クインシー・ジョーンズ自叙伝

クインシー・ジョーンズの半生を彼の飾りのない、そして鋭い洞察力で描かれた物語。

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ウィ・アー・ザ・ワールド その1 クインシー・ジョーンズ自叙伝より

2010年12月07日 | クインシー自叙伝第39章
クインシー・ジョーンズ自叙伝
(2002年10月)
原題「The Autobiography of Quincy Jones」
著者 クインシー・ジョーンズ 訳 中山啓子

アルティメット・コレクション


ウィ・アー・ザ・ワールド その1
(第39章、ウィ・アー・ザ・ワールドの記述)


1984年、ニューヨークにいた私は、ライオネル・“スキート”・リッチーとプロモーター、ケン・クレイガンから電話を受け、ハリ・ベラフォンテが、内戦と飢餓によって死に瀕しているエチオピアの人々のためになにか行動を起こすべきではないかと考えていることを伝えられた。


ヨーロッパで行われたバンド・エイドというイべントは、その一例として大成功を収めていた。


私とハリーは、1950年代初期からの付き合いだった。当時、ジャズ・シンガーだったハリーは、シドニー・ポワティエとともに、ハーレムで『リブズ・イン・ザ・ラフ』というバーベキューとフライドチキンの店を経営し、『バードランド』に足繁く出入りしていた。


私は協力することを承諾した。そこでまず私たちは、曲作りにあたる人物を検討した。「おそらくスティービー・ワンダーとライオネル・リッチーが共作できるだろう」という声があがった。


だが私は「いや、スティービーはベストだが、彼を悩ませるわけにはいかない。彼は今レコーディングの真っ最中だ」と反対し、ライオネルにマイケル・ジャクソンと共作するよう薦めた。当時マイケルは、たんに暇つぶしに曲を書いているような状態だった。そうして、この2人が作詞・作曲を担当することになった。


セッションの2週間前、わたしはさすがに進行具合が気になり、マイケルの家に電話をかけた。思った通り、彼とライオネルは、膝をつき合わせて、モータウンのことや昔話に花を咲かせ、作業はまったく進んでいなかった。


私は言った。「親愛なるブラザー、私たちが46人のスターを迎えるまで3週間を切り、それまでに完全な形の曲を用意しなければならないんだぞ」


まずライオネルが閃いた。彼はマイケルにカセットテープをかけて、タイトル・ラインのメロディーを聴かせた。マイケルは2,3日間、自宅に閉じこもり、残りの部分を書き上げた。歌詞も2人の共作だった。私たちはその曲、《ライク・イエスタデイ》のデモテープが必要だった。“あの曲”は、そのときはそういうタイトルだった。


イントロのベーシック・トラックをレコーディングしたあと、本番のセッションに備えて他のアーティストにメロディーや歌詞を教えるため、私たちはライオネル、マイケル、そして時間を割いてくれたスティービー・ワンダーにガイド・ボーカルを歌わせた。


そして私の家に集まってデモテープを聴いていた時、ライオネルが言った。「Q、あのマイナー・パートにまだ自信がないんだ」。だが私はこう答えた。「いや完璧だよ。コーラスとのコントラストが素晴らしい。君たちはまさに俺が求めていたものだ」


その後、私たちはマイケルに電話を入れた。マイケルは、彼とライオネルがリード・ボーカルを歌い、他のアーティスト全員がバック・コーラスを担当するというアイデアを提案した。


なるほど!それはおおいにウケることだろう。私はブルース・スプリングスティーンやティナ・ターナー、レイ・チャールズやダイアナ・ロスや他のアーティスト全員が彼の背後で歌う姿を思い浮かべることができた。


もちろん、これはあくまでも冗談だが、マイケルは本気だった。私はマイケルに思いとどまらせる必要があった。彼はライオネルに私を説得するよう求めたが、彼ら以外の44人の大物アーティストは、そういう役割を演じるために一堂に会するわけではない。


彼らの目的は、私心を捨て、アフリカの飢えに苦しむ人々のために共同で何かをするということだった。そして私たちはデモテープの中の自殺の含みがある一節を書き換えた。つまり“There’s a chance we’re taking, we’re taking our own lives”を”There’s a choice we’re making , we’re saving our own lives” に。

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本当は、《ライク・イエスタデイ》…
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