☆現代社会★~ブログ~

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○6カ国協議と北朝鮮問題○

2007-10-12 09:51:01 | Weblog
北京で続けられていた6カ国協議で大きな進展があった。北朝鮮が寧辺の核施設の無能力化など米国の要求を受け入れ、見返りに重油などの供給を受けること、さらにアメリカによる「テロ支援国家指定の解除」などの約束を取り付けたようである。
それて歩調合せるように7年ぶりに南北首脳会談が開かれ、朝鮮戦争終結宣言に向けた協力を共同宣言に盛り込んだ。南北融和が進み、6カ国協議での進展とあわせ、一挙に融和ムードが進んでいるが、実態はどうなのだろうか。日本が懸案とする「拉致問題」には進展はない。日朝協議もはかばかしくない状態が続いている。
一方で、今回の核問題をめぐる北朝鮮の態度変化を金正日総書記の方針転換にあるという見方も出てきている。

アメリカ・韓国・中国とこのところ北朝鮮と親密に接近している中で日本だけがカヤの外で取り残された状態だ。「拉致問題」に進展がない限り北朝鮮への経済援助もしないというのが日本政府の基本方針だ。しかし、このままの状態が続いていいというわけにはいかないだろう。手詰まりの状態を打開する方針があるのかどうか。



6カ国協議、寧辺核施設の無能力化などで北朝鮮合意
10月4日6時15分配信 ロイター

[北京 3日 ロイター] 中国が発表した6カ国協議の合意文書によると、北朝鮮は、寧辺の核施設の無能力化やすべての核計画を年内に申告することで合意した。今後は北朝鮮による履行が焦点となる。
 合意を受け、北朝鮮には将来的に見返りとして重油100万トンに相当する支援が与えられ、米国は北朝鮮のテロ支援国家指定解除に向けて動くことになる。
 6カ国協議は30日、各国の首席代表が共同文書案を本国に持ち帰って承認を得るため、2日間の休会に入っていた。共同文書は、各国代表が調印した後、議長国の中国が発表した。北朝鮮は対象となるすべての核施設を無能力化し、2007年12月31日までにすべての核計画の完全かつ正確な申告を行うことに合意した。
 今回の合意について、日米政府からは評価の声が聞かれた。ブッシュ米大統領は合意を歓迎するとし、町村信孝官房長官は「最終的に日本が評価できる内容だ」と述べた。
 米国は他の5カ国の要請により無能力化に向けた活動を主導、当初資金を提供する。さらに、無能力化への準備のため2週間以内に訪朝する専門家グループを米国が主導する。
 北朝鮮は、核物質・技術およびノウハウを移転しないとの約束を再確認した。
 一方、米国による北朝鮮のテロ支援国家指定解除の具体的時期は文書に盛り込まれず、北朝鮮の行動と並行してコミットメントを履行するとの表現にとどめた。
 ブッシュ大統領は前週、北朝鮮に対する2500万ドル相当の支援提供を承認、これにより5万トンの重油が北朝鮮に提供されることになる。中国や韓国はすでに燃料供与を実施、ロシアも今後同様の措置をとる見通し。日本は拉致問題の進展がなければ参加しないとしている。
(引用終わり)


朝鮮戦争終結へ協力、南北首脳が「宣言」に署名
10月4日14時45分配信 (読売新聞記事から)


 【ソウル=竹腰雅彦】北朝鮮訪問中の盧武鉉(ノ・ムヒョン)韓国大統領と北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は4日午後1時、第2回南北首脳会談の合意事項として、朝鮮戦争(1950~53年)の終結宣言推進などを盛り込んだ「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」に署名、発表した。

 南北首脳による宣言は2000年6月の第1回首脳会談で採択された「南北共同宣言」以来。南北関係は当面、南北関係発展・平和繁栄宣言を軸に進むことになるが、残り任期約5か月の盧政権がどこまで履行し、次期政権に引き継げるかが課題となる。

 宣言は8項目からなり、〈1〉2000年の第1回南北首脳会談の共同宣言の順守〈2〉南北の相互尊重、信頼関係構築〈3〉南北間の軍事的緊張緩和のための緊密な協力〈4〉朝鮮戦争終結と恒久的平和体制構築のため、当事国の3者または4者の首脳による終戦宣言の推進〈5〉「民族経済」の均衡的発展〈6〉歴史、文化、スポーツなどでの南北間協力推進〈7〉南北間人道協力の推進〈8〉国際社会での南北協力強化――を盛り込んだ。宣言には北朝鮮の核問題について、「6か国協議の合意履行に南北が共同で努力する」とした。
(引用終わり)

