☆穂の国PECS研究会☆

愛知県東部・穂の国PECS研究会ブログです。平成21年1月、活動を開始。勉強会などの活動内容をお知らせしていきます。

☆穂の国PECS研究会☆について

□■□“PECS”とは  ピラミッドジャパンHPより □■□
絵カード交換式コミュニケーションシステム(PECS) は、1985年に開発されました。自閉症やその他のコミュニケーション障害を持つ子どもから大人にコミュニケーションを自発するように教えるためのユニークな拡大/代替コミュニケーショントレーニングのパッケージです。デラウエア州自閉症プログラムで最初に使用されてから、PECSはコミュニケーションの自発の要素に焦点を当てたものとして世界的に認知されています。PECSは、複雑で高価な教材を必要としません。教師、施設職員、家族なども作ることができ、様々な場面で簡単に使用できます。
(詳しくはピラミッドジャパンHPにてご確認ください)


□■□ 穂の国PECS研究会 □■□
ピラミッド教育コンサルタントが主催するPECS 2DAYSワークショップを受けた受講者同士が、各地域で相互にPECSの実践技術を深め学び合うことを目的とし、日本PECS研究会が設立されています。穂の国PECS研究会は、日本PECS研究会の支部で、愛知県の東側の地域を中心に活動しています。
穂の国PECS研究会では、「定例会」「MLでの情報提供」「ブログでの活動報告」を活動の柱としています。このブログは穂の国PECS研究会の活動内容をお知らせするブログです。

*定例会は、2ヶ月に1度のペースで開催し、PECSマニュアルに基づいた勉強会や、ロールプレイによる実践の練習、事例の報告や検討などを行います。
*MLは、穂の国PECS研究会会員を対象に実施しています。

会員資格:「PECS 2days」を受講済みで、PECSについてもっと勉強したい人
会費:年会費等無料
定例会:2ヶ月に1回(参加費:会員500円、非会員600円)

お問い合わせはブログ右側サイドバーにありますメッセージをご利用ください。

H24 1月定例会の報告

2012-02-25 22:33:01 | 定例会
1月10日(火)に、1月定例会が、ひまわり園を会場に行われました。参加者は11名でした。

今回は、特別支援学校でのコミュニケーション指導の取り組みについて、ビデオを交えながら、
・PECS導入前にどのようなことをやっておいたか
→コミュニケーションマインドを高める、学ぶベースの力をつける、環境を整える等
・どのように導入していったか
→対象児と場面を選択する
・それぞれのお子さんに合わせてどのように指導を展開していったか
→例えば、好子が少ないお子さんに対して、自発的なコミュニケーションを増やすための工夫として、好子をカード化することに加えて、学校生活の中でコミュニケーションしなければならない状況を作ること、でコミュニケーションの機会を増やすようにしている。
→給食で「減らして」「いらない」と伝えるところから拒否を教えている。(穏やかにできるだけ適切な方法で拒否を伝えられるように。)
→言葉を補う、引き出すためにPECSを活用している。
といったことが話題提供されました。


協議では、(1)拒否の教え方について、(2)フェイズⅣ(2語文)へ移行するためのアイデアについて話題になりました。
(1)拒否の教え方について
・くすぐって→「やめて」や、お菓子を食べていて、「ちょうだい」→拒否
・病院での言語室は設定された場面なので、拒否が出にくい。「やりたくない」と伝えてきたことに対しては、交渉にする場合がある。
・病院(耳鼻科)は基本的に拒否を伝えてくることが多いため、見通しの持たせ方など工夫している。

(2)2語文への移行のアイデア
・言語発達に合わせたカードを用意することが大切。2語文は、組み合わせて別のものを作るという意味でもハードルが高い。
・2枚がセットになっているカード(例:1枚のカードの中に属性と名詞が分けて書かれている)を使う
・好子を2つ同時に要求する(文カードに2枚貼る)
・名詞と「ください」のカードのサイズを変えてみる。

参加者で話題を共有して深めることができました。


参加者の感想を一部紹介します。
☆「自発的に20回要求する」は、まだ課題の部分です。また、拒否を教えるという話は考えさせられました。小さい頃から適切な拒否の仕方を学ぶということは大切なことだと感じました。

☆拒否の教え方を改めて考える機会となりました。拒否は大切だと思っていましたが、生活の場面で、給食を減らすことで教える話は参考になりました。好子がなかなか広がらないのは共通の悩みです。

☆PECSでの要求が、病院の言語室と違い、対象が一人ではない場面での要求になるので、より実用的だと思いました。


次回の定例会が今年度最後になります。充実した定例会にしましょう。(担当:穂の国PECS研究会 世話人S)

H23 11月定例会の報告

2012-02-25 22:25:51 | 定例会
11月8日(火)に、NPO法人ゆうを会場に11月定例会が開催されました。今回は、15名の参加でした。

11月定例会では、①フォローアップセミナーの報告、②アメリカのピラミッド自閉症センターの視察報告がありました。


①フォローアップセミナーの報告
フォローアップセミナーで発表された事例について、参加者で話題を共有しました。

②アメリカのピラミッド自閉症センターの視察報告
代表からアメリカのピラミッド自閉症センターを視察した報告がされました。
教室内のレイアウト、スケジュール、PECSブック、手順書、好きなものリスト、褒め方リストなどについて写真をまじえての報告でした。具体的な教材を見ることで、気付きや新たなアイデアなどいろいろと浮かんだようでした。
最後に、子供達への支援を共通化していくために、「強化なくして学習なし」「言葉のプロンプトは使わない」など、子供と関わる際の基本的なルールが掲示されていると報告がありました。ついつい当たり前と思ってしまうことも、掲示しておくことで常に確認しながら、子供達への支援を進めていけると感じました。

国は違えども、子供たちへの支援は同じであること、子供達への一貫性・継続性のある支援を行っていくための工夫など、学ぶべきところが多くあり、充実した研修になりました。


参加者の感想を紹介します。
☆言葉のプロンプトは抜いていきにくいということが、支援していく中で意識が薄れて、つい、言葉のプロンプトをすることが多くなっていたことに今日、気付くことができて本当に良かったです。そして、褒めるタイミング、言葉も統一することで子供達の学んでいくスピードも違うだろうと思いました。

☆褒め方(どのくらいのことで褒めるのか)を掲示してあるのは、とても良いなと思いました。支援者が子どもを共通理解して、効果的な強化や支援ができると感じました。

☆スタッフ向けの言葉、ズッシリきました。大事にしたいことはたくさんありますが、優先することはしっかりと考えて、共通理解してやっていきたいです。

☆同じ方向でやっているものもいくつかあり、自信になりましたが、足りない部分やもっと工夫できる部分、前に進める部分があると思うので、できるところから考えていきたいと思います。


(担当:穂の国PECS世話人 S)