北京で続けられていた6カ国協議で大きな進展があった。北朝鮮が寧辺の核施設の無能力化など米国の要求を受け入れ、見返りに重油などの供給を受けること、さらにアメリカによる「テロ支援国家指定の解除」などの約束を取り付けたようである。
それて歩調合せるように7年ぶりに南北首脳会談が開かれ、朝鮮戦争終結宣言に向けた協力を共同宣言に盛り込んだ。南北融和が進み、6カ国協議での進展とあわせ、一挙に融和ムードが進んでいるが、実態はどうなのだろうか。日本が懸案とする「拉致問題」には進展はない。日朝協議もはかばかしくない状態が続いている。
一方で、今回の核問題をめぐる北朝鮮の態度変化を金正日総書記の方針転換にあるという見方も出てきている。
アメリカ・韓国・中国とこのところ北朝鮮と親密に接近している中で日本だけがカヤの外で取り残された状態だ。「拉致問題」に進展がない限り北朝鮮への経済援助もしないというのが日本政府の基本方針だ。しかし、このままの状態が続いていいというわけにはいかないだろう。手詰まりの状態を打開する方針があるのかどうか。
6カ国協議、寧辺核施設の無能力化などで北朝鮮合意
10月4日6時15分配信 ロイター
[北京 3日 ロイター] 中国が発表した6カ国協議の合意文書によると、北朝鮮は、寧辺の核施設の無能力化やすべての核計画を年内に申告することで合意した。今後は北朝鮮による履行が焦点となる。
合意を受け、北朝鮮には将来的に見返りとして重油100万トンに相当する支援が与えられ、米国は北朝鮮のテロ支援国家指定解除に向けて動くことになる。
6カ国協議は30日、各国の首席代表が共同文書案を本国に持ち帰って承認を得るため、2日間の休会に入っていた。共同文書は、各国代表が調印した後、議長国の中国が発表した。北朝鮮は対象となるすべての核施設を無能力化し、2007年12月31日までにすべての核計画の完全かつ正確な申告を行うことに合意した。
今回の合意について、日米政府からは評価の声が聞かれた。ブッシュ米大統領は合意を歓迎するとし、町村信孝官房長官は「最終的に日本が評価できる内容だ」と述べた。
米国は他の5カ国の要請により無能力化に向けた活動を主導、当初資金を提供する。さらに、無能力化への準備のため2週間以内に訪朝する専門家グループを米国が主導する。
北朝鮮は、核物質・技術およびノウハウを移転しないとの約束を再確認した。
一方、米国による北朝鮮のテロ支援国家指定解除の具体的時期は文書に盛り込まれず、北朝鮮の行動と並行してコミットメントを履行するとの表現にとどめた。
ブッシュ大統領は前週、北朝鮮に対する2500万ドル相当の支援提供を承認、これにより5万トンの重油が北朝鮮に提供されることになる。中国や韓国はすでに燃料供与を実施、ロシアも今後同様の措置をとる見通し。日本は拉致問題の進展がなければ参加しないとしている。
(引用終わり)
朝鮮戦争終結へ協力、南北首脳が「宣言」に署名
10月4日14時45分配信 (読売新聞記事から)
【ソウル=竹腰雅彦】北朝鮮訪問中の盧武鉉(ノ・ムヒョン)韓国大統領と北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は4日午後1時、第2回南北首脳会談の合意事項として、朝鮮戦争(1950~53年)の終結宣言推進などを盛り込んだ「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」に署名、発表した。
南北首脳による宣言は2000年6月の第1回首脳会談で採択された「南北共同宣言」以来。南北関係は当面、南北関係発展・平和繁栄宣言を軸に進むことになるが、残り任期約5か月の盧政権がどこまで履行し、次期政権に引き継げるかが課題となる。
宣言は8項目からなり、〈1〉2000年の第1回南北首脳会談の共同宣言の順守〈2〉南北の相互尊重、信頼関係構築〈3〉南北間の軍事的緊張緩和のための緊密な協力〈4〉朝鮮戦争終結と恒久的平和体制構築のため、当事国の3者または4者の首脳による終戦宣言の推進〈5〉「民族経済」の均衡的発展〈6〉歴史、文化、スポーツなどでの南北間協力推進〈7〉南北間人道協力の推進〈8〉国際社会での南北協力強化――を盛り込んだ。宣言には北朝鮮の核問題について、「6か国協議の合意履行に南北が共同で努力する」とした。
(引用終わり)
(設問1)6カ国協議でどのような合意がなされたのか。
(設問2)なぜ、この時期に6カ国協議の進展があったのだろうか。