(設問1)6カ国協議でどのような合意がなされたのか。

(設問2)なぜ、この時期に6カ国協議の進展があったのだろうか。

(設問3)この合意に対して日本政府はどのような立場にあるのか。

(設問4)南北首脳会談でどのようなことが合意されたのか。

○郵政民営化と凍結法案の消滅○

2007-10-05 10:28:21 | Weblog
安倍総理の辞任とその後の自民党総裁選挙の騒動の陰で、結局、忘れ去られてしまった法案があった。郵政民営化凍結法案である。民営化のスタートとなる10月1日が近づき、日本郵政公社のCMが流される中で、民営化の議論はどこかに雲散霧消してしまったかのようである。

参院選挙後の8月初旬、民主党は国民新党などとともに参議院に「郵政民営化凍結法案」を提出したが廃案となった。野党内の協議が進まないまま、9月となり臨時国会が召集されたが、安倍総理の辞任で国会は自然休会となり、野党間の足並みがそろわないままタイムリミットを迎えたようである。



国民新党、郵政民営化凍結法案めぐり民主党と綱引き

2007年09月14日19時51分

 民主、国民新両党の幹事長が14日、東京都内で会談し、国民新党が求める郵政民営化凍結法案の共同提案について協議したが結論が出ず、週明けに小沢代表と綿貫代表で話し合うことになった。共同提案に消極的な民主党に対し、凍結法案を最重視する国民新党は不満を強めており、参院選で選挙協力を進めきずなを深めたはずの両党の連携にさざ波が立っている。

 参院選後、小沢代表は綿貫代表と接触を重ねるなど、凍結法案の共同提案をテコに参院での統一会派結成を模索した。ただ、国民新党は「独自性が失われる」と、統一会派構想に難色。一方、民主党は提出を予定する法案をほかにも多く抱えており、直嶋正行政調会長が「10月1日(の民営化移行)は目の前。出す意思はない」と語るなど共同提案に否定的だ。



郵政民営化凍結法案提出を断念 民主、国民新

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 民主、国民新両党は19日、郵政民営化凍結法案の今国会提出を断念した。民主党の小沢一郎代表は法案提出に応じる代わりに、国民新党との統一会派結成を模索していたが、10月1日の民営化スタートが迫る中、調整がつかなかった。

 同法案は8月の臨時国会で共同提出し、廃案となった。国民新党は議員数が少なく、単独で法案を提出できない。

 国民新党の亀井久興幹事長は19日、民主党の山岡賢次国対委員長と国会内で会談し、統一会派結成の条件として、(1)凍結法案の早期提出(2)民営化見直し法案の提出(3)参院に郵政民営化問題を扱う特別委員会を設置-を求めた。しかし、山岡氏は「じっくり検討し、態勢を整えよう」と述べるにとどめ、合意に至らなかった。

 このため、両党の統一会派構想は遠のいた形。今後、社民を加えた3党で、民営化の問題点を検証していく。

(2007/09/19 20:26)


日本郵政公社のCM

「ひとりを愛せる日本へ」というキャッチフレーズで、民営化によってもいままでどおりの郵便局のサービスを利用できると訴えている。
日本郵政公社ホームページ

では、民営化によって何が変わるのだろうか。
一部、為替や口座払い込み手数料が値上げされ、民間銀行と料金の差があったものが、変えられている。民営化によって料金が引き下げられるものもあるが、民業圧迫の批判を受けて銀行との料金差がなくなるようになっていく可能性はある。郵政事業の収益源は基本的に手数料収入であるから、郵便料金や振り込み手数料などは今後引き上げられていくのは必至だと言われている。

郵政民営化のほんとうのねらいは、郵貯と簡保をあわせて350兆円にのぼるという資金のゆくえである。従来、郵貯の資金は財政投融資資金として国内の公共事業に投資されてきた。民営化によって今後は民間事業にも投資されることになるが、この膨大な資金を国内だけでは運用できないから、海外に資金が流出していくだろうと言われている。(アメリカなどのねらいはこうした資金が米国債の購入に使われることだろう)※アメリカは郵便事業は民営化されていない。

(参考)ウィキペディア「郵政民営化」
   NHK週刊こどもニュース「郵政民営化とは」

(設問1)民営化により郵政事業は具体的にどのように変わるのか。
 1、郵政3事業は、(     )(     )(     )(     )の4つの事業会社に分社化され、さらに持ち株会社「日本郵政株式会社」が経営にあたる。
 2、国営事業であったものが(     )化されることで、民間企業と同じように収益をあげることが目的となり、職員は(     )から会社員となる。
 3、郵政3事業は従来通り「(     )」でサービスを提供するが、分社化されたことで、将来は分離・独立することも考えられる。

