yama room

山コンビ大好き。

ブログではなくて妄想の世界です。

きらり

Another World 後

2017-04-04 20:21:08 | Another World




このAnother Worldですが、私の見通しが甘過ぎたせいで前後編どころか
前→ 中→ 後→ 完 となってしまいました💦下書きは1枚だったのに💦
すみません。。
次回で終わります。










家に着いた時には日も落ち、あたりはすっかり暗くなっていた。





「ただいま」



誰もいない部屋に向かって独り言のようにつぶやく。


部屋の中はいつもと変わらずうす暗くて、少し肌寒い。


照明をつけながら部屋の中へと入っていく。


そしてお風呂のスイッチを入れ


ポットでお湯を沸かし


ふうっとため息を一つついた。








そしてまたあの人の事を思い出す。


いや、違う。


帰りの道中でも、


電車の中でも、歩いていても、タクシーの中でも


ずっとあの人の事を考えていた。


あの人の訴えるような言葉。


今にも涙が溢れだしそうなのを堪えている顔。




ずっと


ずっと頭から離れなかった。




コーヒーを入れ部屋の窓から外を眺める。


そこには見慣れた東京の煌びやかで美しい夜景が広がっていた。


それを見ながらコーヒーを一口、そしてもう一口と口に運ぶ。


そして一息つくと、自分の家の中の雑然とした部屋を見た。




もうこの生活がどのくらいになるだろうか。


あれから、数年。







お互い早く子供ができる事を望み
暫く家庭に入っていた彼女だったけど
その願いはなかなか叶わなかった。


どちらに原因がある訳でもない。
それでも、いつまでたっても叶わぬ思い。
こういう場合、原因のない時の方がかえって難しいのだと医師は言った。
それでもありとあらゆる方法を試す。


だんだんと自分の存在がその目的のためだけにいるような
そんな気分になってくる。
そんな日々が続き、本当に好きだったのかどうかさえ
分からなくなってきていた。


確かに年齢の事もある。
周りからの大きなプレッシャーもある。
無期限でないってこともわかっている。


でも。


どうにもならない苛立ちと焦り。
それを、お互いどこにぶつけていいのかわからず
いつしか二人の間には大きな溝ができてしまっていた。


多分、彼女もそれを感じていたのだろう。
家にこもっているとその事だけしか考えられなくなって
お互い余裕がなくなり、息が詰まるような毎日。


もう、ダメだと。


お互いがもう、許容範囲を超え、爆発寸前だという時。


彼女は外に出た。


以前活躍していた場所に、救いを求めた。





そしてそれはいつしか大きな割合を占めるようになった。


家庭よりも、


そして自分よりも。


そしてそれは皮肉なことに、家庭にいる時よりも


数十倍キラキラして輝いて見えた。



そしてその状態に、なぜだか凄くほっとした。






『こんばんは、サクライ ショウです』


いつもの時間。
いつもの日常。


ここには必死に築きあげてきたものがある。
全てを知り尽くしたプロデューサー。
気の合うスタッフ、そして共演者。


ここは、とても居心地のいい空間だ。


でも。


ここまで来るにはそれ相応の時間や労力がかかったことも事実だ。
小さな事から少しづつやりたい事をやらせてもらえるようになって
そして今は本当にやりたい事だけをやらせてもらえるようになった。