(設問3)この合意に対して日本政府はどのような立場にあるのか。
(設問4)南北首脳会談でどのようなことが合意されたのか。
それて歩調合せるように7年ぶりに南北首脳会談が開かれ、朝鮮戦争終結宣言に向けた協力を共同宣言に盛り込んだ。南北融和が進み、6カ国協議での進展とあわせ、一挙に融和ムードが進んでいるが、実態はどうなのだろうか。日本が懸案とする「拉致問題」には進展はない。日朝協議もはかばかしくない状態が続いている。
一方で、今回の核問題をめぐる北朝鮮の態度変化を金正日総書記の方針転換にあるという見方も出てきている。
アメリカ・韓国・中国とこのところ北朝鮮と親密に接近している中で日本だけがカヤの外で取り残された状態だ。「拉致問題」に進展がない限り北朝鮮への経済援助もしないというのが日本政府の基本方針だ。しかし、このままの状態が続いていいというわけにはいかないだろう。手詰まりの状態を打開する方針があるのかどうか。
6カ国協議、寧辺核施設の無能力化などで北朝鮮合意
10月4日6時15分配信 ロイター
[北京 3日 ロイター] 中国が発表した6カ国協議の合意文書によると、北朝鮮は、寧辺の核施設の無能力化やすべての核計画を年内に申告することで合意した。今後は北朝鮮による履行が焦点となる。
合意を受け、北朝鮮には将来的に見返りとして重油100万トンに相当する支援が与えられ、米国は北朝鮮のテロ支援国家指定解除に向けて動くことになる。
6カ国協議は30日、各国の首席代表が共同文書案を本国に持ち帰って承認を得るため、2日間の休会に入っていた。共同文書は、各国代表が調印した後、議長国の中国が発表した。北朝鮮は対象となるすべての核施設を無能力化し、2007年12月31日までにすべての核計画の完全かつ正確な申告を行うことに合意した。
今回の合意について、日米政府からは評価の声が聞かれた。ブッシュ米大統領は合意を歓迎するとし、町村信孝官房長官は「最終的に日本が評価できる内容だ」と述べた。
米国は他の5カ国の要請により無能力化に向けた活動を主導、当初資金を提供する。さらに、無能力化への準備のため2週間以内に訪朝する専門家グループを米国が主導する。
北朝鮮は、核物質・技術およびノウハウを移転しないとの約束を再確認した。
一方、米国による北朝鮮のテロ支援国家指定解除の具体的時期は文書に盛り込まれず、北朝鮮の行動と並行してコミットメントを履行するとの表現にとどめた。
ブッシュ大統領は前週、北朝鮮に対する2500万ドル相当の支援提供を承認、これにより5万トンの重油が北朝鮮に提供されることになる。中国や韓国はすでに燃料供与を実施、ロシアも今後同様の措置をとる見通し。日本は拉致問題の進展がなければ参加しないとしている。
(引用終わり)
朝鮮戦争終結へ協力、南北首脳が「宣言」に署名
10月4日14時45分配信 (読売新聞記事から)
【ソウル=竹腰雅彦】北朝鮮訪問中の盧武鉉(ノ・ムヒョン)韓国大統領と北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は4日午後1時、第2回南北首脳会談の合意事項として、朝鮮戦争(1950~53年)の終結宣言推進などを盛り込んだ「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」に署名、発表した。
南北首脳による宣言は2000年6月の第1回首脳会談で採択された「南北共同宣言」以来。南北関係は当面、南北関係発展・平和繁栄宣言を軸に進むことになるが、残り任期約5か月の盧政権がどこまで履行し、次期政権に引き継げるかが課題となる。
宣言は8項目からなり、〈1〉2000年の第1回南北首脳会談の共同宣言の順守〈2〉南北の相互尊重、信頼関係構築〈3〉南北間の軍事的緊張緩和のための緊密な協力〈4〉朝鮮戦争終結と恒久的平和体制構築のため、当事国の3者または4者の首脳による終戦宣言の推進〈5〉「民族経済」の均衡的発展〈6〉歴史、文化、スポーツなどでの南北間協力推進〈7〉南北間人道協力の推進〈8〉国際社会での南北協力強化――を盛り込んだ。宣言には北朝鮮の核問題について、「6か国協議の合意履行に南北が共同で努力する」とした。
(引用終わり)
(設問1)6カ国協議でどのような合意がなされたのか。
(設問2)なぜ、この時期に6カ国協議の進展があったのだろうか。
(設問3)この合意に対して日本政府はどのような立場にあるのか。
(設問4)南北首脳会談でどのようなことが合意されたのか。