(設問2)民営化によるメリットとデメリットをあげなさい。

(設問3)民営化は必要か、凍結すべきか。

○安倍首相辞任から福田政権誕生へ○

2007-10-05 10:27:21 | Weblog
安倍総理の突然の辞任表明で国会は休会し、新総理指名のため自民党の総裁選挙が行われた。自民党総裁選挙では福田康夫氏が新総裁に選出されて、国会で総理大臣に指名後、新内閣が誕生する。この一連の予想外の事態を整理しておきたい。

安倍総理は、テロ特措法延長が困難な情勢となって、局面を打開するために総理を辞任すると辞任の理由を説明した。しかし、この段階での総理の辞任は国政に混乱をもたらし、テロ特措法の延長だけでなく、新法による対抗措置も困難になることは明らかだ。結果的に、テロ対策のための辞任というのは説得力がないことになる。

辞任表明後、安倍総理は入院し、健康上の理由での辞任であったことが判明したが、たしかに健康状態が大きな要因であったとしても、この時期の辞任理由がほんとうに健康問題であったのか、疑問が残る。(もうひとつの疑問は、総理が入院中も総理大臣代理を置かず、事実上の政権の空白を放置したことである。)

こうした一連の異常な事態は、安倍総理の個人的な資質の問題や危機管理能力の欠如に起因するという意見もあるが、はたしてそれだけなのだろうか。



安倍首相:辞任の意向表明 「局面を転換」理由に

安倍晋三首相は12日午後2時から首相官邸で緊急に記者会見し、「本日、総理の職を辞するべきと決意した。局面を転換して、新たな首相のもとでテロとの戦いの継続を目指すべきだ」と述べ、辞任の意向を表明した。首相は参院選惨敗後、内閣改造による政権立て直しを図っていたが、臨時国会でテロ対策特措法の延長問題の展望が開けないうえ、「政治とカネ」の問題をめぐり激しい攻勢にさらされることが確実なことなどから、政権の維持は困難と判断したとみられる。政権が昨年9月に発足して以来1年をたたずに辞任に追い込まれたことで、後継総裁問題は混迷が予想される。

 安倍首相は記者会見で、辞任を決意した理由について「(参院選後も)改革を進めていくとの決意で続投し、内閣改造を行ったが、今の状況ではなかなか国民に支持、信頼され、力強く政策を前に進めていくことはできない。ここは自らがけじめをつけることで局面を打開しなければならないと判断した」と説明。

 また「私がいることによって、残念ながらマイナスになっている。私が首相であることで野党党首との会談もできない状況が生まれている」と語った。さらに「なるべく早く、本日から次の自民党総裁を決めて欲しい」と述べた。

(毎日新聞 2007年9月12日 引用終わり)



安倍首相が辞任表明、首相指名まで国会は自然休会へ

2007年09月12日21時05分

 [東京 12日 ロイター] 安倍晋三首相は12日午後、首相官邸で緊急会見し、「首相の職を辞するべきだと決意した」と辞意を表明した。首相は「新たな首相の下で、テロとの戦いを目指すべきと判断した」と辞任の理由を説明したが、与謝野馨官房長官は12日夕の会見で辞任の理由には健康問題があると指摘した。

 首相の突然の辞任表明を受け、自民党は新総裁の選出手続きに入り、予備選を行わず、両院議員総会での選挙を実施する方向で調整が進んでいる。与党筋によると、19日投票の日程で作業が進んでいる。10日に召集された臨時国会は首相指名選挙が実施されるまで実質的に自然休会に入り、新内閣発足まで政治空白が生まれる可能性が出ている。

 12、13日に衆院本会議、13、14日に参院本会議で予定されていた各党の代表質問は、安倍首相の辞任表明で取りやめとなった。国会筋によると、自民党が安倍首相の後継となる新総裁を選出し、新総裁を国会で首相に指名するまで、臨時国会は自然休会に入る。このためインド洋上での海上自衛隊による給油を継続するためのテロ対策特別措置法の延長や新法の審議などは、大幅に遅れることになりそうだ。

 麻生太郎自民党幹事長は12日午後の会見で、今回の総裁選では、予備選挙を実施せず、衆参両院の国会議員と地方の代議員が参加する両院議員総会での選挙を実施する方針を明らかにした。

 与党筋によると、19日に両院議員総会で投票を実施し、新総裁を選出する日程で最終調整している。ただ、安倍首相の辞任表明が突然であったため、有力者の総裁選への立候補の態勢が整わないために、公示日がずれ込む可能性を指摘する声も与党内にはある。

 最有力候補と自民党内でみられている麻生幹事長は、自身の立候補について「まだ、答えるのは早い」と述べた。また、津島派に属し、同派の総裁候補ともくされている額賀福志郎財務相は「ノーコメント」と語った。

