋ねると、全員一致で、「毛主席!」と答えるほどだ。
この村で最も重要視されるのが、家族の団結。そのため、現在も、兄弟が同じ女性と結婚する一妻多夫制が厳格に守られている。複数の女性が新しく家族に加わる事は、一家の不和につながると考えているためだ。この地域では、猫の額ほどの小さな農地があちこちに点在しているので、どの家族も、本宅から離れた場所に農作業小屋を持っていて、兄弟は交代でそこに寝泊りするため、妻を取り合う兄弟喧嘩は起こらないという。また、弟との間に生まれた子どもも、長男の子として分け隔てなく育てられる。
この村で、もうひとつ人間関係の潤滑油として欠かせないのがアルコール。「酒がなければ、何ひとつ成功することはない」という格言があるぐらいで、秋、収穫の季節を迎え、村人たちは小麦の収穫の9割を、醸造用に回してしまう。
中国最後の秘境の村をたずね、人々の風習や生活に触れながら、いつしかこの村が「幸福の谷」と呼ばれるようになった理由に思いを馳せる。 ~幸福山谷~俄亜印象~(原題)
制作:中国/2004年



アンデス 密林の民アシャニンカ 

2007-01-10 22:12:54 | Weblog

1月10日(水) 後9:10~10:00


ペルー中部アマゾン川流域の高地に暮らす先住民、アシャニンカの大自然に根ざした伝統の暮らしを描くドキュメンタリー。フランスの文化人類学者ジェロマン・パスツール女史は、先住民アシャニンカの暮らしを20年以上にわたり、カメラで記録し続けてきた。ジェロマンさんが向かうアシャニンカのパリジャロ村は、アマゾン川の上流、道なき道を2日間のぼり続けた高地にある。
毎年、一定の期間、ジェロマンさんは彼らと一緒に暮らしながら撮影を続けている。アシャニンカの人々は電気、水道、ガスのない暮らしを続け、近代的な医療にも頼らず、一族で結束して生きてきた。毒性のある木の根を川に流して、魚を気絶させる伝統的な漁法。木綿をつむぎ、芋焼酎を作る。サルが貴重なタンパク源。男性陣が狩猟に出かける。しかし、最近になって、この秘境でも、違法な森林伐採があとを絶たず、ペルー高地の氷河が温暖化で溶け始め、川が氾濫するなど、アシャニンカを取り巻く環境に異変が起きている。  
番組では、伝統的なアシャニンカの風習と暮らしを紹介しつつ、森林伐採など、現代社会の影響がここまで押し寄せている実態を映し出す。ジェロマンさんは、大自然と共生しながら生きてきたアシャニンカの暮らしを守るためにも、映像記録を今後も残していくとしている。                 ~Who Are You, Ashaninka?~(原題)
制作:フランス/2005年



はるかなるデナ山をめざす  イラン ~山岳遊牧民・カシュガイ族の大移動~

2007-01-08 01:56:11 | Weblog
1月8日(月) 後9:10~10:00



遊牧民の大移動を記録した2本シリーズ。1本目は、イランの遊牧民、カシュガイ族の大移動を同行取材した。
カシュガイ族はイラン南西部のザクロス山脈のふもとを広範囲に移動しながら生活を続けている。このうち、ベザドさん一家は、毎年、夏になると放牧地を求めてガルミルからカカンまで、400キロの道を6週間かけて移動する。気温40℃の炎天下、険しい峠を越えるために、ほとんど不眠不休の旅が続く。山岳地帯をぬける車に行く手を阻まれたり、遊牧民に冷ややかな態度をとる地元の農家と衝突したり。また、トラックを使った大規模強盗団から、自分たちの家畜も守らなくてはいけない。「昔はこんなことはなく、自分が行きたい方向に進むことができたのに・・・」とベザドさんは嘆く。移動の途中で疲れ果て、病気になってしまう女性。一族のみんなが遊牧民としての生活に満足しているわけではなく、「定住」を望む人もいる。
ベザドさんの娘は「父の年齢を考えると大移動はだんだん困難になっている。遊牧民としての生活はもはや意味がないのでは」と言う。しかしベザドさんの遊牧民としての誇りは大きい。最後に「父親がくれたこの杖(遊牧民のシンボル)は絶対に手放すことはない」と強く語る。