精力的に取材をし、調べ上げてきた事を伝え、それ相応の評価を得る。
自分の望んできた世界がここにある。
そして家に帰れば、同じように第一線で働く妻がいる。


内外共に充実した幸せな生活。


そして羨望の眼差し。



それが周りから見た自分の姿。





「……」


けど、実情は家に帰ってもすれ違いで誰もいない家。
お互い忙しくて、家の中まで構っている暇もなく雑然としていく部屋。
すでに家庭としての役割は破たんしていた。


こんなはずじゃなかったんだけどな。


そうは思ったが、もう元には戻れない。


自分の事


相手の事


自分の築き上げてきたもの。
仕事、地位、信用、知識、財産、友達…
そして相手の立場、家族、地位、権力…


もし二人の間に何かあれば、全てを失ってしまうだろう。


だからこのまま突き進むしかないのだ。
この話が周りを固められ、自分の意思とは関係なく
進んでしまった時の様に。


昔から自分自身漠然とした夢があった。
思い描いていた人生の設計図があった。


そして。


そんな中でもその人生設計図にちゃんとのっかっていると思っていた。
でも現実は違った。


付き合い始めの勢いだけで、ここまできてしまった。
本当に好きだったかどうかなんてもうわからない。


けど突き進むしかなかった。









いつも智くんの笑顔を見ているのが好きだった。
他の人には真似できないくらいの圧倒的な
ダンスパフォーマンスにいつも夢中になった。
透き通るような歌声を聞くたびに聞き惚れていた。


バラエティ番組での言動にドキドキしながらも
その姿を見るのが好きだった。
時にはハラハラしながら心配したり、笑ったり、見つめ合ったり。


大好きだった。


5人で一緒にいる時も。
二人でまったりと過ごす時間も。


テレビ番組や雑誌の企画で数え切れない位色々やらせてもらったけど。
でもそれだけじゃない。
テレビを見ながらサッカーや野球を見て盛り上がったり
一緒に笑って、泣いて、お酒を酌み交わして、ご飯を食べて。


そして


キスして
手をつないで
抱き合って
一緒に眠って。


自分の人生で、これほど夢中になれた人に今まで出会えていない。


あの人を超える人はまだいない。


愛していた。


なのになぜ、手を離してしまったのだろう。











いつも一人になるとあの頃の映像を眺めていた。


あの頃の自分を思い出していた。


あの日。


車を降りるまで、ニノは押し黙ったままだった。


「もし、全てを清算するのなら大野さんの事、譲ってもいいよ」


そして車を降りる直前、ニノはそう言った。


でも、何も言えなかった。


「でもそんな事、翔さんにはできっこないよね。
でも安心して? 俺が大野さんの事は守り抜いて見せるから」


そう言って、ニノは真っ直ぐな目で見つめ、そしてニコッと笑った。












『それでは今日の新しいニュースからお伝えします』


いつもの時間。
いつもの日常。


自分の築き上げてきた世界がここにある。


自分の人生設計。
気の合うスタッフ。
何不自由ない暮らし。


思い描いていた人生。


でもその為に手離してしまった



大切なもの。





帰宅しても誰もいない家。


薄暗い部屋。


一人の食事。


雑然とした部屋。


一人で見るテレビ。


一人で過ごす時間。


一人で寝るベッド。





そして部屋の中には十分過ぎるほどの高価な装飾品。





でもずっと何かが足りなかった。





テレビの中での彼女は世界中を飛び回っていた。


その姿を見ながらいい笑顔をしているなと思った。


家にいる時よりもキラキラ輝いていて生き生きとしている。





その姿を見つめながら





自分がいなくても、この人は十分に生きていけると







そう思った。





ジャンル:
ウェブログ
コメント (6)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« Another World 中 | トップ | Another World 完【前】 »

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
何か淋しいです (白紙)
2017-04-04 23:42:12
 一緒になるのに理由が必要で、一緒にい続けるにも別れるにも、やっぱり言い訳が必要になっているようで、ちょっと淋しくなりました。智くんの気持ちを知ったら、何もかも捨てて駆けつけてほしいけど、「もう、ひとりでも大丈夫だよね。」なんて言われて、離れられたら、そちら方も辛そうで。お話だと分かっていても、どこかで本当に起きている出来事のように感じて、勝手に思い悩んでおります。きっと、当人たちはもっと悩んでいるはず!体調に気を付けてください、完結編を楽しみにしております。
白紙さんへ (きらり)
2017-04-05 20:02:38
白紙さん、コメントありがとうございます。