 首相辞任の理由について与謝野官房長官は、健康問題があったとし、8月下旬のアジア歴訪から「健康状態は大変厳しいものがあった」と語った。会見で健康問題に触れなかったのは「逃げ込むのはいやだとの美学だと受け止めている」と述べた。

 首相は午後2時からの会見で、辞任を決断した理由との関連で、小沢一郎民主党代表との党首会談が「実質的に断られ、大変に残念だ」とし、「私が首相であることで、野党との話し合いが難しい状況になっている」と語った。

 そのうえで「私自身の決断が先に延びることで、国会において混乱が大きくなるとの判断から、決断はなるべく早く行わなければならない」と、決断にいたった経緯を説明した。

 投げ出すような辞任劇で無責任との批判も出るのではないかとの質問に対し「職を辞することで局面を変えていかなければならないと判断した。党首会談も実現しない状況の中で、約束したことが実現できない。むしろ、私が居ることが障害になっていると判断した」と繰り返した。

 ただ、小沢一郎民主党代表は12日午後の会見で、自民党の国会対策委員長を通じ、民主党の国会対策委員長に党首会談の打診があったが、その会談の趣旨について「ごあいさつということだった。きょうの段階で首を傾げる提案で、それなら国会でのクエスチョンタイム(党首討論)という方法もあると自民党側に伝えた。自民党側は官邸に伝えると言っていた」と説明。安倍首相の説明とニュアンスの違いをみせた。

 安倍首相は、シドニーで前週末に行われたアジア太平洋経済閣僚会議(APEC)の首脳会議に出席し、終了後の記者会見で、インド洋上の海上自衛隊の給油継続に向け、「職を賭して」対応すると表明。週明け10日の衆参本会議で、所信表明演説をしたばかりだった。

 12日午後から衆院本会議で各党の代表質問が予定されていたが、その直前に辞任を自民党幹部に伝えるという前例のない辞任表明となり、民主、共産、社民、国民新党など野党各党は、無責任な対応と批判している。

(asahi.com より引用)


「改めて深くおわび」安倍首相、都内の病院で陳謝の会見

9月24日21時31分配信 読売新聞

 安倍首相は24日夕、入院先の東京・信濃町の慶応大学病院で記者会見し、退陣を決断した最大の理由は「体調の悪化だった」ことを明らかにした。

 そのうえで、「辞意表明が国会冒頭で、特に所信表明演説の直後という最悪のタイミングになった。国政に支障を来し、国民に多大な迷惑をかけたことを改めて深くおわびする」と陳謝した。

 首相は、突然の退陣を表明した翌日の13日に「機能性胃腸症」と診断されて入院して以降、初めて公の場に姿を見せた。

 辞任の決断について、「この一か月間、体調は悪化し続け、自らの意志を貫くための基礎となる体力に限界を感じるに至った。もはや首相としての責任を全うし続けられないと決断し、辞任表明に至った」と述べた。
(引用終わり)


(設問1)内閣総理大臣が辞任した場合、どのような手続きがとられるのか。

(設問2)今回の安倍首相の辞任には、どのような問題点があると思うか。

(設問3)安倍首相の辞任によって、国政上どのような変化が起こると考えられるか。

※おまけ   政治家と学歴

・福田康夫  私立(     )高校→(     )大学
・小泉純一郎 県立(     )高校→(     )大学
・安倍晋三  私立(     )高校→(     )大学
・麻生太郎  私立(     )高校→(     )大学
・小沢一郎  都立(     )高校→(     )大学
・塩崎恭久  都立(     )高校→(     )大学
・町村信孝  都立(     )高校→(     )大学
・鳩山由紀夫 都立(     )高校→(     )大学
・与謝野馨  私立(     )高校→(     )大学
・中川秀直  都立(     )高校→(     )大学
・谷垣禎一  私立(     )高校→(     )大学

○サブプライム問題と外国為替市場○

2007-10-05 10:26:04 | Weblog
今年8月中旬、外国為替市場で急激なドル安(円高)が進み、NY株式市場をはじめとして世界同時株安の事態となった。原因は、アメリカの低所得者向け住宅ローンである「サブプライム・ローン」の焦げ付きが深刻化したことである。(サブプライムとは、本来「プライム(prime)=最良の」のサブ(次・下)であるはずなのだが、実はかなり無理な貸し出しが多く、債権のこげつきが前々から心配されていた)

