カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
講演依頼等連絡先は、tenki@air.ocn.ne.jpへどうぞ

風化してはならない!兵庫県南部地震発生から23年!

2018-01-17 01:15:00 | 日記
兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)から、本日で23年が経ちました。

この地震、神戸という大都市のほぼ直下で発生した直下型大地震で、神戸や淡路島を中心にした阪神地区に未曽有の大被害をもたらしました。が、いつまでも、防災上の観点から、この地震の特徴・教訓は語り継がなければなりません。

本日は、この立場から、本ブログで記した記事を抜粋し、兵庫県南部地震というものを語っていこうと思います。

以前、本ブログにて記述したように、この兵庫県南部地震、建造物にダメージを及ぼしやすい周期の地震波が卓越した地震ということでした。
今一度、平成23年3月に発生した東北地方太平洋沖地震での速度応答スペクトル図(任意の固有周期を持つ建造物が地震でどのようは速度を観測したかを図示したもの)
を引用図①(東京大学地震研究所HPより引用)をご覧ください 。




周期1秒以上の地震波が、木造家屋への影響が大きくなるもので、鉄筋や鉄骨建造物も同様です。それに、建造物の階数がより高くなると、影響を受けやすい地震波の周期は大きくなります。
さらに、速度応答スペクトルが周期1秒以上で200㌢毎秒以上になると、建造物に壊滅的な被害が生じるようになります。

ご覧のように、東北地方太平洋沖地震での築館、塩竃、日立では、応答速度が100㌢毎秒以上の固有周期は1秒以下なのに対して、兵庫県南部地震でも、神戸市中央区葺合と須磨区鷹取の速度応答スぺクトル値を見ると、
周期1秒以上で200㌢毎秒以上をなっております。故に、兵庫県南部地震では、建造物にダメージを及ぼしやすい地震波が卓越したといえるわけです。

さらに、昨年発生した熊本地震での、熊本県益城と熊本での速度応答スペクトル図(防災科学技術HPより引用)を引用図②で紹介しでみました。


◇4月14日21時26分発生

益城


熊本



◇4月16日1時25分発生

益城


熊本


ご覧のように、昨年の熊本地震(4月14日21時26分と 4月16日1時25分)においては、益城、熊本いずれも、周期1秒以上で速度100㌢毎秒以上、益城では、4月14日、4月16日双方発生の地震でも、
速度200㌢毎秒を観測した周期が1秒以上の周期に見受けられます。


よって、昨年の熊本地震でも、兵庫県南部地震ほどではないにせよ、建造物のダメージを及ぼしやすい地震波が卓越した地震であるといえるでしょう。


兵庫県南部地震や熊本地震のように、建造物にダメージを及ぼしやすい地震波はどのような地形やメカニズムにして発生するか?ですが、

Ⅰ:基盤の上に表土層が堆積している箇所(火山の近隣など)

Ⅱ:地震発生する地殻の破壊が、ドミノ崩しのごとく、連鎖的になっていた。

ことがあげられますね。



※大阪府や京都府も甚大な被害であった!!最後に未曾有の大被害をもたらした兵庫県南部地震ですが、京阪神地域(兵庫県、大阪府、京都府の被害状況について記しました、ご参考にしてください!(気象庁発刊、㍻9年兵庫県南部地震報告より、震度分布は気象庁、JR,各自治体、阪神高速道路公団発表地震加速度値より筆者が推定したもの)

<兵庫県>
※神戸市、淡路島北淡町、津名町、一宮町、宝塚市、芦屋市、西宮市の一部で震度7を観測

死者:6394名 行方不明:2名

負傷者 :(重傷)857名 (軽傷)31497名

全壊家屋:103934棟 半壊家屋:136096棟 一部損壊家屋:240030棟


<大阪府>
※大阪では公式発表震度は4であったが、現行の震度算出方式では計測震度4・55(現行では震度5弱)であった。大阪市、豊中市、池田市、吹田市の一部地域では、震度6弱以上を観測したものと推定される。

死者:30名 

負傷者:(重傷)175名 (軽傷)3414名

全壊家屋:895棟 半壊家屋:7221棟 一部損壊家屋:87879棟


<京都府>
※京都市の公式発表震度は5 現行では震度5強、京都市一部や亀岡市などの一部地域では局地的に、現行震度では震度6弱程度の揺れがあったものと推定される。

死者:1名

負傷者:(重傷)3名 (軽傷)46名

全壊・全焼家屋:3棟 半壊・半焼家屋:6棟 一部損壊家屋:2741棟




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。