この話を書いたのは、あの写真に危機感を感じ
この先何があっても覚悟をしておかなければいけないなと思った事がきっかけです。
でも心のどこかでは智さんの事はやっぱり特別なんじゃないかなとも思っているんですよね。
そして、もし、そう言う状況になってしまった時。
翔くんは何を考えどう行動するかなと思ったら、
本当は何も考えずに智さんのもとに行って欲しいのですがそうもいかないのかなって。
でもそういう理由と言い訳が必要な状況はやっぱり淋しいことですよね。難しいですが。
完結編を楽しみにしていると言って下さって嬉しいです。いつも励みになっています♪
ありがとうございました♪
お久しぶりです。 (ルクパト)
2017-04-05 22:54:11
ご無沙汰しております。ルクパトです。

智くんも36歳となって、嵐もこれから年齢を重ねていくとどうなってしまうんだろう。と、漠然と考えていましたが。
でも5人が、お山が大好きなのでそこから目を反らし、目の前の彼等を応援していました。

そこに翔くんの記事。それから「サトラジ」が終わってしまったこと。
ラストの回はとっても温かくて、寂しいけれども幸せな
な有終の美でした。
そして。当たり前のことはいつまでも当たり前ではないんだと気付いた次第です・・・。


お久ぶりなのに、話が逸れてしまってすみません。
智くんの気持ちを考えると辛くて。悲しくて。
翔くんの人生の設計図と。智くんとずーっと一緒にいたかった本心と。どう選択するか・・・。難しいですよね。
ニノは。優しいです。そして智くんが幸せになることを本当は望んでいるような気がして。切ないです。

山の二人を見ていると。お互いを信頼し尊敬し大好きなんだろうなあ、と考えてしまう自分がいます・・・。

長々と書いてしまいすみません。
私も完結編を楽しみに待っています♪

ルクパトさんへ (きらり)
2017-04-06 20:31:16
ルクパトさん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。

5人があまりにもいい雰囲気なので、このままずっと今のままでいるんじゃないかって
つい錯覚してしまいそうになりますが、実際は年齢の事であったり
サトラジの事もそうですが少しづつ変化してきているんですよね。寂しいですが。
でも本当にいつも当たり前にあったサトラジが終わるなんて考えたこともなかったです。

今回、翔くんの事は本当に私にとってとても衝撃的な出来事で
いまだに真実が定かでもない続報を目にするたびに心が揺れています。
でもこれを題材にすることで、少しでも救われる方がいたらいいなとも思っています。
ニノちゃんを含めまだ辛い展開ですが。

山の二人は本当にお互い大切に思っている感じがしますよね。
二人の言動にもよく表れている気がします。そしてその二人の姿をずっと見ていたいですよね。
完結編を楽しみに待っていると言って下さって嬉しいです♪
ありがとうございました♪
お久しぶりです。 (桃)
2017-04-17 18:01:51
引っ越しや風邪引きで落ち着かない日が続き、コメントするのは本当に久しぶりなのですが、どのお話しも何度も読ませてもらっています(*^^*)
翔くんのあの記事は確かに記事そのものの信憑性より、いつかこういう日が来るのか、、と思ってしまって、なんだか心がザワザワしました。でもやっぱり何年も何年も見てきた方の二人(山)の関係性のほうがとてもしっくりきて、大切さが見て取れるのは間違いないので、今目の前にいるこの人たちを見続けたいと、あらためて思いました。
お話しにしてくださって、そんな気持ちも自分なりに整理できてきた気がします♪
いつも本当にありがとうございます。完結編楽しみにしています!
桃さんへ (きらり)
2017-04-17 22:12:06
桃さん、お久しぶりです。
お引越しや風邪など大変でしたね。
そんな中でも、コメントそして何度も読んで下さってるとの嬉しいお言葉ありがとうございます。

本当に翔くんの記事は心がザワザワしましたね。
今もまだその関係の記事が出るたびに心がザワつきます。
でも話にしたことで整理ができたなんてすごく嬉しいことです。
私も話にすることで自分の中で整理しているのかも知れないなって思いました。
そして私も目の前にある二人を見ていこうと思います。
やっぱり二人の空気感がすごく好きで、特別な存在なんですよね。

こちらこそ楽しみだと言って下さって嬉しいです。
ちょっと予定より大幅にオーバーしご迷惑をお掛けしてしまっていますが💦
ありがとうございました♪

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。