なぜ、アメリカ一国の住宅ローン問題が世界的な金融危機にまで発展してくるのか理解しがたいところだろう。(日本のバブル経済とその破綻が日本国内では深刻な経済不況をもたらしたが、世界経済にはそれほどの影響を与えなかった)「サブプライム・ローン」はアメリカの国内向け債権であるが、じつはこの貸し出し資金はさまざまな国のさまざま機関が提供していることになっている。たとえば、日本の野村證券とか東京三菱UFJ銀行とか、今回のサブプライムで数十億円から数百億円の損失を出したと言われている。なぜ、アメリカの住宅ローンにアメリカ以外の金融機関が関わっているのかというと、アメリカの「住宅ローン(債権)」がひとつの金融商品(証券)として細分化されて販売されているからである。金融機関が購入した金融商品の中に、これらの「住宅ローン(債権)」が含まれている。日本では住宅ローンは銀行などの金融機関にとって安定した収益を生む手段である。仮にローン返済ができなくなっても担保物件である住宅を売って資金を回収できる。

しかし、これが命取りになるということを日本の金融機関は一度バブル崩壊で経験したはずである。だからかどうかわからないが、今回のアメリカ発バブル崩壊で比較的日本の金融機関の損害は少なかったように思われる。(しかし、実態がまだ明らかになっていない不透明な状態が続いている。そのために為替市場など不安定な状態が続いている)



G10は市場の混乱に用心=トリシェECB総裁
9月11日6時45分配信 ロイター


[バーゼル(スイス) 10日 ロイター] 国際決済銀行(BIS)の主要国中央銀行総裁会議(G10)は10日、特に実体経済への影響を見極めるため、金融市場の動向を引き続き注視していくとの認識で一致した。
 会議終了後、議長を務めた欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は「状況を注意深く監視(close monitoring)しつつ見守る必要がある。われわれはもちろん世界的なレベルで引き続き用心していくし、気を緩める暇はない」と語った。
 トリシェ総裁は、各中銀とも資金市場の安定確保に向けて行動してきたが、投資家を救済する役割は負っていないというのが各中銀の総意だったと指摘。「悪い投資家の救済は最悪、といった雰囲気が会議の出席者から明確に感じ取れた」と述べた。
 さらに、市場の調整は「無秩序(disorderly)」ではないが、深刻な調整の場合、ボラティリティやオーバーシュートの発生に加え、実体経済に悪影響を及ぼすリスクを伴う期間があると述べた。そのうえで「われわれはとりわけ米国の動向を非常に注意深く見守る必要があると考えており、米連邦準備理事会(FRB)の状況判断に信頼を置いている」と話した。
 米経済がリセッション(景気後退)に陥る可能性についてはコメントしなかった。  (引用終わり)



景気下支え重視へ=サブプライム問題受け転換-米FRB理事=
9月11日9時1分配信 時事通信


 【ニューヨーク10日時事】米連邦準備制度理事会(FRB)のミシュキン理事は10日、ニューヨークで講演し、低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き急増に端を発した金融市場の動揺が、企業や家計の支出減につながれば「米景気への打撃は深刻だ」と述べるとともに、「このシナリオを排除できない」として、FRBが政策の重点を景気下支えに移す考えを示唆した。
 FRBが配布した講演テキストによると、同理事は「重大な景気下振れリスク」があると指摘。「連邦公開市場委員会(FOMC)は、経済への悪影響を緩和するため、必要な措置を取る」と言明した。 
(引用終わり)



したがって、現在、為替相場の混乱や株式市場での株価の乱高下といった現象は、いわゆる「実体経済」を反映したものではなくて、あくまでも不透明なローン債権の問題が原因である。しかし、これに対する対処をあやまると深刻な金融危機を招きかねないし、実体経済へ影響を与えることになる。

外国為替チャート(ヤフー・ファイナンス)