Last Chance Journeys
Iran: Journey of the Qashqa'i(原題)
制作:アイルランド/2004年



BS世界のドキュメンタリー「リベリア 再建への模索~内戦終結から3年~」

2007-01-06 10:50:05 | Weblog
アフリカ西部に位置し、アメリカの奴隷解放でアフリカに移住した人々によって建国されたリベリア共和国。2003年、14年にわたる内戦の末、アメリカの介入によってようやく平和を取り戻した。番組では同年10月の暫定政権発足から、2005年10月に実施された大統領選挙を経て、2006年1月に女性大統領による新政権が発足するまでのおよそ3年間を取材した。
~2006年 アメリカ ステファン ロス制作~


私を忘れないで  ~ダルフール難民キャンプの子どもたち~

2007-01-02 01:53:46 | Weblog
1月2日(火) 後5:30~5:55



スーダン西部のダルフール地方では、3年前から政府が支援するアラブ系武装組織ジャンジャウィードとアフリカ系の反政府勢力との紛争が続き、アラブ系武装組織がアフリカ系の住民の村を次々と襲撃している。これまでに20万人以上の一般人が虐殺され、世界最悪の人道危機と呼ばれている。
戦火を逃れるため、スーダン国内と隣国チャドの難民キャンプに押し寄せた避難民の数は200万人を超え、国際社会の支援が難民の数に追いつかない状況だ。灼熱の砂漠の真ん中にあるビニールを張ったあばら屋。配給される味気ない混合食糧とビタミン剤。劣悪な衛生環境がもたらすコレラや赤痢などの疫病。難民たちは、いつ終わるともしれない過酷な生活を強いられている。
難民たちの半数以上は子どもたち。15歳の少女・スマヤは幼い兄弟たちの面倒をみながら、心に傷を負った子どもたちの治療センターを手伝う日々を送っている。彼女の村が襲撃に遭ってから、この難民キャンプにたどりつくまでの体験も、子どもの目線で語られる。時に、キャンプを豪雨と砂嵐が襲い、病気が蔓延する中、ついにスマヤも体の不調を訴える。
キャンプの窮状は、ひところ欧米のメディアに大きく取り上げられたが、何の進展もないままに2年が過ぎ、今では報道も十分ではなく、いわば世界から忘れられた存在となってしまった。国際社会が今、この問題を本格的に解決しようと立ち上がらなければ、キャンプに暮らす200万人には近い将来、死が待ちかまえていると、この作品はスマヤの日常を通して静かに訴えかけてくる。

≪モンテカルロ・テレビ祭2006 特別賞 受賞作品≫

~Children of Darfur~(原題)
制作:デンマーク




大家族  ~中国 四世代同居の家~ 1月2日(火) 後3:10~4:00

2007-01-02 01:50:15 | Weblog

「祖父母から曾孫の代まで四世代が一つ屋根の下で暮らす大家族は、中国では古くから理想的な家族の形とされ、幸福の象徴だった。しかし、改革開放のうねりの中で、人々の価値観やライフスタイルが急速に変化し、都市部ではすでに核家族化が進み、その波は遥か遠い辺境の農村にまで押し寄せている。
中国南西部に位置する広西チワン族自治区の農村地帯。周家は、1975年から脈々と続く四世代同居の大家族で、村人たちの憧れの的であった。家長の周智は亭主関白で、何でも思い通りにならないと気が済まない性格の持ち主だ。1980年代にレンガ工場を設立し、村で最も成功した経営者となった彼は、家族にとっては、頼りになる大黒柱の存在だった。
そんなある日、周智が投資した20ヘクタールのほどの果樹園の事業が失敗し、一転して数十万元の借金を負う事になってしまう。貧乏のどん底に落ちたことで、それまで円満だった家族の間から不平や不満が噴出し、家庭の抱えていた矛盾が明らかになる。
長男の嫁は、周智の暴君のような性格に不満を募らせ、夫婦で大家族から抜け出したいと訴える。長女は、親から押し付けられた縁談に対し我慢の限界に達している。次女は次女で、夫の無能ぶりに呆れて、姉ともども家を出たいと言い出す始末だ。
周知は、二百数十年続いて来た大家族を守ろうと奮闘するが、一度権威を失墜してしまった家長が、自由を求める若い世代の考え方を変えることは難しそうだ。現代の中国で変わりゆく価値観を、ごくありふれた庶民の生活の中に見る。

