ほんさん徒然日記

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珈琲焙煎

2017年05月22日 | 日記

珈琲を自分で焙煎するようになって30年ぐらい経つ。

きっかけはヨーロッパを巡演して回っていた時、本場の珈琲は美味いと感心したことである。

20代の後半、ドイツ、フランス、イタリア、ポルトガル等を演劇の公演で回ったことがある。

その頃、鈴木忠志の下でいわゆる前衛劇をやっていた。

鈴木忠志との出遭いは自分の人生を決定的に方向付けてしまった。

現在も演劇にこだわって居れるのは、23歳から28歳ぐらいまでの5年間、彼の下で修業したおかげである。

演劇の師匠である鈴木忠志のことはいづれ書き記して置きたいと思うが、今回は珈琲のこだわりについて。

ヨーロッパを1ヶ月ほど巡ったが、どこの珈琲も美味しかった。それまで日本で飲んでいた珈琲とは一味違った。

特に、イタリアのエスプレッソはまるで違う飲み物だった。ビターチョコのような味がした。

日本に帰って同じような味を探していたら、劇団の仲間が吉祥寺の井之頭公園の入り口にある「もか」の珈琲を教えてくれた。(店主の標さんが亡くなられて、店はもうないと思う)

「もか」の珈琲はヨーロッパで飲んだ珈琲に勝るとも劣らない美味しい珈琲だった。

すっかりファンになって、東京在住中はずっと愛飲していたが、37歳の時にUターンして田舎に引きこもった。

珈琲の焙煎を始めたのは、田舎に気にいった珈琲がないからである。

はじめは地元の焙煎して喫茶店に卸している卸業者から生豆を分けて貰ってそれを網で煎ったり、電気式の珈琲ロースターで煎っていた。

それがだんだんエスカレートして、現在は直接イエメンから買い付けるグループに入り、特別な豆を購入したリ、ネットでスペシャリティ珈琲生豆を取り寄せている。

ロースターは、300gが煎れる手回しのサンプルロースターを自分流に改造した。

内部にマイナスイオンが出るという医王石なる金沢の石を張り付けてある。

上手い珈琲を飲みたい一心でいろいろと工夫して来た。まず、生豆はハンドピックで虫食い豆や、発酵豆等、丹念に取り除く。

これが中な容易ではない。一粒づつ良く見ないと見逃してしまう。一見きれいな豆に見えても良く見ると虫が汁を吸った小さな穴が開いていて、その中が緑色にかびている。この豆を見逃して焙煎するとカビのにおいが全体に回って美味しい珈琲が出来ない。

選別が済んだら、お米を研ぐようにガシガシと豆を洗う。これは普通の業者はやらないことである。

私の場合、焙煎する時に豆の表面に薄皮(シルバースキン)が張り付いていて、これが飛び散って台所のコンロの周りが皮だらけになることから始めたのであるが雑味が無くなり、すっきりとした味わいになるという効果もある。

また、豆を洗ってみると大変に汚れていることが分かる。いくら、熱で焦がすから、ばい菌は死んでしまうとはいえ、埃の類がまとわりついているものをそのまま焙煎していることに変わりはない。それも隠し味という人もいるが…それが嫌で何度も水を取り換えて洗う。

そんな訳で私の珈琲は特別に高くつく。手間暇が掛かっているし、ハンドピックで半分ぐらい捨てることもあるのである。

では、味はどうかというと、美味しく煎り上がる時もあれば、いまいちの時もある。

 


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