<米国>住宅バブル崩壊 100万軒が差し押さえに

9月15日10時18分配信 毎日新聞記事から引用


 米国のサブプライム住宅ローン(信用度が低い借り手用の融資)が破綻(はたん)し、世界経済を揺るがせている。カリフォルニア州などで住宅バブルがはじけたのがきっかけ。ローン返済が滞り、競売にかけられた住宅数は7月だけで全米で約18万軒。今年末までに100万軒が差し押さえられるという。一体、何が起こったのか――。【米カリフォルニア州ストックトンで、國枝すみれ】
 サンフランシスコから車で東に2時間、銀行の差し押さえ率全米一のストックトン。市中心部にある裁判所前で始まった競売はわずか5分で終了。約30件の不動産が差し押さえとなった。ブドウ畑に接する新興住宅地では真新しい家に「大幅値下げ」の看板がかかる。
 サンフランシスコやサンノゼの高所得者が投資目的でセカンドハウスを購入したため、不動産価格は00年から毎年10%超も上昇。04年には前年度比43%、05年には63%も急騰した。住宅ローンは「頭金2割、30年」の固定金利が基本だが、金融機関は「頭金なし、最初の1~3年間は金利のみ」、またはごく低利の金利のみを払えばいい変動金利ローンを設定し、投機ブームをあおった。
     *
 不動産業のクレア・キティラスさん(30)は04年初め、33万6000ドル(約3860万円)で家を購入。1年たらずで56万ドルに値上がりしたため、変動金利ローンに借り換え、借入金の一部を2軒目の家(56万ドル)の購入費用に充てた。当初は30年固定金利ローンで支払いは月1600ドルだったが、変動金利に変えたため今年は2軒分で月5800ドル。価格は下がり、転売もローン借り換えも不可能になった。「どうせ30年も住まないし、価格は上昇し続けると思っていた」と唇をかむ。
 地元の不動産ブローカーのルイス・マウーツアさん(37)は「悪質なのはサンフランシスコなどのブローカー」と前置きしたうえで、具体的な取引例を明かしてくれた。「預金も良い仕事も信用もなし、家が欲しい気持ちだけがある、という市民に貸し付けた。完済能力があるのは2割だった」
 借り手に現金がないため、ローン申請書に借り手の偽の収入証明書を添付するブローカーも。銀行側も気にしなかった。
 住宅ローンは証券化され、結局損をしたのはヘッジファンドや海外の投資家だ。マウーツアさんは振り返る。「欲にまみれた借り手、非倫理的な方法で貸し付けたブローカー、きちんとしたガイドラインがなかった銀行。責任は全員にある」
     *
 サンフランシスコやニューヨークのマンハッタンは居住空間が限られているために不動産価格が下がりにくいが、ストックトンの周囲には農地が広がる。シリコンバレーのような地場産業もない。価格はあと2年は落ち続けるとみられる。
 マウーツアさんは「政府は救済のために税金を投入すべきではない。バブルはまた起きる」とみる。調査会社のハウジング・プレディクターによれば、米国人の8割が同意見だそうだ。
(引用終わり)

(設問1)サブプライムローン問題でFRBはどのような手を打ったか。

(設問2)なぜ、アメリカの問題が世界的な金融危機につながったのか。

(設問3)日銀はどのような政策をとったか

○テロ特措法と国会運営○

2007-09-10 11:55:21 | Weblog
テロ特措法とは、2001年、アメリカで起こった同時多発テロ事件を受けて、アメリカがアフガニスタンなどに対して、対テロ戦争を行う攻撃・侵攻を後方支援する目的で制定されたものである。

教科書には次のように記述してある。

「2001年の「9・11」事件(アメリカ同時多発テロ事件)を機に勃発したアメリカのアフガニスタン「対テロ戦争」に際し、日本はテロ対策特別措置法を制定して、米軍への後方支援に自衛隊を派遣した。さらに、2003年のイラク戦争では、主要な戦闘終結後も武力衝突がつづくイラクに自衛隊が派遣された(イラク復興支援特別措置法)。これらは、はじめての戦時における自衛隊派遣であり、それまでの一線を大きく踏みこえるものであった。」(p168)

テロ特措法は2001年11月2日に公布・施行され、当初は2年間の時限立法であったが、その後延長されて、現在にいたっている。
日本は憲法第9条の規定で、国際紛争を解決する手段として武力の行使はできないため、自衛隊の活動は武力行使にはあたらない、しかも非戦闘地域での活動に限定されている。具体的には、アメリカ軍などの外国の軍隊への物品・役務の提供である「協力支援活動」。また、外国の軍隊が戦闘行動で遭難した場合の遭難者の捜索・救助をする「捜索救助活動」。さらに、「被災民救援活動」などの活動に限定される。

テロ特措法によって、日本政府は海上自衛隊をインド洋に派遣し、護衛艦(イージス艦)によるレーダー支援、補給艦による外国艦艇への給油活動が行われている。
(いわゆる洋上の無料ガソリンスタンドとはこのことである)

このテロ特措法(およびイラク特措法)は、アメリカの戦争に加担し、協力するという意味で、憲法が禁ずる「集団的自衛権」の行使にあたるのではないかという指摘がある。一方で、日米の軍事的同盟関係を重視する立場から、日本政府が憲法9条を理由に自衛隊の派遣を拒否することは国益を損なうと主張する人もいる。

参議院の与野党逆転で2007年11月に失効するテロ特措法の延長ができるかどうかが注目されている。


<高村防衛相>テロ特措法継続へ「何でもする覚悟」

9月3日20時10分配信 毎日新聞記事から引用

 高村正彦防衛相は3日の東京都内での講演で、テロ対策特別措置法の延長問題について「民主党の小沢一郎代表が反対と言っており、何らかの理解をもらわないと延長できない。続けられるならどんなことでもやる覚悟だ」と述べ、民主党の理解を得るため、法案修正なども含め与野党協議に臨む考えを示した。
 防衛省の増田好平事務次官も同日の記者会見で「(同法の)延長が政治的に難しいなら、あらゆる可能性を研究することになる」と述べ、同法の延長に代わり、インド洋での給油を継続するための新法提出を前向きに検討する考えを示した。
 ただ、民主党の鳩山由紀夫幹事長は同日、福岡市内で記者団に対し「今までの法律を人道支援も入れた幅広いものにしたから良い、というような簡単な話にはならない」と述べ、新法構想に疑問を呈した。(引用終わり)