≪上海テレビ祭2006ドキュメンタリー部門 最優秀審査員賞受賞作品≫

~The Big Family~(原題) 
制作:中国/2005年




緊迫の52時間  ロシア ベスラン学校占拠事件~前・後編 1月2日(火)

2007-01-02 01:48:49 | Weblog
2004年9月、ロシアの北オセチア共和国ベスランで、チェチェンの武装勢力が小学校を占拠。事件は、330人が死亡、うち186人が子どもという悲惨な結末を迎えた。この番組は、事件がなぜ悲惨な終わり方をしたのかを探るために制作された。ロシアとイギリスによる合同取材班が現場を訪れ、生存者(子どもとその親)、武装勢力との交渉にあたった人物、当局関係者への詳細なインタビューを交えて、事件が起きた背景から結末に至る3日間のプロセスを時系列で追い、事件の全貌に迫った。
事件が起きて2日目、水が絶たれ、体育館に900人以上の児童及び保護者が詰め込まれる中、武装勢力との交渉役としてイングーシ元大統領がモスクワから送り込まれた。その結果、乳児とその母を解放させることができたものの、大半は体育館に留め置かれ、2日目の夜を迎える。さらに送り込まれた交渉役の小児科医は「水がなくても子どもは8日間、生きられる」と発言し保護者の怒りをかった。膠着状態のまま迎えた3日目、第3の交渉役とされる、当時逃亡中のチェチェン大統領が到着する直前、突如、ロシア軍による銃撃が始まり、体育館が焼け落ちるという結末を迎えた。
政府当局がとった策は正しかったのか。これほどの犠牲者を出さなければ解決できなかったのか。様々な謎が解明されないままベスランでは、ロシア政府に対する怒りと悲しみが今も渦巻いている。交渉役となったイングーシ元大統領、小児科医、及び北オセチア警察幹部はインタビューに答え「政府の指示に従っただけ」と語り、悲劇的な結末をさけられなかったことに対する苦渋をにじませた。

≪イタリア賞2006 時事ドキュメンタリー部門 最優秀賞 受賞作品≫

~The Beslan Siege~(原題) 
制作:イギリス/2005年




第九交響曲物語  ~ベートーベン 自由への祈り~ 12月29日(金)後9:10~9:54

2006-12-23 01:46:19 | Weblog

ベートーベンの「交響曲第9番」は、言語、人種、政治観とイデオロギーの違いを問わず人々の心に響き続ける不思議な力を持つ。
番組は、ベートーベンの自伝を描いた映画や数々のコンサートの映像を用いながら、第9を通して彼がどのように哲学、政治や歴史とに関わってきたかに注目する。
第9はなぜ革命の祝歌でありながら、神聖な賛美歌になりうるのか?また、ナチス、マルクス主義者、国家主義者や民主主義者などにどのような影響を与えたのか、そして、ベートーベンが訴え続けた音楽的、政治的「自由」の意味を追求した作品である。

原題:The Ninth An exceptional destiny
制作:13 Production(カナダ) 2005年





BS世界のドキュメンタリー「エイズ対策・写真の少女~南アフリカ」

2006-12-22 01:44:08 | Weblog
放送日 :2006年12月22日(金)
放送時間 :午後9:10~午後10:00(50分)

3年前エイズ対策基金ポスターのモデルとなった南アの少女。3000億円以上が集まったが、彼女に治療薬は届いていない。基金がどこに消えたのか、仏TV局が検証する。