<高村防衛相>テロ特措法失効に備え、新法を検討

9月2日19時29分配信 毎日新聞記事から引用

 高村正彦防衛相は2日、11月1日で期限が切れるテロ対策特別措置法が民主党の反対で失効する場合に備え、「政府は11月2日以降も海上給油を続けなければいけないと思っているので、有効な方法はあらゆる可能性を追求する」と述べ、活動を継続するための新たな法案の提出を検討する考えを明らかにした。東京都内で記者団の質問に答えた。
 新法の内容は、民主党の協力を得るため、現在、アフガニスタンで活動している国連のISAF(国際治安支援部隊)への人道支援を含めて検討するものとみられる。ただ、アフガニスタンでの人道支援に日本が踏み込めるのかどうかについては、与党内にも消極論がある。
 高村防衛相は、就任直後の記者会見で、テロ特措法が失効しないよう民主党の要求に応じて法案を修正する可能性を示唆。また、野党が海外での自衛隊の活動に関して情報開示を求めていることについても「関係国に機密を含む情報の提供を求めて開示したい」と周辺に語るなど柔軟姿勢を示し続けている。(引用終わり)


10日から始まる臨時国会で政府は「テロ特措法延長法案」を提出するが、野党の反対が強ければ、期限切れで海上自衛隊を撤収しなければならなくなる。それを避けるために、新たな法案を提出することも視野に入れているようである。(海上自衛隊による洋上補給はなんとしても継続したいということだ)


さて、参議院の与野党逆転で国会審議はどう変わるのか。次の記事を参考に整理しておきたい。

基礎からわかる「逆転参院」(読売新聞)

<追加>

米大統領、テロ特措法延長を要請 日米首脳会談

2007年09月08日12時18分

 安倍首相は8日午前、アジア太平洋経済協力会議(APEC)出席のため訪れたシドニー市内で、ブッシュ米大統領と会談した。首相はインド洋での海上自衛隊による多国籍軍艦船への給油活動について「ぜひとも継続が必要であり、最大限努力する」と述べ、11月1日で期限が切れるテロ対策特別措置法の延長に全力を挙げる考えを表明。大統領は「日本の支援は国際社会のメンバーにとって不可欠だ」と支援の継続を要請した。来年の北海道洞爺湖サミットに向けて、地球温暖化問題への取り組みなどで協力を強化する方針も確認した。

 ブッシュ大統領は会談終了後、記者団に「安倍首相、日本政府と国民に対し、テロとの戦いへの貢献に感謝したい。この戦いにおける日本の役割は極めて重要で、必要な役割だ」と強調。海上自衛隊の給油活動について「米国だけでなく、ほかの国々にとっても欠かせない」と述べた。

 続いて安倍首相も「テロとの戦いで国際社会が一致して協力する重要性を確認した。海上自衛隊の活動の重要性についても一致した」と語った。
(朝日新聞記事より引用)


安倍首相「海自の給油活動、継続できなければ退陣」

9月9日17時3分配信 産経新聞

 【シドニー=船津寛】安倍晋三首相は9日午後、シドニー市内のホテルで記者会見し、インド洋での海上自衛隊の給油活動の継続問題で、「民主党をはじめ野党の理解を得るため、職を賭して取り組んでいく。職責にしがみつくということはない」と述べた。活動継続に反対する民主党など野党との調整が失敗に終わり、「海自撤退」という事態になれば、責任をとって退陣する考えを示したものだ。

 首相は、日米首脳会談など各国首脳との会談で活動継続への決意を示したことを踏まえ、「国会の状況は厳しいが、(活動継続が)国際的公約となった以上、私には大きな責任がある」と強調した。その上で、「あらゆる努力を行わなければならないと決意した」と不退転の姿勢を示した。

 海自の給油活動の根拠法であるテロ対策特別措置法は11月1日に期限が切れる。民主党など野党各党は同法の延長案に反対しており、政府・与党内では、民主党の意向に配慮した新法を国会提出して成立を図り、活動を継続する案が浮上している。首相も8日の同行記者団との懇談で、「(活動を)どう法的に担保していくかは工夫の余地がある」と述べていた。

(産経新聞記事より引用)
※ニュース・ステーション「検証:自衛隊”給油”の真実」



政府、新テロ法骨子案を与党に示す
2007.10.5 10:54(産経新聞記事から引用)


 政府は5日午前、インド洋での海上自衛隊の補給活動を継続するための新法案の骨子案を自民、公明両党の合同部会に提示した。両党の関係合同部会では、活動の実施に関する国会承認規定が省略されたことに異論が出たため骨子案そのものの了承は見送られたが、同日午後の与野党国対委員長会談で野党側に骨子案を提示して協議に入ることは了承された。

 骨子案は、11月1日に失効するテロ対策特別措置法に代わる海自の活動の根拠法となる新法案の名称を「新テロ特措法」とし、インド洋で多国籍軍が実施している海上阻止活動に対する補給活動に海自の活動を限定、具体的な活動内容や対象地域を新法案の条文で規定するとしている。

 法律の期限は2年間で、現行法にある国会承認規定は削除する一方、1年後に活動実績について国会報告を行うことを義務付けている。(引用終わり)


給油の米補給艦、イラク戦関与か 海自巡り市民団体調べ

2007年10月05日08時47分

 海上自衛隊の補給艦が対イラク作戦に参加した米空母に間接給油していた問題で、市民団体「ピースデポ」(横浜市)は4日、海自補給艦ときわが直接給油した米補給艦ペコスは、空母キティホークに給油した後、対イラク開戦直前のペルシャ湾内で、米軍艦への補給活動を続けていたことを明らかにした。

 米情報公開制度を通じて入手したペコスの航海日誌(03年2月15日~3月15日)などを分析した。それによると、ペコスは、キティホークに給油した同年2月25日から3月15日まで、同湾内などで、米強襲揚陸艦や弾薬補給艦など16隻に24回給油していたという。

 この間にペコスがときわから給油を受けたと確認できたのは、直後にペコスがキティホークに給油した2月25日の1回だけという。

 同団体は「給油対象艦は対地・対艦攻撃の艦船などで、ペコスからの燃料は、大半がイラク作戦に使われたのではないか」と指摘している。

 間接給油をめぐっては、ときわがインド洋上で、ペコスに約80万ガロンを給油。同日にペコスから約80万ガロンの給油を受けたキティホークが対イラク作戦に参加したことが判明している。「テロ特措法の目的外ではないか」との指摘から、政府は米側に確認資料を求めるなどしている。 (朝日新聞記事から引用終わり)




米国防総省、給油イラク転用を否定 声明で詳細示す

2007年10月11日00時59分

 米国防総省は10日朝(日本時間同日夜)、日本のテロ対策特別措置法に基づいてインド洋で活動する海上自衛隊の補給艦「ときわ」がイラク戦争直前の03年2月、米空母キティホークへ間接的に給油していた問題に関して、「(対イラク作戦に転用されたとの)懸念は見当違いである」と発表した。同空母はペルシャ湾北部で対イラク監視行動に入るより前に従事していた対アフガニスタンの「不朽の自由」作戦(OEF)の3日間で、海自から提供を受けた量を上回る燃料を消費したとしている。

 10日付で日本のメディア向けに出した声明で、給油を受けた量などの詳細を明らかにした。

 声明によると、「ときわ」は03年2月25日、米補給艦ペコスに80万ガロンの燃料を補給した。ペコスはその直後、キティホークに67万5千ガロンを給油した。ペコスからキティホークへの67万5千ガロンがすべて、「ときわ」から補給された分だったと仮定しても、キティホークの当時の航行速度や作戦行動と照らし合わせると、3日間で消費し尽くす量だとしている。同艦はこの間、海上阻止活動のための監視などのOEFに従事しており、その後の同28日夜になって、ペルシャ湾北部で、イラク南部の飛行禁止区域を監視する「南方監視作戦(OSW)」の支援活動に入ったという。 (朝日新聞記事から引用終わり)



<参考>
「テロ対策特別措置法」(首相官邸サイト)
「国際社会における自衛隊の活動状況」(防衛省・自衛隊サイト)
「派遣部隊の活動」(海上自衛隊サイト)


(設問1)「テロ特措法」による自衛隊の活動は、それまでのPKOなどの活動とどうちがうのか。
・PKOは紛争が終結した後で、(A   )にもとづいて自衛隊が派遣されるのに対して、「テロ特措法」では(A)なしで、しかも(B   )における自衛隊の派遣である点

(設問2)民主党は、「テロ特措法」による活動が憲法違反にあたると主張しているが、なぜ憲法に違反していると言えるのか。

(設問3)民主党小沢代表は、国連決議の基づくアフガニスタン国内での治安維持活動(ISAF)に自衛隊を派遣すべきだと主張しているが、これについてどう思うか。

(設問4)与党が提出する予定の「新テロ法案」は、海上自衛隊の活動を「テロ対策のための外国艦船に限定した給油・給水」に限定するものであるが、これについてどう思うか。